ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

MENU

ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

Shopifyで決済方法の内訳を出すにはどうしたらいい?

ShopifyでECサイトを運用する際、その魅力の一つに「豊富な決済方法」があるかと思います。大体はサイトのフッターを見ますと、

このように決済方法が掲載されております。(shop payのロゴあるとShopifyで作られたECサイトである事がすぐわかりますね)

アパレルECは「ブランド」が軸になるので、決済方法が豊富じゃなかったとしても唯一無二の商品を販売しているならそこまで注意する必要は無いのですが、

■他の商品でも代替しやすいアイテム・デザイン
■ブランドに対して強い思い入れが無い
■他社モールやセレクトショップでも多数取り扱いがある

などの場合、決済方法が理由で他のショップに売上を取られてしまうことはあるでしょう。事実、筆者の周りでも「手元にクレジットカードが無くて、Amazonペイが使えなかったから買うの辞めた事がある」という若者が複数いらっしゃいました。リピーターになってもらえなくとも、このようなユーザーからの売上を獲得しておいた方がショップにとっては利益になりますし、意外とバカにできない数の注文があるかと思います。そこで、普段自店のショップではどの決済方法がどの程度使われているのか?を簡単に調査したいと思います。(今回もBigQueryを使って抽出します。)

Shopifyのデータから直近の顧客ランキングを抽出する方法

(以前、こんなの書いてます。)

■Big Queryに「注文データ」を取り込む

まずはいつものごとく、BigQueryに注文データを取り込みます。お好きな集計期間を選択してください。下記、手順になります。

◯Big Queryに直近1年の注文データを取り込みます。
◯Payment_Method且つFinancial_Statusでグループ化し、Payment_Methodの値をそれぞれCOUNTします。
◯条件の指定にて、Financial_Status = “paid” と記述。

と、これだけですね。キャンセルを除く為にpaidと記述のあるものだけを抽出します。

このようなデータが出てきました。こちらで決済方法ごとの注文件数が抽出できましたので、あとはこれを活用してどのような改善を実行するか?ですね。いくつか例を挙げてみましょう。

■想定していた決済があまり使われていない場合

筆者の経験上、クレジットカード決済以外で使われる頻度が高いのはAmazonペイです。過去、複数のECサイトで検証してきましたがダントツですね。仮にそのAmazonペイが使われていない、というデータが出てきた場合、サイトを訪れたユーザーがその決済方法がある事を認識していない可能性があります。トップページ等で見せるのも良いのですが、ファッションブランドはAmazonのロゴが見えすぎるのを嫌がる方は一定数いらっしゃる事でしょう。そんな訳で、一番購入を検討しているページ=商品詳細ページにAmazonペイが使える旨をお知らせしておきましょう。

https://www.beams.co.jp/item/beams_japan/bag/56610269260/

こんな感じですね。中にはAmazonペイの使い方がわからない方もいらっしゃるかもしれませんので、リンクを貼って説明ページへ飛ばしても良いでしょう。その場合、1本記事を書いておく必要はありますが。(実際にやっているサイトもあります。)

Shopifyの場合、shop payが使われる頻度も高いので、そちらも合わせて説明できれば尚良いですね。商品詳細ページだけでなく、SNSでもお知らせしているショップはあります。

kibacoworkさん、インスタの運用上手過ぎへんか…)

「使われるはずの決済が想定していたより使われていない」以外にも、「使い方がわかりにくい」ものをしっかり説明するという方針ですね。また、「カート追加が少ない」などの課題を抱えるショップでも、事前にこれらの決済方法をお知らせする事でカート追加を増やせる可能性はあります。

運営側にいると、「この決済の使い方くらいわかるでしょ」と高を括ってしまいがちですが、当然知らない方もたくさんいらっしゃいます。

ショッピングガイド

ビームスさんのショッピングガイド見ても、こんなところまでちゃんと掲載してくれていますからね…。

■注意点

1点注意点ですが、

商品詳細ページのカートボタンの下に、これらのエクスプレスチェックアウトのボタンが表示しているショップもあるのですが、これを押してもGA4のカート追加(add_to_cart)のイベントは発生しません。なので、上記の例ですとshop payが使われるほどにカート追加の数字は本来の数字より少なくなります。GA4のファネルデータ探索を活用して、カート追加から購入までのフローにてかご落ちの計測をしている方も多いかと思いますのでお気をつけください。

今回は決済方法の内訳でしたが、使っているデータは顧客ランキングの時と同様、注文データです。Shopifyの注文データには貴重な情報が詰まっておりますので、同じデータからでも複数の切り口でデータ分析が可能です。もちろん、手動でなくとも自動でShopifyのデータをBigQueryと連携する事は有料サービスを使えば可能なのですが、無料でやりたい場合はちょっと面倒ですが注文データを逐一、エクスポートしてからお使いください。SQLさえ書いておけば、2〜3分で終わる作業ですから。

この記事をシェアする

RANKING POST

1

2020.07.07

大量生産と過剰供給は別物
2

2021.10.29

YouTubeは稼げるのか?!YouTube登録者1,000人のリアルな収益を発表
3

2020.04.27

EC・通販専業ブランドも標準店舗の概念が必要なのでは?

NEW POST

2024.04.26

若くして評価されなくてもいい

2024.04.25

バロックジャパンリミテッドのEC売上はどう推移している?

2024.04.23

MD視点でみる決算資料~バロックジャパンリミテッド編~

2024.04.18

TOKYO BASEのEC売上はどう推移している?

2024.04.16

話題の企業の在庫を調べてみた!~MD視点でみる決算資料~

CONTACT US

小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

TRADINGPERFORMANCE

取引実績