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この冬は暖冬で傾向です。ということは💡冬物に売上の多くを期待するアパレル小売業では多くの在庫が残るのでは懸念されます。
但し、今後寒波が続くようであれば、この冬のセールの売上は期待が持てるでしょう。なぜなら在庫が豊富にあると推測されるからです。ですが、その場合は粗利率が下がることになります。
しかし、在庫を多く残せば、物流費等の販売管理費も増大しますし、組織によっては在庫の評価損を売上原価として計上することになるでしょうから、何も得することはありません。この冬は、とにかく”売りきる”ことを最優先にした方が良いでしょう。
先日。私は以下のようなツイートをメモとして記載しました。
在庫が残る要因は当然商品の良し悪し。以外の要因は?
・高すぎる売上予算
・ミニマムの壁
・予算・目標等の言葉の定義が曖昧
・期中施策(セール等)の失敗
・売れる分だけ仕入れるという仕入予算の根拠がない。
・臨機応変な対応が出来ない組織の問題
・適当な仕入予算さえ守れないMD・バイヤーの存在— 佐藤正臣(マサ佐藤) (@msshouhinkeikak) December 6, 2018
このツイートは思いついたことをメモとして残しておくためにツイートしたもので、(最近メモしないと、とにかく忘れる。人の名前も覚えられない程、脳機能が低下している_| ̄|○)
”在庫が残る理由”は以外にも多くあると思います。
今回ここにメモしたことについて、一々全部説明しているとキリがないので、今回は予算のことについて簡単に書いてみたいと思います。
この業界における”予算”という言葉を、厳密に定義している組織は少数です。予算をコロコロ変える組織等は、予算定義が適当な組織の典型と言えるでしょう。
ここで今一度、小売業における仕入の基本を確認しておくと。。。
このことだけです。
売れる分以上に仕入れば、当然のように在庫が余ります。昨今、在庫問題ガ~!と必要以上に大騒ぎしている人も多いですが、要はこのことが出来ていないだけです。
例えば、予算の定義・根拠が曖昧な組織は、必要以上に高すぎる売上予算を組んでいます。
売上予算が高ければ、当然その分仕入を増やさなければいけないのですから、売上が未達ならば在庫が余って当然です。
中長期経営計画等で高すぎる売上目標を掲げることは大事なことですが、そのことと予算がゴッチャになっている組織が、上記のような誤ちを冒していまいます。
また、途中で予算をコロコロと変える組織も多くあります。そんなことをすれば、現場の実務者の”やる気”を削ぐばかりか、在庫を多く余らす要因ともなります。
MDの仕事において最重要な仕事は、”顧客が欲しがる商品”を作る・仕入れる・品揃えすることです。
ですが、そのためには緻密な事前準備が必要になります。
MDにおける予算設計は、自組織のブランド・ショップの”意志”と”仮説”を示すことで、上記以外の仕事の最重要な仕事と言っても過言ではありません。
その予算を途中でコロコロと変えてしまっては、”意志”もへったくれもあったものではありません。
また。予算という指標・測定するものがなくなると、”何がよくて何がダメなのか??”ということを具体的に抽出できなくなります。
変えていいのは、喫緊の対予算実績を受けての、先々の予測や目標であり、予算を変えてしまっては、予算そのものの存在意義もなくなり、行き当たりばったりのブランド・ショップ運営を強いられます。
そうなると、必然的に在庫は多く残ります。
在庫の残る要因は、一丁目一番地は、”商品”そのものと”元売価設定”です。
しかしながら、”売れる分だけ仕入れる。”という小売りの基本に基づいた仕入予算の根拠・設計。
そして、”予算”という言葉の定義そのものを、組織として定めなければ、自ずと多くの在庫を残すことは避けられないでしょう。
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【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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