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長いこと書いてきたこの”MD目線で決算書を読む”シリーズも今回が最終回となります。
前回までの連載では、トウキョウベースのトウキョウベースの決算関連資料から、仕入原価率。粗利率の推移。客数・客単価。そして、在庫をくっつけた分析から、トウキョウベース。特にステュディオス(以下ST)業態は、かなりMDの精度。そして、運用・管理の精度が低いのでは?ということを、記載していきました。
では、トウキョウベースの決算関連資料の分析から見える、MD部分に特化?した問題点を以下纏めると?
・問題への気づきが遅い?
→ST業態のMDに問題点が露呈し始めたのは、2018年2月期SSから(2017年SS商戦)
・ファン離れが深刻?
→ST業態の実店舗の客数低下は深刻。既存店昨対をみても、2019年2月期も継続している。
・MD予算設計がおかしい?
→2018年2月期AW(2017年AW商戦)は、完全な仕入過多。
・仕入・粗利コントロール等が稚拙?
→2018年2月期の粗利率低下は、在庫増加でセールを与儀なくされた結果。しかし、それでも在庫水準は逆に高くなった。
・行き当たりばったり?
→2019年2月期(2018年SS)は、仕入が少なく売上が低下。
→2019年2月期(2018年AW商戦)は、上期の反省からか?仕入金額上昇傾向。この冬の暖冬の影響が出れば、更なる在庫増加が危惧されます。
以外にも問題点は見受けられますが、纏めるとこのようなことになります。
このような問題点に対して、私なりに考えた問題点の改善を、簡単に以下纏めると。
・正しい数字の並べ方をして、客観的なMDの分析ができるようにする。
・上記のことから、問題点に対しての”気づき”のスピードを高め、素早い対応をとるようにする。
・店舗バイイング等。長所は残すべきだが、事業全体でのチェック・管理機能の仕組みの構築。特に仕入の管理。可視化。
・セレクトショップ特有の発注の難しさを組織が共有できるようにするための、MDスケジュールの構築
・トウキョウベースの特徴を表現できる、MD予算設計の確立。期中運用
・店舗接客に依存しない、マーチャンダイザーの自身の意識の改善と責任感の向上
その他、経営的に見れば、ST業態の早期の立て直しと、同じような価格帯に特化した、事業計画の改善等。はありますが、今回は、MD部分だけに特化したことを述べさせて貰いました。
以上で、今回の”MD目線で決算書を読む”シリーズは終了しますが、皆さん如何でしたしょうか?
当然、1回読んだだけは理解できない。スマホで見ると図が見づらい(すいませんm(__)m)等あるとは、思いますが、何度か流して読んで頂ければ、理解できることは多いと思います。
今回の連載で重要だったのは、数字の並べ方・見方です。
数字の並べ方さえ間違えず、皆さんがもっている実務経験から店舗・現場で起こっていることを考察し、数字と結びつけて考えれば、誰もが、具体的に良い点・悪い点を具体的に抽出することができます。
会社組織であれば、決算関連資料はどこにも存在しますし、ましてや自社で使っている管理会計等の帳票の見方や、数字の並べ方を間違わなければ、今回の”MD目線で決算書を見る”シリーズに記載されていることは、皆様方の事業向上にきっと役に立つ筈です。
是非、皆様方も時間が空いたときにでも、競合他社の決算関連資料や、自社の決算関連資料を見て、問題点の抽出を試み、事業改善へ向けての一歩を踏み出して頂ければ幸いに思いますm(__)m
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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