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今年は暖冬の影響でアウターが思った通り売れず、予算通りの売上を上げている組織は、もしかすると少ないのかもしれません。
そのような悪い状況の中。在庫を増やさないようにするには、仕入を抑制することです。但し、仕入を抑制すれば、当然のことながら更に客足が遠のき、売上が下がってしまうことは必然です。
そのような売上の状況が悪いときに、MDがとることのできる施策は、
”売れる商品を売れる分だけ仕入れる!”
しか局面は打開することは出来ません。
ですが、何の施策もとらずに、ただただ商品を仕入れれば、多くなってしまった在庫が更に増える可能性が高まりますし、増えてしまった在庫はそのまま残ってしまいます。
◎例えば、12・1月当初予算が下記の場合。
→12月の期首在庫が1,200枚。12・1月の仕入数が600枚で、12・1月売上数が1,200枚ならば、1月の期末在庫数が600枚になります。
◎しかし、当初の予算より売上が悪く、期首在庫が増えてしまった場合。
→12月の期首在庫が1,500枚。12・1月の仕入数は600枚で変わらず、12・1月売上予想数が1,000枚ならば、1月の期末在庫が1,100枚と。当初予定の倍以上の在庫数に膨れ上がります。
◎上記のケースでは、おそらく仕入を削減すればいい。ということになります。すると?
→12月の期首在庫が1,500枚。12・1月の仕入数が0。12・1月の売上予想数が1,000枚ならば、1月の期末在庫数は500枚になります。
しかしながら、このような仕入削減施策をとれば、売場は売れない商品で溢れ、12・1月予定していた数量の商品が売れることはなく、1月末の在庫数は机上の計算通りには減らないでしょう。
ということは?売れる商品点数を増やし、仕入枠を空ける。ということを考えなければ、売上が悪い現状を変える!ということはできません。
では、売れない状況の中で売上商品点数を増やすのか??と言いますと??
①売り先を増やす。→展開していない店舗に商品を置いてもらう。
②値段を買いやすくし、商品を売れやすくする。→セール施策。
この2点しかありません。プロパー消化率等に拘り、粗利率を最重要し粗利率が高い組織が、実は在庫を多く残しているというのも、売上点数が当初予定より少なく、その分仕入を削減できてないからです。
(のちに必ず、なにかしら減損処理を強いられ、損益が大幅に悪化する。)
また、セールはタイミング(ダメな商品は早く諦めた方がいい。)とOFF率さえ間違わなけば、粗利率はさがりますが、客数が伸び、売上が上がる起爆剤ともなりえます。
話は戻り、上記の例で言うと、セール等の施策により、売上数量が1600枚になれば、12・1月の仕入枠が700枚確保できる。ということになります。
その際は、当初予定していた仕入商品は、大きく売れることはないでしょうから、MDの思考そのものを変える必要がありますし、顧客視点で商品を選別し工夫しなければなりません。
更にできるだけアイテム数は絞って、店頭のVPが歯抜けにならないような販売施策。また、セール等のPB施策も同時に必要になってきます。
局面を変えるには、”スピード”と”変化”が必須の要素になります。
1発勝負の仕入のところや、長すぎるLTのところは上記のような施策が出来ないかもしれません。
しかしながら、何かしら手を打つことのできる組織であれば、自分たちの失敗を覆い隠すために見栄や意地を張る余裕があるのならば、自分たちの失敗に誰よりも早く気づき、認め、考え方を改めた上、”顧客にとって必要な商品→売れる商品”を早い段階で仕入れる方法を知恵を絞って考えていくべきです。
結局。”いつかこの商品は売れる”等のありもしないことを祈っても、何も変わらないだけです。
(このブログはもっと早く書くべきだった。。。(笑))
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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