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Shopify×GA4でブランド別の効果検証をする方法

今やアパレルECを運用する際、1つのECサイトで複数のブランドを管理することは珍しくありませんが、このようなECの場合、トータルの売上やユーザーの動向を追うだけだと、どこが改善点なのか?がわかり辛く、皆様一様に「ブランドごとで効果検証したい」とご要望を出されます。

何故なら、ブランドによってはメインとなる流入経路が違う事もあれば人気度も変わってきますから、全体で売上が上がった場合でも「このブランドだけは不調だな…」なんてケースもあったりする訳ですね。

ただ、前提として下記の項目が揃っていないとこの計測はなかなかやり辛いです。

①ブランドごとにページパスが整理されている。(商品一覧ページ・詳細ページに共通のユニークな文字列(ブランド名など)が入っている)

②GA4にてitem_categoryのパラメータなどでブランド名が取得できている

幸いにもShopifyならGA4の簡易設定で②のデータが大体のストアにて取得できていますので事前準備は半分OK。(レポートから、収益化 → eコマース購入数を選択。プルダウンで「アイテムのブランド」を選択。)商品の分類を登録する際に「商品の販売元」もしくは「商品タイプ」でブランド名で分類しておいてください。ページパスも簡単に変更可能ですから、Shopifyをお使いの事業者様はご安心ください。

では、あとは具体的にどのような作業でデータが計測できるのか?について見ていきたいと思います。

■当該ブランドを購入したユーザー or セッションを取得

これはGA4の探索にて、セグメントを活用する事で簡単に取得できます。

上記のように、購買時にブランドを取得しているストアならばセグメント機能で当該ブランドを購入したユーザー or セッションを容易に絞り込む事が可能です。あとは、

このセッション経由での購入状況を確認。これによってブランド間で、

◯どのブランドのユーザーのトラフィックが多いのか?

◯どのブランドのユーザーのCVR・収益が高いのか?

などが簡単にわかりますね。ディメンションに「セッションの参照元メディア」を掛け合わせると、当該ブランドを購入したセッションはどの流入元からやってきたか?もわかります。

■ランディングページと掛け合わせ

次に、そのブランドを購入したユーザー or 購入が発生したセッションではどのページから流入しているか?を確認します。

ディメンションにランディングページを選択。(指標は先ほどと同様で結構です。)

(ブランドごとでページパスが共通なら、その文字列でフィルターをかける)

ブランドを購入する際、検索流入などでは商品一覧ページからの流入が多いでしょう。しかし、特集ページ等の更新を頻度高く実行しているブランドは、多数のユーザーが特集から流入している可能性もあります。(細かいニーズが検索でヒットしたり、IGのリンクスタンプで送客したり、など)こちらのレポートを確認する事で、それらの状況を確認。ページパスの文字列をsearch consoleで絞り込めば、そのページに流入するのに「検索エンジンにてどのような語句を打ち込んだのか?」を超調査しつつ、ブランドごとのSEO対策も可能になります。

■Shopifyのストア分析でもブランド別の検証は可能だが…

Shopifyのストア分析を使う事でも、ある程度の検証が可能ではあります。

例えばこちらのランディングページのレポートを確認しますと、ブランドごとのランディングページの状況は把握できます。(文字列でブランド名が入ったページパスをセグメント)課題としては、購買状況がそこまでわかるレポートになっておりませんので、それだけが難点でしょうか。コンバージョン率が出せますので、具体的な注文件数も出せそうですが、その項目がありませんので(セッション × コンバージョン率)を計算式に入れて出すしかありません。また、どの商品を購入したか?を紐付けられませんので、このランディングページから当該ブランドがどの程度購入されたか?も不明です。

別のレポート(「商品別の売上」など)では、「トラフィックの参照元パス」という項目で一部のランディングページがわかりますが、これはGA4で言うところの流入元がDirectの場合ですね。そんな訳で、Directの際のランディングページから購買状況(誰が何を買ったか?新規かリピーターか?)は詳細なデータが取れます。が、他の流入経路と比較したり、ブランドの実力を測ったりするのにはあまり使えません。

そんな訳で、GA4よりやや見れる範囲が狭いという印象です。GA4上でユーザーIDを取得しつつ、そのデータとShopifyのデータを統合したらそれなりに面白い検証はできそうですが、GA4とShopifyのストア分析からデータをDLしてBigQueryでつなげて、とやや面倒な作業は発生します。(GA4とBigQueryを連携していてもユーザーIDが取得できない為)

 

いくつか簡単な検証方法について書いてみましたが、冒頭でも記載しました通り、この分析をするにはいくつか前提条件があります。ページパスや計測の設定によって不可能なケースがありますので、運用をスタートする前から計測を見越した設計が必要です。このあたりが意外とできていないストアが多いので、まずは計測が可能か?をお調べください。セレクトショップだけでなく、マルチブランド戦略で運営しているアパレル企業は、ECで複数ブランドを展開する事を上層部からも求められがちですので、EC担当者でブランド別の効果検証にお困りの方は、是非参考にして頂ければと思います。

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