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先日、マサ佐藤氏がMDの定点観測について記事を執筆されておりました。
これと同様に、EC担当者も店舗は定期的に見ておかなければならない、と考えております。理由としては、「店舗とECの相互送客」の為ですね。よく言われる「相互送客」という事も、もちろんあるのですがまだブランドの事をよく知らないお客様は「商品を手に取って見てみたい」というご要望が多く、購買に踏み切れていないケースが多いのです。店舗があるブランドでしたら、新規のお客様にまず店舗にご来店頂き、そこからECを利用して頂くという流れが望ましいので、
雑誌やSNS等で認知してもらい → 店舗で商品をよく知ってもらい → 店舗 or ECでお買い物して頂く
という流れがあったりします。そんな訳で、店頭でなるべくECへの導線を用意しておく為に他社ではどのような対策を取っているのか?は常々見ておいた方が良いでしょう。そこで今回は、店頭→ECへの導線で筆者がよく見かけるものについて書いてみました。
まずはこちら。まず一番見かけるのは商品を置いている棚の付近でしょうか。半身ボディを置いていたりと、今の時期一番見せたいものを陳列する場所になります。SCではそこに商品と連動した特集ページのQRを設置していたり、はたまた当該商品のコーディネートページへのQRを設置している事が多いです。雑誌掲載がある場合は、掲載アイテムを紹介しているページへ送客する場合もあります。(その場合、雑誌自体も合わせて置いている事もあります。)LINEの登録をおすすめするポップを置いている事もありますが、これはお買い上げ時の方が登録して頂ける可能性が高いですね。
モバイルアプリを会員証にしているブランドの場合、ログインポイントを入口付近に設置して、モバイルアプリを起動させてバーコードを読み取りポイントを付与。ポイントを貯めて、店頭・ECの双方でお買い物してもらう施策になっています。
あと、こちらはそれほど事例がありませんが、大型のディスプレイを設置してインスタライブを流しているブランドをたまに見かけます。これはSNSアカウントの認知になりますが、ライブを見てもらえるようになれば、そのままECサイトで購入して頂ける可能性がありますね。
続いて店内に入ってからは、ハンガーラックにポップを設置し、QRからECへ送客するケースも見かけます。入口の棚と同様、特集ページへの送客であったり、中には陳列している生地を詳細に説明するページに送客しているものも見かけますね。
通常の店舗ではそれほど見かけませんが、OMO店舗ではフィッティングルームに様々なお知らせが貼られています。モバイルアプリのインストールを推奨するものもあったりと、意外と盲点ですがお客様との接点になりやすい箇所と言えるでしょう。
店頭で商品を購入して頂けるお客様は、ショップ・ブランドに対して好意的であると言えます。なので、ご購入時こそECも合わせて認知して頂きましょう。お帰りの際にショップカードをお渡しして、ECサイトとSNSアカウントのQRを印字。お客様にはその旨をお知らせしつつお見送りするのが良いでしょう。購入されてもブランド名を認知していない方はたくさんいらっしゃいますので、合わせてブランド名をしっかりお伝えする事もお忘れなく。
チャネルトークのようなチャットサービスを導入している場合、店舗専用や販売員専用のチャットを発行する事が可能です。ブラウザでURLを入力するとチャットウインドウが出てきまして、そちらから商品の質問が可能です。こちらもお帰りの際にお知らせしておけば、チャットでご連絡が来た場合にECへ送客する事も容易になります。
シーズンごとのルックブックや、月毎のタブロイドのような媒体を発刊しているブランドも少なくありません。これらはお客様にとってはブランドの情報を知れたり、コーディネートのヒントになるような画像が掲載されていますので、積極的にお渡しする事でECサイトに来て頂きやすくなります。(当然、ECサイトのQRは印字しておく事)
入店から試着、商品を購入するまでこんなにもお客様にECを認知してもらえるきっかけを作ることが可能です。しかし、商品のタグにQRを付けて商品詳細ページに送客するという施策はそれほど機能しません。まぁ商品が目の前にあるのに、そこからわざわざECサイトにいって説明文読まんでしょ。(サードマガジンのように、ブックマークを推奨して後日見に行ってもらうという取り組みはアリだと思います。)
オンライン専業ブランドが店舗を出店する場合、必ずショップを見に行くのですが、意外とこのあたりは徹底できていません。ていうか徹底できているのはSCに出店しているショップだけなのでは…。(館として推奨していないところもあるかもですが)あとは来店動機となる施策も弱いので、まずはシーズンごとに店舗側で実行する販促イベントを企画する事が重要です。それがあればSNS広告で店頭集客促進 → ECに送客、という流れが作れます。普段見かけますSNS広告はECサイトに直接流入させるものばかりですが、筆者の経験上このような広告でECの商品が潤沢に売れるケースはほぼありません。特に中価格帯以上のブランドは、SNSの投稿を見ただけですぐ購入に至りませんから、どこかで需要を喚起する必要があるのです。店頭販促を企画するタイミングは、大概は商品のデリバリーがあった直後になるでしょうから、EC在庫も連動している事が多いでしょう。このような動きも、普段から店頭に足を運んでいれば自然とわかってきますので、EC担当者と言えども定点観測はルーティンに組み込んでおいてください。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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