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ECの改善で買い上げ率は上がるのか?

アパレルECのWEB解析を生業にしておりますと、高確率でご依頼があるのが「CVRをあげたい」というご相談。店頭で言うところの「買い上げ率」ですね。皆様、想像されているのが「今のECサイトが使いにくいから、改善すると買い上げ率が上がるのでは?」と考えられているケース。もちろん、それは間違いではないのですがそれが一番の要因かと言われますと「他にたくさんあるのでは…?」という事がとにかく多い。もちろん、それらの要因はデータから導き出せるのですが、そもそも買い上げ率を上げないといけないのか?という問題もあったり。(トップラインが順調に伸びているなら問題無いケースもたくさんあります。)そんな訳で本日は、買い上げ率を上げる為に必要な項目をいくつかピックアップしてみて、本当にサイト改善が買い上げ率アップに対して貢献度が高いのか?を確認してみたいと思います。

■販促施策はどの程度ある?

まず、商品の購買に大きく影響を与える販促について。アパレルECならコラボ施策やWEBメディア・雑誌媒体への掲載、中にはテレビCMを打つブランドなんかもありますね。これらは売上に大きく貢献する反面、ターゲティングを外すともちろん買い上げ率が上がりません。つまり、販促の数と質によって買い上げ率が大きく変動するという事です。例えば昨対で売上が下がったり、買い上げ率が落ちたりという際に、昨年度はどのような施策を実行したのか?はめちゃくちゃ重要なのですが、それがしっかり記録されていないケースが多々あります。また、WEB広告費をどの程度使ったのか?なども関係しますし、WEB広告のターゲティングを外しているなら、買い上げ率は下がりやすいでしょう。この場合、

◯販促施策の内容・ターゲティング
◯使った広告費

を見るべきなので、ECサイトの改善はあまり関係がありません。厳密に言いますと、集客が大きく伸びた際にECサイトが使いやすくなっていればCVRはさらに改善される可能性はありますが、集客とセットでないと効果が分かりにくいのです。

■買い上げ率の高い流入経路はどこ?その理由は?

続いてこちら。販促施策もこちらにやや含まれますが、自社のECサイトはどこからの流入が多く、そしてどこからの流入の買い上げ率が高いのか?を把握しておりますでしょうか?流入経路の中で比較的、買い上げ率が高い経路は「メルマガ/LINE」「モバイルアプリ」のような直接お客様にプッシュできるツールでしょう。これらが適切に活用されているか?会員を増やせているか?は買い上げ率に影響しますので、ここでもECサイト上の問題ではありません。検索流入からの買い上げ率が高い場合、高確率で指名検索からの流入が要因ですが、指名検索を増やすには先ほどの販促施策がセットで必要になります。インフルエンサーブランドならば、instagram経由の購買が多く、買い上げ率が高いかと思いますが、そこが低下しているなら単純にファンの数が減少傾向にあるかもしれません。

「流入が多いのに購買に至っていない」

という場合はページ側に何か課題があるかもしれませんが、そもそも流入経路自体に課題があるケースが非常に多いのです。特にメルマガ/LINEのようなツールは、「顧客は一定期間で離脱していく」という想定で動かないと、新規獲得がおざなりになり、当然売上は低下していきます。

■商品の在庫ちゃんとある?

そして、一番買い上げ率に関係するのがこちら。いくら集客を頑張ったところで、商品が担保されなければ買い上げ率は上がりません。人気ブランドの商品があっという間に売り切れてしまった際、セッションは多いのに商品ページの離脱が多く、買い上げ率が大きく低下した事がありますが、大なり小なりこのような事態が発生しているという事です。売り切れた商品の再入荷をタイムリーに行うのは非常にハードルが高い事ですから(というかほぼ無理でしょう)、仕入れの段階で対策を取る必要があり、これは完全にMDの領域です。データ分析すればこれらの原因はわかりますが、解決策はECではなく「商品」です。マサ佐藤氏の講義を受けに行ってください↓

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GA4のデータをBigQueryにエクスポートしておき、アイテムごとのPVと購入数の相関を見つつ、PVが少ない割りに購買が多い商品を露出させる。などの措置は取れますので、対策するとしたらそのような感じでしょうか。(これもECの改善とは関係無し…。)

■その他(主に改善はここ)

そして、次にやっとECサイトの改善が出てきます。とは言え、こちらでも「サイトコンテンツ充実」がメインでしょうか。下記、いくつか代表的な対策を記載しておきます。

◯商品の良さがちゃんと伝えられているか?

アパレルECなら、スタッフのコーディネートや記事コンテンツ、商品詳細ページの説明文(スタッフコメント・レビューを含む)などでしょうか。季節に応じた着用シーンの提案、お目当ての商品が無かった場合に似たような商品の提案、着画のモデルの身長・サイズ表記などなど、細かいポイントを挙げればきりがありませんね。

◯決済手段は豊富か?

ユーザーの中には、いちいち会員登録せずに商品を購入したい方が一定数いらっしゃいます。商品を購入する方全てが、ブランドのメルマガを読みたいか?と言われるとそうではありません。(だからこそメルマガ経由のCVRは2〜3%程度だったりする訳です。)そのような方向けに、会員登録せずとも購入可能な決済手段を用意しておくと買い上げ率に影響はあります。

◯離脱ポイントはないか?

他社モールや卸先のセレクトショップがECをやっている場合、自社ECでの商品検索が不便だと他で購入されてしまう事もあります。筆者なんて、「こっちのセレクトショップの方が写真が綺麗だったから」というとてつもなくしょーもない理由で購買するECサイトを変更した事もあります。商品を絞り込む際のフィルター機能、サイト内検索でヒットしないなども合わせて対策が必要です。(この場合、会員特典や送料などでも差がつきやすいですが…。)

これらはもちろん、アパレルECでとても重要な要素ですが、販促やMDと比較すると数字のインパクトはとても弱いです。そんな訳で、「買い上げ率を上げたい!」というご要望は、想像しているような対策ではないケースが多いのです。

 

上記以外にも、今年のように気温によって大きく買い上げ率が低下した、というケースもあるでしょう。今年は特に商品力がどうであれ購買につながりにくかったので、セッションは低下せず買い上げ率が下がったショップが散見されました。この場合ちょっとお手上げではあるのですが、早めに値引きして消化スピードを高める、比較的売れている商品を気温が下がったタイミングで広告等で露出を増やす、などが打ち手になるでしょう。

普段からデータを分析しつつ、どのような施策でどの数値が伸びたか?を見ておけば、闇雲に「ECサイトを改善してCVRを高めたい!」という方針にはならないので、自社の課題に対する適切な打ち手は何なのか?を日々意識しながら数字を見ておきましょう。

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