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今年ももうすぐ終わりを告げようとしています。
今年は多くの人々に”MDに関する講義”の機会を与えて頂きました。本当にありがとうございますm(__)m
講義の内容は同じでも、聴く人によって事情が異なりますから、その本質を伝えるには、都度都度喋り方・伝え方等も変えていかねばならず、ない頭をフル回転させましたが、来年はさらに”わかりやすく伝える”ことを意識し、努力し続ける所存でございます。
そんな講義ですが、私は敢えて金額の件を話さずに、数量を用いて説明する場面があります。理由としては。。。
です。
しかし、実はこの売上・在庫数量という数字は、皆さんが思っている以上に大事な項目です。
それは何故か??
だからです。
実は在庫回転率等は、数量で計算することが一番現実に近い数字が算出されます。
このアパレル小売業には、様々な指標やルールが存在しますが、そのMD等の管理ルールは”ごまかしようのない数字を使用すべき”です。
しかしながら、現実的に数量管理ばかりでは、”売上金額”や”粗利金額”等が見えないため、数量の次のごまかせない数字として、”原価”管理を用いる。ということがベターでしょう。
(売価管理でも問題のない組織はあるが。。。)
ですが、この原価管理にも弱点はあります。
例えば、棚卸等を境に商品の鮮度が落ち、商品の”原価”を下げ、その分を”売上原価”に加算し、損失を計上する。という”評価減”評価損”という手法があります。
このケースの場合は、ある一定の期間から商品の原価価格が変わってしまうので、数量のように絶対に変えらない数字ではないということです。
だからこそ、評価減・評価損を実行する場合は、組織として事前にルール設定を厳密に決めておく必要があります。
また、原価で仕入予算を作成する場合にも弱点があります。
例えば。。。
→事前の想定原価率を40%として設定し、仕入原価予算が1億円。平均元売価5,000円の組織のケースでは??
2億5千万円の仕入売価予算になります。ということは?5万点の商品点数を仕入れることができる!ということです。
しかし、組織の努力で、結果的に仕入原価率が38%になった場合。仕入原価予算1億円を全部使いきれば??約2億6316万円の仕入売価予算になり、約2,600点以上多くの点数を仕入れることができる!ということになります。その場合は、予算金額を使いきらずに、仕入点数を調整しなければならない!ということです。
ということは、結果的に金額だけではなく、点数でも仕入・在庫等の管理をしておくことが重要だということになります。
最後に。この業界では、プロパー消化率等
”(人の)解釈で変えられる指標!”
を取り入れている組織が多くあります。
しかしながら、そのような”ごまかせる指標”を使用したしても、組織の本当の実力や立ち位置を反映させているものではなく、場合によっては、ずる賢い面々に出世の道具として利用されるだけです。
であるならば。。。自分たちの組織の特徴に沿ったうえで、”ごまかしようのない数字”を指標として使用する!!このことが、この業界に早急に求められていることではないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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