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先日、繊研新聞社さんの主催で(株)stylepicks 代表取締役の深地雅也さんと、”ECの在庫についてのイベント”を開催させてもらいました。
私の場合は、初老に足を突っ込んだ”アナログおじさん”になりますので、事前に深地さんにECに関してのレクチャーを受けてから、話をさせて頂きました。
私も、ここ2年くらいでEC専業の企業さんから仕事の依頼を受けることが多いのですが、ほぼ共通の問題は”在庫が多い。多くなってしまった。”ということです。
とくに、投入アイテム数やSKU数。総展開商品数が無限に広がっていく、これは商品陳列に制限がない、ECならではの問題になります。
しかしながら、ECで売上を稼ぐには、アイテム・SKU数が多ければ多い方がいいという側面もあります。これが、深地さんに教えてもらったAmazonに代表される、”ロングテール戦略です”。詳しくは下のブログでご確認ください。
”ロングテール戦略とは?Amazonが売上をアップしている方法”
https://ds-b.jp/ds/publics/index/104/
私は、デジタル系はからっきしダメですが、このことはある意味。数年に1回しか売れない商品も多く品揃えしているホームセンターにも通ずるところがあるのかな?と感じます
(検索関連のメリット等通じないところも多々あるだろうが。。。)
かつては、ホームセンター行けば、他で売ってないようなものも必ずある!という期待感が抱けたように、現代では、Amazonを散策すれば欲しいものは必ずあります。しかも、その品揃えは無限に近く、検索で探しやすいという利点もあります。いつの間にか私の生活もAmazonに進捗されています。
しかしながら、検索面のメリット等はあるとしても、衣料品中心のECで商品数・SKU数等品揃えを増やすことは、MD的側面から見れば、メリットよりもデメリットが多くなります。
一番のデメリットは?
ということでしょう。品揃え増やした分、売上が上げれば問題ないのですが、ロングテール戦略をアパレル小売りでそのまま取り入れると、在庫ばかりが膨らむ可能性が高まります。
衣料品には”トレンド”に代表される、”鮮度”があり、生鮮食品のように賞味期限があるということになります。食品のようにリスクの少ない仕入体系が、アパレルもとることができるようであれば、ロングテール戦略は成り立ちますが。。。
・海外生産のよるリードタイムの長さ。
・メーカーが在庫リスクを負えない。(売れてもフォローできない)
・作れば最低限数量のハードルが発生する。
・販売期間の問題。(季節により売れるものは大きく変化する)
等ロングテール戦略をとれば、在庫が増えるリスクは満載になります。
そして、このことも各企業・組織によって現状が違うでしょうから、そのような特徴、それに伴うリスクなどを事前に考え、EC事業を行うべきでしょう。
例えば、アウトレット機能をECサイトに設け、ロングテール戦略をとる!ということも一つの選択肢にはなります。
しかし、昨今トレンドの多様化・スピードの遅さを考えれば、アウトレットにあるセール商品と似たような商品が、新商品にラインアップされるなどということが日常で発生し、新商品の売れ行きが下がり、ECの売上が伸びず、在庫が増える等ということもあるかもしれません。
ロングテール戦略をとれば、ECの売上が増える!と考える前に、今、現在の自分たちの組織の実情・強み・弱みを可視化した上で、自分たちの組織にあった”ロングテール戦略”を考える。のか?
集客を強め、従来の小売りの考え方で、売れる商品を多く用意することを重要視するのか?を、EC専業ブランド・ショップもそろそろ考える時期に来ているのではないでしょうか??
それには、事前の計画・シミュレーション。そしてMD予算設計の緻密さ。管理ルール。等MD視点で見るだけでも、たくさんしなければならない。ことがあります。
ですが、まずは、顧客が欲しがる売れる商品を考えることが先決だと思いますが。。。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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