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価格設定って大事だよね?

★学生と企業がコラボし商品を企画・販売するというプレゼンを聴いた話

先日、私の教え子である学生と企業がコラボし商品を企画・販売する!というプレゼンを聴きに行きました。(私はそのコラボには全く関わっていません。)今回のコラボの内容は端折りますが、その企業は高価格な商品を売る力のある企業なのですが、課題として若年層の支持が弱いとのことで、そのコラボは実施されているとのことでした。
この取り組みは、前年も行われていましたが、企業側から商品があまり売れなかった_| ̄|○との報告が、学生に対して事前にいっていましたので(商品自体はとても良かったと思うが)、昨年の失敗の要因分析を詳細に行っている学生たちもいました。失敗の要因分析は様々あるとのことでしたが(この要因分析がよくできていた)、特に気になったのが、商品の価格設定が高すぎたのでは?という点です。

★学生側が価格決定の主導権を握っていない?

このコラボにおける商品の価格設定・発注数量の主導権は、商品の製作を担当する企業側にあります。簡単に説明しますと、企業側の値入率(原価率)ターゲットが決まっており、ミニマムロットもあります。例えば、値入率の設定が70%(原価率30%)で、商品1点あたりの原価が9000円だとすると、元売価設定が30000円になります。ということは、学生が企業側から提示されている顧客ターゲットや縛りのある素材の中で、この商品は18000円で売りたい!と考えても、企業側からNGが出てしまう!ということです。プレゼンのやり取りを聞いている限り、値入率(原価率)設定を厳守することに、企業側が拘っているように感じましたし、事実学生側から商品の価格提示はされませんでした。(それは無理ですわ。という話)
個人的には、学生の段階で様々な縛りを設けられた中で、商品企画を行うということ自体には賛成なのですが、今回の取り組みに関しては、企業側と学校・学生側がより深い議論を交わし、方向性と目的を明確にした上でコラボを行うべきでは?というのが、私の感想です。

★商品の価格戦略を考えるには、様々な前始末が必要

今回の学生と企業コラボの話に限らず、実際に商品を製作・仕入をし、商品をお客様に販売するには、事前の計画・前始末を具体的に行うことが必須です。例えば、今回の学生と企業コラボの商品を、ポップアップショップで販売!となった場合、損益における販管費の算出が必要となってきます。今回のプレゼンでは、実際に企業側も販管費の話に触れ、利益を出すことが重要と話していましたが、そうなのであれば、企業側自身がある程度の販管費・粗利目標を提示するべきです。話を戻しまして、仮に今回の学生と企業コラボの販管費を算出し、ある程度の黒字になる粗利高が500万円と設定された場合、この後に必要となるのが、値入率(原価率)と粗利率の設定が必要となってきます。企業が値入率(原価率)の設定に厳しいパターンと学生が商品の見た目や顧客ターゲット等を加味して価格を決めた!という、2パターンで架空の学生と企業のコラボ企画を考えてみます。

【学生と企業コラボ商品販売。共通の設定】
・粗利高予算500万円(ある程度の黒字になる金額設定)
・商品の平均原価高10000円
・あまりセールをしたくないブランドにしたいので、OFF率の設定は15%前後

上記が共通の設定です。先ずは、企業側が値入率の設定に厳しいパターンです。

〇企業側が値入率の設定にうるさいパターン

・値入率70%(原価率30%)
・粗利率の設定65%→OFF率設定約15%
・売上予算 約770万円
・商品の平均元売価高約33300

となります。次は、学生がコラボの内容と商品の見た目で価格設定をしたパターンです。

〇学生主導で価格設定をしたパターン

・値入率45%(原価率55%)
・粗利率の設定35%→OFF率設定16%
・売上予算約1430万円
・商品の元売価平均約18200円

となります。上記の例を見ると、学生主導で価格設定をしたパターンは、企業側が値入率の設定に拘った場合よりも、15000円ほど元売価が低く抑えられています。しかしながら、デメリットもありまして、売上予算が企業側主導の場合よりも、約2倍の金額を売らなければなりません。ですが、学生と企業側がコラボする場合、その話題性を利用し販促活動を積極的に行えば、集客が見込める可能性が高まります。更にいえば、上記の設定ではセールをあまり行わない設定ですから、価格に見合わない商品を提案し、売れずに在庫が残るよりも、買いやすい価格を設定することで、多くのお客様に商品を届ける!といった目標設定をし、学生と企業が密に連携することで、目標を達成出来る可能性も高まるのだと感じます。ぶっちゃけますと、企業側が優秀な若い人材の確保を目的とするのならばば、仮に赤字になっても目を瞑っても良いのではないでしょうか。

★マーチャンダイザーの仕事の成果は、どこで見られる??

今回は、私が聴講した学生と企業がコラボし、商品を企画販売する内容を中心に話を進めましたが、要は何が言いたいのか?と言いますと、マーチャンダイザーの仕事の目的は、設定された値入率を守ることなのではなく、自らが値入率・粗利率・損益の設定を行い、ブランドコンセプト・顧客ターゲットに見合った価格設定をする。そして、各数字から見えるメリット・デメリットを鑑みた上で、具体的な行動計画を策定し、売上・粗利目標を達成させることが重要だ!ということを訴えて、今回の記事は終了です。
今回の記事が、読者の皆様方のお役に立てれば嬉しく存じます。

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