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先日、マサ佐藤氏が上記のような記事を執筆されておりました。意外とアパレル企業でもセール時の戦略がざっくりなところがちらほらありまして、記事中にある粗利目標などを緻密に計画しているケースは稀です。また、それに合わせてEC側でもセール時の計画は細かく立てておいた方がいいのですが、それも実行されていない事が多いです。そんな訳で、ちょっと遅いですがアパレルECにてセール開催時のタスクリストを簡単に記載しておきたいと思います。
まずは6月中旬くらいからスタートします顧客向けのプレセール。会員限定、もしくは会員ランクが高い方限定で開催される事が多いのですが、このプレセールをどういう位置付けで開催するかを事前に決める必要があります。「会員限定」と謳う事で事前の会員登録を募るのか、完全にシークレットで顧客限定で開催するのか。後者の場合、シークレットEC機能などが必要になりますので事前に実装しておきましょう。また、6月のプレセール時期の手前は「セール待ち」の状態に入る事が多いので、ここも事前準備が必要です。例えば「セールで買いたい・セールで失敗しない・スタッフが狙っているアイテムリスト」や、どのアイテムがセール除外品なのか?をしっかりアピールしておきましょう。前者は言わずもがな、後者はセールになると期待して買い控えられると困るのでしっかり明記しておきましょう。
本セールが開催されますと、よくあるパータンは「MORE SALE」「FINAL SALE」の再マークダウンによるプッシュでしょうか。もちろん、それは実行して頂いていいのですが、それだとセール時にお客様にプッシュできるのが2回だけになってしまいます。大体、セールは秋物の全面立ち上がり時期の8月中旬まで引っ張る事が多いので、そこまで2回しかプッシュできないのはちょっと勿体無いです。ではどのようにプッシュしたらいいのか?いくつか他社の事例を見ていきましょう。
まずはみんな大好きランキングコンテンツ。ベイクルーズさん、1/2にこれを更新しているって事はEC担当者はお正月返上でしょうか。頭が下がります。ランキングコンテンツはSNSやメルマガでもプッシュしやすく、商品を自然にリマインドできるので重宝しますね。
セール時じゃないとダメという訳ではありませんが、セール時に使われやすいコンテンツはアラウンド◯◯円コーデ。安くなっている時だからこそ訴求しやすい内容ですので、こちらもよく見かけます。コーデで提案しても良いですし、単価の高いアイテムなら「◯◯円で買える」のような内容で提案しても良いでしょう。
これもセール時によく見かけますし、何でしたらファッション雑誌でもよくある切り口でしょうか。特にヘビーに使うもの・使用頻度の高いものは何枚か持っておきたいもの。それを「セール時に買い足しておきましょう。何枚持っていてもいいですよね!」って感じで訴求します。
これもセール時でなくともいいのですが、切り口を増やすのであれば「季節」等に沿った提案も入れておきましょう。夏の時期に需要が増えやすい切り口だと「撥水」「UVカット」「吸水速乾」「接触冷感」「イージーケア」などなど。意外と感度高い商材でもレディースなら検索が増える事もあります。30代から40代であれば子育て・お出かけシーンに合わせて「水際対策」「水遊び」「公園」などのキーワードも刺さりやすいかもしれませんね。お出かけシーンをもっと掘るなら、「フェス」「夏祭り」「プール/海」などのシーンはちょうど夏のセール時期にも増えたりするものです。これらをセール品から選べるならちょっとお得感を感じてもらいやすく、値下げせずとも購入に至るケースもあります。
「初秋まで使える」「秋物と合わせる事ができる」などの切り口で、着用期間を長く感じてもらうための提案ですね。最近は暑い期間がとても長いのでこの提案は使いやすいでしょう。インナーなら秋物の羽織りとセットで訴求もできますし、ボトムス関連なら尚更簡単ですね。
この時期の新作プッシュをインスタライブで早めに提案するブランドも多いのですが、その際にセール商材とのコーデをライブで見せておき、後日ECサイトにて動画を埋め込みながら商品を訴求する、という手法も使えますので、この切り口は汎用性高いですね。
先ほど例に挙げましたボトムス関連は、素材・生地にてシーズンはあるものの、比較的季節を問わず提案しやすいですし、ワンピースなども同様ですね。そして、オールシーズン訴求できるのはアクセサリーやバッグ・財布関連でしょうか。アクセサリーは時期的にも映えやすいのでプッシュはしやすいでしょう。また、パンツなら暑い時期に重宝するイージーパンツ等はこの時期の提案として増えやすいですね。
ここまでよく使われる切り口をいくつかご紹介しましたが、切り口をそのままやっつけで使っても大した効果は無いでしょう。魅力の無い商品を、値引きと切り口だけで何とかしようとしても中々難しいというのが実情です。では何故、切り口をたくさん用意する必要があるのでしょうか?
それは、意外と商品をアップロードして日々訴求していても、お客様には気づかれていないケースがあったりするからです。それに気づいてもらう為に、お客様の用途や今の気分に合わせて訴求する事で気づいてもらえる確率を高めるのがこれらのWEBコンテンツの役割ですね。また、数回程度プッシュしてもメルマガ会員なのに見てもらえないなんて事もありますから、プッシュ回数はある程度担保しておいてください。自分が受け取っているメールマガジンをつぶさに全て目を通している、なんて方はそんなにいませんからね。そして、これらの訴求をあらかじめ計画しておこうと思うと、それなりに時間がかかりますので、EC担当者の方々は早い段階でセールの為に動いておきましょう。もう本セールがスタートする時期ですから、今からできそうなところは是非手をつけてみてください。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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