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こんにちは。蒸し蒸しとした日が続き、PCに向かい合う時の腕が、机にひっついてベタベタとする今日この頃。思わず小さな舌打ちをしたくなりますね。
さて、そんな本日は「『みんなに愛される』必要はない」と題して、ターゲットの考え方について書いていきたいと思います。最後までよろしくお願いします。
アパレルブランドやショップをスタートするにあたり、まず考えるのはコンセプトとそれに基づくMD計画だと思います。しかし、それと同時に考えるべきは「どこに(誰に)売るのか」ということです。このターゲットという存在は、極めて重要な指標となり、ショップないしはブランドの運営にとって欠かすことのできないものです。
勿論、商品が多くの人に売れれば、それだけ売上が伸びるのは当たり前のことです。故にこのターゲット策定時に、「その範囲を広くとる」ということをしがちです。しかし一方で、僕もそうだったように「この辺りに売る!」のようにターゲットを漠然と決定すると、後に欠陥が出てきます。その欠陥とは、
・商品企画そのものが成り立たない
・すべてのデザインが決まらない
・MD的な数値を導き出せない
などです。
・商品企画そのものが成り立たない
・すべてのデザインが決まらない
については、そもそも誰が買ってくれるかという具体的なイメージがないため、”とりあえず売れそうな商品を製作する”という悪循環に陥るからです。人が生活を送る上で”とりあえず買っておく”というもののほとんどは、生活必需品です。例えば柔軟剤が切れそうだから、とか、醤油がそろそろなくなるわ、みたいなことです。それも「単価が安い」という条件付きのものです。
・MD的な数値が導き出せない
あの人にもこの人にも、という状態ではTシャツのサイズも色も決めることが出来ません。更に、価格を決定することは愚か、販路も決めることができません。
これは何もアパレル小売業だけの話ではなく、グラフィック系のデザイナーや出版社、あらゆる職種に通ずるものだと思います。
そこで、僕がOMOTE TO URAで実践しているのは、明確な「ユーザー像」をつくるということです。”一体その商品を誰に買ってほしいのか”という具体的なイメージを言語化し、更にはヴィジュアル化することでこの悩みは解決します。
どの年代✖→どの年齢〇
この辺りに住む人✖→ここに住む人〇
暖色系が好きな人✖→濃いオレンジ色が好きな人〇
目が悪い人✖→コンタクトをつけている人〇
アウトドアが好き✖→ソロキャンプ泊が好き〇
などのように、可能な限り狭めた考え方をするということです。そしてこれを行えば、限られた資本(人をも含め)を無駄にせず投入することができるようになり、①で書いた悩みに対する答えを導くことができます。
故に、ブランドによっては必ずしも毎シーズン商品を作る必要はないかもしれませんし、SNSのフォロワーは30人でも十分かもしれません。
もちろんざっくりとした顧客像はあっていいと思いますが、より具体的に詰めたほうがやるべきことが明確になる、ということを実感しています。
極端な話ですが、一万円の商品を100人が買えば、
10,000×100=1,000,000(百万円)
の売上が立ちます。しかし百万円の商品を1人が買っても、結局のところ
10,000,000×1=1,000,000(百万円)
ですから、売上は変わりません。
1万円の商品と100万円の商品では、そもそも原価が違う(と思う)ので、商品単体における粗利益率と原価率はあまり変わらないと仮定しても、発送に伴う送料や梱包するショッパー、細かい作業に伴う人件費などが削減できる為、販管費は下がることになります。
故に、粗利益は必然的に高くなります。この「粗利益」というのは、MDにおける大切な指標の一つとなります。
言ってしまえば「九割の人が酷評していようと、残りの一割が商品を購入してくれればいい」ということになります。一見すると、九割の人を無視し、世間を無視したように見えます。そうです。九割の人、世間の人を無視し、捨てるということが大切に思います。
これはなかなか勇気がいることですが、商品を売るということにおいては大事なことです。
最後までお読みいただきありがとうございました。これからあっつい夏がきます。体調など崩さぬように、ご自愛ください!(ワダアサト)
OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
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