ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

MENU

ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

インフルエンサーブランド運営の際の注意点

芸能人のアパレルブランド立ち上げ 過去事例にみるビジネスの成功と失敗を分けるカギ

先日、メディアから取材を受けて回答したのですが、芸能人やインフルエンサーのブランドが生まれては割と短期間で消えていくにも関わらず、常に作り続けられるのはこの業界の常套的な出来事です。筆者もこの手のブランドのプロジェクトにてご依頼やご相談頂くことがございまして、7社・計14ブランドくらいのEC運用のレクチャーをした経験があります。(中には有名モデルや芸能人のプロジェクトもありました。)14ブランド程度見てきますと、それぞれ上手くいく事とそうでない事が共通してきますので、何をどうしたら良いのか?について、経験した事をこちらに記載しておこうかと思います。

■数年で終わらすプロジェクトなのか・継続して運営したいのか?

まずは、プロジェクトをスタートする際に、どの程度長く続けるつもりなのか?を確認しておいた方が良いでしょう。今のインフルエンサーのファンにグッズを購入して頂くくらいのつもりなのか、それともアパレルブランドとして長く継続していくつもりなのか。

前者の場合、今のSNSのフォロワー等に告知するだけで初速は稼げますし、そのままファンに向けて定期的に商品を展開していくだけでOK。売れなくなってきた際にすぐ手を引けるようにする必要がありますし、型数広げすぎると在庫消化できなくなるので、新作販売も最小ロットで1〜2型ずつ販売、という感じのやり方になるでしょう。

一方、後者はちゃんとした事業計画が必要になりますので、どの期間までにどの程度の売上を獲得するのか?その為には型数はどれくらい必要で、どう消化していくのか?などなどブランド運営のための計画を立案します。インフルエンサー・芸能人の人気・ファンからの購入だけでは追っ付かなくなるので、PR施策も合わせて必要でしょう。

もちろん、継続的に運営していくつもりだったが思ったより売れなかった、などのケースもありますので、その場合は撤退ラインを引いておきましょう。個人的には、小銭稼ぎのためにご自身の信用を切り売りするのはどうかと思いますので、数年で終わらすプロジェクトには賛同しません。

■当事者が日々、熱量を持てるか?

よく言われる話ですが、ディレクターに据える芸能人・インフルエンサーの熱量がどの程度か?はめちゃくちゃ重要です。100万フォロワーいる芸能人だろうと、これが無いならそこまで大きな売上を作る事はできません。まぁインフルエンサーブランドに限らず、ブランド作りたいならどんなジャンルでも同じ事ですが。

これは具体的に行動に表れますので、見ている側のファンもその空気をすぐ察知します。日々のinstagramのポストにて自分のブランドの服を着用しているか?ブランドの新商品入荷や開催の情報を逐一プッシュしているか?開催されるイベントの企画を自ら立案しているか?などなど。インスタライブで自分のブランドの服着ないとか本当ありえへん 中にはインスタライブに常にご本人が出てくるブランドもあったりします。

記事にも記載しましたが、小嶋陽菜さんは自分のブランドの服を着用してファッション誌に出るなど、ややチートな感じもしますが熱量が無ければそんな展開も不可能でしょう。

■ブランドアカウントのフォロワー数は増えているか?

この手のブランドをスタートする際、ブランドのSNSアカウントを作成し、インフルエンサーご本人のSNSアカウントからフォロワーを移し替える作業が発生します。この際、どの程度移し替えが可能か?を確認します。この作業、初速はある程度ブランドアカウントのフォロワーも増えますが、途中で頭打ちがきますし、人によって程度に差があります。逆に頭打ちしないなら、その期間は売上は伸ばしやすいでしょう。(稀にあります。)

端的に言いますと、ブランドアカウントのフォロワー数は顧客名簿の数と似たようなイメージなので、ここでどの程度のフォロワーが集まって、そのうちの何%くらいの方がどの程度の頻度と客単価で購買してくれているか?を確認する必要がある訳ですね。そこから予測は大体出せるようになります。ここも注意点がありまして、同じフォロワー数でも新作販売した際のセッション・売上にも結構な差が出たりはします。

売上に関しては、展開型数や販売機会の数によって変動もしますし、売上が伸びるからと言って在庫は残らないか?と言われますとそうでもありませんので割愛します。(在庫消化に関してはブログオーナーのマサ佐藤氏が得意とするところなので、インフルエンサーブランド運営で在庫過多な企業様はご相談される事をお勧めします。)

■インフルエンサーのファンをどう供給するか?

上記のことからもおわかりなように、芸能人・インフルエンサーのファンが増える→ブランドのファンを増やせるチャンス、という事でもあります。この場合、日々の活動が精力的なほど効果がありますし、逆に本業で落ち目なら短期での売上増は期待できません。ブランドのファンをこつこつと増やしていくしか方法はありませんので、商品力を担保しつつ、クオリティの高いビジュアルを撮影。そのビジュアルを用いてSNS広告を出稿するなど、普通のアパレルブランドと同様の活動に比重を持たせるのが良いでしょう。恋愛リアリティショーに出演し、自身のインフルエンス力を活かしてブランドを伸ばした事例もいくつか見られますが、これが理由ですね。常にファンを供給するのはめちゃくちゃハードル高いですし、それができるならお金儲けの為だけにファッションブランドなんてやらなくていいのでは?と思ってしまいますが…。

■アパレルのノウハウはどう担保するのか?

最後にこちら。大手アパレルがバックに付いているのなら、これらの問題は解決しますが、そうでないケースが大半です。個人事業のデザイナーやPR・SNSコンサルなどに声をかけ、チームを編成しているケースを見かけますが、優先度が一番高いのはデザイン・MDだと考えています。商品も「感度が高ければ良い」というよりは、そのデザイン・スタイルに市場はあるか?の方が重要です。そんな訳でここが揃わないとなかなかハードルが高いです。

結局、芸能人・インフルエンサーブランドと言えど、既存ブランドと運営に関しては何ら変わりません。特殊なのは、ご本人のファンを最初の顧客にできる事であり、それが理由でご本人にやる気が無ければすぐ衰退するという事でしょうか。また、人気を継続していくのは誰でも難しい事なので、最終的にはいかに本人のイメージとブランドを切り離せるか?です。これのハードルがめちゃくちゃ高い気がしていまして、今のところ出来ているのはベイクルーズさんの「Plage」くらいではないかと。短期的には売上取りやすいので、メディア等で成功事例として取り上げられやすいのですが、その後どうなっているか?はあまり皆様報じませんので、気になる方はお調べする事をお勧めします。ほとんどのブランドがまともに続いておりませんので

この記事をシェアする

RANKING POST

1

2020.07.07

大量生産と過剰供給は別物
2

2021.10.29

YouTubeは稼げるのか?!YouTube登録者1,000人のリアルな収益を発表
3

2020.04.27

EC・通販専業ブランドも標準店舗の概念が必要なのでは?

NEW POST

2024.06.14

富士五湖最大のマルシェに出店しました!

2024.06.13

ZOZOの直近の決算を確認してみた

2024.06.11

セール売価設定の考え方

2024.06.06

大手アパレル上場企業EC売上推移まとめ(パル・UA)

2024.06.04

アパレルMDの授業内容について

CONTACT US

小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

TRADINGPERFORMANCE

取引実績