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前回は、決算関連資料の読む順序についてのお話をさせて頂きました。
では、今回は損益計算書は、どうMD目線で見るのか?というお話をさせて頂きます。
損益計算書は、決算書に詳しくなくとも、馴染みがある方は、多くいらっしゃると思います。以下簡単にを説明させて頂くと、
”企業の、1定の期間における経営成績を表す。収益・費用・利益の3つに
分けて書かれています。収益に対する費用とその差である利益を一覧に纏めています。”
少し解りづらい?ので簡単な計算式で言うと?
上記のような数式で成り立っています。決算書の場合は、粗利益のことは売上総利益と表記されます。これは、売上から売れた分の原価を引いたものです。
営業利益は、粗利益から家賃・人件費等の、事業を行う上でかかった費用を引いた額になります。これがプラスなら、その組織は黒字になります。マイナスならば赤字です。
尚、損益計算書には5つの利益があります。
・売上総利益(粗利益)
・営業利益
・経常利益
・税引前当期純利益
・税引後当期純利益
但し、MD目線では、組織の本業の実力さえわかれば良いので、これらの利益は、読む必要はありません。粗利益と営業利益さえチェックできれば良いと思います。また、販管費もMD目線ではあまり気にしません(笑)
(その他利益のことが、理解できると、会社自体の体質が見えて面白いのだが。。。)
その2つの利益で、特にMDがチェックしなければならないのは、粗利益(売上総利益)です。粗利益は上述したように、売上から、売れた分の原価を差し引いたものです。
会計的概念では、
”粗利益=付加価値”
粗利益が高い組織は、商品の”付加価値”が高いとされます。
上記の数式をみても、粗利益が高ければ、営業利益も多く出なりますから、MDはこの数字を気にしなければなりませんし、MDの仕事の目的は?
”売上と粗利益をより多く獲得する”
ことでもあるのです。
では、MD目線で粗利益を見ると、どんなことが解るのか?以下纏めますと。
ザックリ言うと、この2つのことが解ります。
(仕入原価率は低いのが、MDとしては理想的である)
そこで、今回は私自身も経験したセレクトショップを例にとると、一番皆さんにお伝えするのが、簡単?ということで、上場企業でセレクトショップ事業を展開しているところの数字を例にして、皆さんに説明したいと思います。
セレクトショップで上場?と言えば、ユナイテッドアローズとトウキョウベースです。
そこで、今回は、原価率50%でお馴染みの!トウキョウベースを例にMDで目線で損益計算書を紐解いてみたいと思います。
(UAに関しては、またの機会で考察記事を書いてみようかと思います。)
因みにトウキョウベースの2018年2月期(2017年3月1日~2018年2月28日)は?
売上約128億。粗利率51.3%。営業利益率12.3%
です。ここから解ることは?
組織全体の仕入原価率は?48.7%以下である!いうことです。
あれ?????原価率50%じゃなかったんだっけ???
これは、あくまでユナイテッドトウキョウの話?でしたので、では、このことが本当?だとしたら、どのような考察が出来るのだろう?ということを次回お伝えしていきます。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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