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学生教育という仕事に向いている人とは?

★深地さんの専門学校の商品力という記事を受けて

先日、服飾専門学校の商品力に関する記事を、深地さんに寄稿して頂きました。

専門学校の商品力について


服飾専門学校の商品力に関する問題は、深地さんの記事をご覧頂きたいのですが、深地さんの記事の中に、以下の記述がありました。

●学校側に講師をジャッジできる力が無い
まず、筆者が講義をしていた専門学校ではどこでもそうだったのですが、中で働く専属の講師は卒業生の比率が圧倒的に高く、ビジネス経験が少ない・もしくは全く無い状態で雇用するケースが多いです。学校のことをよく理解している卒業生であれば雇用もしやすく、普段の授業態度からでも真面目かそうでないかは判断が可能です。結果として、職員室の中には卒業生が溢れるという状況ですね。(これに関しては5校の中で例外はありませんでした。)ビジネス経験が少ないと一番困るのはカリキュラムです。どのような講義内容を設計すれば企業の中で活躍できるか?がわからなくなりますし、非常勤講師の雇用の際に、講師として適正か?の判断も難しくなります。せめて学科を統括する立場の方は、ある一定のビジネス経験が求められるでしょう。

私も8年間、服飾専門学校で非常勤講師としてお世話になっておりますが、常々疑問・不信感を持つ点は、外部からくる非常勤講師は、講師として適正なのか?そして、学生教育という仕事に真摯に向き合っているのか?という点です。また、深地さんが指摘しているように、学校側がそのことを見抜けないのも問題だと感じています。

特に問題に感じる点を以下掲げますと。

①過去の実績や肩書が立派な人に弱い
②大企業出身者は、間違いないと思っている節がある
③教育の仕事が別物だと、理解させることが出来ていない

となります。それでは、各項目に話を進めていきます。

①過去の実績や肩書が立派な人に弱い

先ずはこの問題です。外部人材の本質を見抜くということは、とても難しい作業になりますから、過去の実績や肩書が立派な人を、外部講師に起用したくなるのは仕方がないと言えます。しかしながら、このような方の多くは、実務の一線を退いている年配の方が多いのが特徴です。私自身は、年配は×若い人〇だとは、全く思っていませんが、それでも、このような方々の特徴としてよくみられることは、自己顕示欲が強い!というです。そして、その講義内容は、「昔は良かった!」というバブル時代の自慢話に始終し、「最近の若いモンは!」と、学生に上から目線で接する。際の果ては、自分自身の著書の宣伝する等のことがあります。教育の場を、自身の著書の宣伝の場にする等言語道断ではありますが、学校側もそのような方々を、有り難がったり、天下りの受け皿にするのではなく、しっかりとその講義内容を精査する制度を設けるべきだと、私は感じています。

②大企業出身者は、間違いないと思っている節がある

次はこの問題です。大企業出身の方が全て悪い!というわけではありませんし、熱心な方もいらっします。しかし、大企業出身の方を選べば間違いない!というのは、危険な発想です。私がこれまで見てきた大企業出身者で、問題だと感じた方は、”(学生に対して)相対の対応が出来ていないのでは?”という点です。
当然のことながら、大企業出身者の経験は、教育に活用できる部分が多いのも事実です。また、組織が持つノウハウや使用できるツール等にも恵まれています。しかし、違う視点でみると、恵まれた環境であるからこそ、職務の経験の幅が少なく、業務に関する視野が狭くなりやすいという側面があります。結果、自分が持ちうる知識を“絶対“と考え、学生に対して”相対“で対応できない部分が、弱点では?と感じています。更に言えば、授業中も学生の反応を伺うことをしない為、授業がアップデートされておらず、毎年学生から同じ疑問が噴出します。
前述した深地さんは大企業出身ではないですし、過去の肩書も私と同様に、立派とは言い難いものですが(深地くん。ゴメンナサイm(__)m)、学生教育という仕事に真摯に取組み、そのための事前準備を怠りません。深地さんの学生教育に対する仕事を見ていると、大企業のように恵まれない環境にいたことが、自身の職務経験の幅を拡げさせ、そのことが学生への”相対”な対応に繋がっているようにみえます。

③教育の仕事が別物だと、理解させることが出来ていない

最後にこの問題です。私はアパレル・ファッション小売業を中心に、MD改善のアドバイス業務を行っています。また、現在文化服装インダストリアルマーチャンダイジング科で外部講師を勤めてもいます。しかしながら、企業相手にMD業務の改善を行うことと、学生へ向けてMDを教育する!というのは、似て非なるところがあり、別競技であると感じています。例えていえば、プロレスと総合格闘技。野球とクリケットくらいの違いがあります。ですので、私や深地さんは担任の先生と連携し、1年間のカリキュラムを設計する。そして、講義前にはしっかりと事前準備を行ってから講義に臨み、ダメな点はすぐに修正する!ということを、繰り返しています。
1回だけの特別講義ならば、有名デザイナーやインフルエンサーを起用すれば、学生にとって有意義な時間となる可能性は高まります。しかしながら、多くの時間を学生とともに学ぶためには、本業の片手間で通用するような仕事ではなく、本業と同等の努力が必要です。本業が優秀でも、教育業も同様に優秀かどうかは別問題だということを、教育のプロ集団である筈の学校側が理解すべきです。
1年間という長い時間を、学生の名前を一つも覚えない。アドリブ授業で同じことばかりを言う・繰り返す。年間のカリキュラムや授業の教材を、自身で用意することが出来ず、他者に丸投げ。このような外部講師には、即刻学生教育という場から去って頂きたいと私は願っています。また、学校側も年間授業スケジュールを提出させるだけでなく、その中身を精査する等の制度設計も必要ではないでしょうか?

★学生教育に向いている人と講師の良い人材を獲得するには?

では、どのような人が学生教育という仕事に向いているのか?を、私と独断と偏見で以下お伝えしますと。

・学生教育という仕事に”熱意”をもって臨める人
・”絶対”ではなく”相対”で、学生に対応できる人

このことです。特に学生教育は、”熱意”をもって臨む!ということが一番重要な部分だと感じています。逆に言えば、熱意さえがあれば、過去の実績や立派な肩書などなくとも、学生教育という仕事を十分にやっていけますし、熱意があるからこそ、仕事の精度を上げる為の努力を怠るようなことはしない筈です。

また、服飾専門学校には、モノづくりのエキスパートは、人員が揃っている場合が多いですが、ファッションビジネスを学生に伝える人材が、著しく少ないのが弱点です。ですから、ファッションビジネス教育を外部講師に頼りすぎない為にも、若い人材のアパレル・ファッション小売業への出向制度を導入する。また、学校自身が講師向けにファッションビジネスの勉強会の場を設ける。そして、現在よりも積極的に、現役でアパレル・ファッションビジネスに関わる若手の人材を雇用する等の対応を考えるべきです。前述した深地さんのブログにも記載があったように、良い人材を獲得する為には、それなりの報酬が必要です。しかしながら、ファッション・アパレル業界の発展に欠かせない優秀な若い人材を生み出す為には、学校側の講師に関する思い切った改革が必要ではないでしょうか?

ということで、今回のブログは終了です。

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