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誰かが不幸せでも、安い方を選ぶのは当たり前

 

こんにちは。2022年も既に一か月が経ちました。まさに時は金なり、時間の経過の速さは恐ろしいものです。

さて、そんな本日は、きれいごとばかりを並べ立てているメディアを少しだけ糾弾していきたいと思います。是非最後までお読みください。

 

①「アニマルウェルフェア」という考え方

②アパレル業界の人権問題は悲惨であるが

③それでも安いものを選んでしまう

 

①「アニマルウェルフェア」という考え方


以前とあるネットニュースの番組を観ていたら「アニマルウェルフェア」という考え方が紹介されていました。このアニマルウェルフェアは、農水省のHPにも書かれているように、

家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として生産性の向上に繋がる(農水省HPより引用)

というものです。この一種の取り組みは、いわゆるSDGsが標榜するところの「持続可能性」と通ずるものがあり、あるいは近年話題のベジタリアンなどとも相互的な結びつきを持っています。

この考え方に基づき生産された食料は、通常の価格よりも遥かに高い価格で販売されることになります。

私が観た番組で紹介されていたのは、卵10個で「600円~800円」というものでした。また、本当に偶然ですが、昨日(2月8日)訪れた山梨県北杜市の販売所では、大きく「アニマルウェルフェア」と書かれ、牛乳が1ℓ「650円」で販売されていました。

メディアを含めた「これらの考え方を推進したい人々」は、”日常生活の中でこういった製品を常用することが重要だ”と説いていました。素晴らしい理念ですね。

 

②アパレル業界の人権問題は悲惨であるが


そして、これら一連のアニマルウェルフェアをアパレル業界に当てはめて考えてみますと、問題の本質は同じことが分かります。つまりは、低賃金で働かされる労働者(=強制労働者)が生産する洋服は、悲惨な人権侵害というプロセスを含むものだから買わない/使わないようにしましょう、ということです。

中でも記憶に新しいのは、スーピマ綿(US)、ギザ綿(EGY)に並ぶ「新疆綿(しんきょうめん)」の存在です。この新疆綿は、ウイグル自治区の人々の強制労働を経て生産されるものもあり、あるいはジェノサイドも起きていることが大々的に報じられています。

日本の衣料品の輸入率は97%で、そのうちの7割近くを中国に頼っています。そして、そこで利用されるコットンの8割が新疆綿です。ということは「ほぼすべての日本人のクローゼットには、強制労働させられた人たちが関わった洋服が並んでいる」と理解することができます。

こうして記事を書いている私でさえ、知らぬ間にこういった人権侵害に加担していることは間違いありません。

 

③それでも安いものを選んでしまう


しかしながら、上述のような極めて悲惨な現状がある一方で、私たちは目の前に置かれた二つの選択肢、

A:Tシャツ2000円, 中国製, 新疆綿
B:Tシャツ30000円, 日本製, 国産綿

の中から、迷うことなく「A」を選択するはずです。そしてファッションメディアは、この構造的な問題を取り上げ、報じ、糾弾してはいますが、一方で中国発の超低価格帯のFFブランドを祀り上げ、同時に毎シーズン発表される新しいコレクションを喜々として報じ続けています。

“意識”を高く持った記者だって、洋服はともかく、日常生活において誰かが裏で泣いているであろう製品を購入しています。ですが、もの凄く大きな話になってはしまいますが、それがニンゲン:Homo sapiensという生き物の当たり前であり、通常なのではないのでしょうか。私個人としては、このことをすっ飛ばしてきれいごとを並べているメディアには、強烈な違和感を持っています。(私は今の時代の流れに、アパレル業界のスピードが合っていないな、疲弊するな、と思い始めている)

ですから、ファッションメディアには是非とも偽善的なダブルスタンダードを辞めていただき、人類の構造上の本質を掘り下げ、今とは全く別角度のアプローチで、山積する様々な社会的問題を良い方向へと進めてほしいと願うばかりです。

最後までお読みいただきありがとうございました(ワダアサト)

なお2023年3月中頃よりOMOTE TO URAにおけるS/Sが立ち上がります。是非ご確認ください。


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