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アパレルEC…、というよりはアパレル全般で非常に重要なポイントであるアイテムカテゴリーのルール設定。このブログオーナーであるマサ佐藤氏も頻繁に言及されておりますが、これを雑にやってしまうとECでも結構な弊害があります。しかし、店頭ではしっかりとした意識をお持ちの方でもECサイトとなると途端にチェックが甘くなり、分類が雑になってしまってしまいがち。EC支援会社に丸投げして、出てきたざっくりな分類も放置したままで機会損失を招いている。なんていう事になっておりませんでしょうか。弊社の案件ではECでカテゴリーがしっかり整備できている事例の方が少なく、皆様大体このような流れが原因になっております。
もちろん「そんな事わかっとるわ!」という方も多いのでしょうけど、まだまだ課題のあるショップ多いので「何が弊害か?」を今回はまとめて書いておきたいと思います。
よくあるケースですが、「TOPS」というカテゴリーを作った後、それを細分化する中分類の設定はされておりますでしょうか?これが設定されていない場合、ユーザー側は「スウェットが欲しい」と思ってもこのTOPSというカテゴリーの中からしか選択ができません。中にはブラウスやニット、Tシャツなんかも含まれてしまっておりますし、型数が多いショップなら自分の欲しい商品カテゴリーを探すだけでも一苦労です。結果、離脱が増えてしまう可能性が高いので、普段から商品一覧ページ→商品詳細ページの遷移率を確認しつつ検証してください。遷移率が低い場合、フィルター機能が原因になっているかもしれません。
また、より詳細にデータで集計したい場合、フィルター機能を使ったかどうか?はGoogleアナリティクスのイベントで集計可能です。
①フィルター機能のclassを調査
↓
②Click Classesを使ってトリガーを設定。
↓
③イベントパラメータにClick Textを使ってタグを作成。
これでどのカテゴリーがクリックされたか?を定量的に確認できますので、問題点がすぐ浮き彫りになりやすいです。
また、絞り込みはフィルター機能だけで実行するものでもなく、サイト内検索もよく使われますが、先日もお伝えしました通り、サイト内検索は商品説明文の文字列も拾うので、関係ない商品まで検索結果に出てきやすいです。このあたりを注意しつつ、ユーザーにとって利便性の高いECサイトになっているか?を確認していきます。
アイテムカテゴリーの分類があまい、という事はその分、商品一覧ページが少なくなります。先ほどの例で言いますと、TOPSというざっくりとしたカテゴリーだけで商品を分類している場合、ニットやカーディガン、スウェット、フーディーなどの商品一覧ページが存在しないという事です。
こちらの検索対策の記事でも触れていますが、商品一覧ページの方がユーザーの検索意図に沿っているのか、商品詳細ページより検索順位が高い傾向にあります。上位に出てくるという事はその分、クリック率が高くなりやすく、競合にシェアを取られにくくなります。(卸先セレクトショップのECサイト・他社モール・C to Cサービスなど)商品一覧ページ自体が存在しない場合、「ブランド名 アイテム名」で高確率で負けてしまいますし、ヘタをするとこの検索クエリでヒットしない、なんて事態もあったりしますのでめちゃくちゃ検索に関わるのです。型数があまりにも少ない場合は、せめてTOPSの一覧ページのディスクリプションに「ニット」「カーディガン」「スウェット」「フーディー」などの文字列を入れておくのが良いでしょう。
カートから販売データをダウンロードし、売上構成比を見ながら分析する、なんていう方も多いとは思うのですが、分類が雑な場合、これが全然使い物になりません。結局、商品単品ごとのデータを落としてこちらで再度分類する事になったりしますし、商品の型数が膨大であったり、同じアイテムカテゴリーでも表記が違ったりする場合はどうしても細かい分析ができなくなります。昨年データを比較して、どのアイテムが上がったのか?その原因は何なのか?ヒット商品の要因は何だったのか?などなど。
これらの要因を探る際、まずは粒度の大きいデータを確認。課題がありそうなアイテムカテゴリーを深堀していく、という流れですね。このような、分析をする際の時間短縮のためにも、カテゴリー分けを怠ける訳にはいかないのです。
筆者の経験上、そこそこ知名度のあるブランドでこれを雑にやってしまうと結構な機会損失が発生してしまっております。理由としてはWEB上に競合が増えやすく、お客様が簡単に他所でお買い物してしまうからですね。ECサイトで自分が買い物する際、どこが不便で離脱するのか?を思い返せばすぐわかる事なのですが、意外と自分の仕事となると気がつかないものです。ブランドが強ければ強いほど、買いにくかろうが売上は上がるのですが、皆んなが皆んな濃いファンな訳ではありませんので、ライトユーザー含めて離脱されないよう普段からご注意ください。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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