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楽天とZOZOのポップアップショップに行った所感

この11月、立て続けに東京・大阪で巨大ECモールのポップアップショップが開催されておりまして、幸いどちらも日程が合いましたので双方の店舗を見てきました。特に大した気づきなどはなかったのですが、忘備録的に内容をここに記載しておきたいと思います。

 

◯楽天

出品していたのは大手アパレルの商品中心でした。マッシュスタイルラボ・オンワード樫山・ジュンなどなど。フロント側で特別な仕掛けはそれほど見えず、ポップアップ用のLPと商品一覧ページが用意されていた程度。

各商品にそれぞれそのQRが設置されており、裏側には商品詳細ページへのQRも。

店頭に販売員さんもいらっしゃいましたので、商品の説明はそこで受けれますし試着も可能。渋谷チューズベースみたく、オンラインに全振りしない方が逆に楽だと感じさせられます。既に店舗に来ていますし、アナログな方が簡単な要素は多々ありますからね。このケース、バックオフィスの方が色々大変かもしれません。店頭で売れた商品との在庫連携をどうやるのか?ブランドが楽天ファッションと連携、もしくは預けている在庫を活用して店舗で販売し、実際に売れたものはレジで打ち込めばモールに出品している在庫から引かれる、などのフローの構築ですね。

ZOZOと楽天、東京・大阪に実店舗 リアル空間でもしのぎ削る

WWDの記事では楽天が店舗支援サービスも今後拡充していく方針とのことでしたので、楽天上でブランドの店頭在庫との連携などもそのうち可能になっていくものと推測しますが。ZOZOが提供スタートし出したZOZOMOみたいなものでしょうか。

モールがブランドの店頭在庫連携から物流までおさえるとなると二度とモールから離脱はできなくなるので、囲い込むとしたらモール側にとっては良いサービスなのではないかと。

 

◯ZOZO

ZOZOの店舗は、

【YOUR BRAND PROJECT】

こちらの【YOUR BRAND PROJECT】のポップアップショップですね。インフルエンサーを募集し、D2Cブランドを複数生み出していくようなプラットフォームでしょうか。店舗を持たないブランドがほとんどなので、今後も定期的にポップアップ開催が必要でしょうね。

狙いは阪急とZOZOとの相互送客。インフルエンサー主体でポップアップショップの存在を知ったユーザーが来店する、というフローなので、店頭送客としては一定の成果はありそうです。先ほどご説明したZOZOMOも活用されているようで、店頭取り置きにも対応していたようです。

課題としては、あまりにも百貨店が取り扱うブランド群と乖離があり過ぎて、来店したお客が百貨店内でお買い物しないのでは?という懸念でしょうか。筆者は逆に百貨店に出品されている商品を好む傾向にありますが、今回のショップが全く魅力的には見えませんでした。まぁ個人の感想レベルなのでそうでない方もいらっしゃるのでしょうけど、どうせならこのマーケットに合ったフロア自体を作ってしまわないと難しいと感じます。今回開催された場所は催事場だったので、他のフロアとは完全に分断されていましたから余計にそう感じたのかも。

店頭からECへの送客は楽天同様、QRを設置。こちらもフロント側からそれほどデジタルな印象は受けません。ていうかもうそれでいいと思います。過度なデジタル活用は逆に不便さを感じてしまいますし、誰もが皆、デジタルのリテラシー高い訳でもありませんから。

こちらのYouTuberの方のブランドだけ事前予約制で、相当人が賑わっていました。この商品がそうだとは言いませんが、結局店頭の面白さは「良い商品があるか」に尽きるなぁと、めちゃくちゃ当たり前のことを感じながら帰ってきました。

余談ですが、

店舗から一番デジタル活用の印象を受けるのはドットエスティですね。こちらは特に不便さも感じませんでしたし、コーディネートが多彩に見れるのも良いです。

店舗がスタートする前に事前に会員登録を促進するのも良いですね。TVCMも打っていますし、これだけ有名な企業の巨大なモールですら足元でちゃんとこのような取り組みをしているのは頭が下がります。

以上が楽天・ZOZOのショップの概要でした。ECの取り組みが取り沙汰されやすいアパレル・ファッション業界ですが、モールが率先して店舗活用に力を入れているのは興味深い現象です。筆者が支援しているブランドでもそうですが、店舗はブランド力の源泉になりやすく、新規・ファン獲得は店舗を経由する方が効果的なことが多いです。今後もこのような取り組みは増えてくるでしょうけど、何が自分たちのお客様にとって一番利便性が高いかを考えた上で取り組みを進めていきたいものですね。

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