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セール時期にECで対策して欲しい事リスト

ファッション・アパレル業界は本セール真っ只中でして、以前から「セールは終わった」だの、「いや、やっぱり終わっていない」だの、メディアもどっち付かずな状況の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。(感想は良いから数字でちゃんと検証してクレメンス)

EC側にいらっしゃる方々なら、「いやいや、毎月末にはタイムセールMAX80%オフやってますがな」と思われている事でしょう。他社モール担当ならクーポンやタイムセールも日常的にプッシュされ、企業が決算報告で出す「プロパー販売の強化」なんかはどこ吹く風状態だと思いますお疲れ様です。セール界の神、SHEINの二重価格がバレてフランス当局から4000万ユーロの制裁金を課されるなど、血で血を洗うセール販売は混沌を極めています。(楽天・ZOZO内でもやってましたやんとか言ってはいけません。)

そんな話はどうでもいいのですが、結局ECではセールをやらないなんて選択肢は無い訳なので、ここでなるべく販売促進をしておきたいのが本音でしょう。しかし、まだまだセール時期のタスクがしっかりこなされていないショップが散見されますので、このタイミングでやっておいた方が良い事を記載しておきたいと思います。

■ランディングページのtitleにオフ率書いて

まずはこちら。検索広告のランディングページをセール一覧ページにしつつオフ率表記をしておく、というのは大概使われているのですが、期間限定で良いのでtitleにも表記しておきましょう。検索結果に出てくる可能性がありますのでやっておくと一応はセール対策にはなります。何でしたらオフ率で一覧作成してタグ表示で誘導するとクリックが大きく増えた、なんてケースもありますね。

■セール一覧ページへの導線を整備して

セール一覧ページを作成しているのに、そちらに誘導できていないケースをよく見かけます。トップページの注目のタグや、商品一覧ページのヘッダー、メールマガジンやブログ記事など設置できる箇所はたくさんあります。

「グローバルナビゲーションにあるから大丈夫」

と思っておりますと機会損失を招きます。

■在庫が手厚い物のコーディネートを増やして

セール前から消化率の悪いアイテムはわかっている訳なので、そのアイテムを活用したコーディネートが少ないようでしたら対策しておきましょう。特にセールは開始時期と再マークダウン時、終了間際にセッションが伸びるケースが多いので、要所要所で対策を取っておく事をおすすめします。これはECと店頭の部署が連携しなければ実現できませんので、そこがネックで対策できていない組織が多いように思います。コーディネートあげてくれた&「ちゃんとした」経由売上が発生している販売員さんや店舗は評価制度を整備するのが先ですね。(経由売上が水増しされているとインセンティブ与えるのに抵こおっと誰か来たようだ)

■セール追加のアイテムがある場合はしっかりプッシュして

キャリー品の追加などでセールアイテムが増える場合は都度プッシュしないとお客様は気づいてくれませんので、そこもしっかりやりましょう。簡単にやるのであれば、instagramにて販売員コーディネートをストーリーズでシェアしつつハイライトに残し、セール一覧ページのURLをリンクスタンプで設置。SNS広告等で見込み客をプロフィール欄に誘導して、それらを確認してもらいつつ購買促進、という流れですね。(ブログ等で追加アイテムを網羅しても良いでしょう。)

また、サイト内検索データをこまめに見ますとお客様が求めているアイテムが何か?もわかる事がありますので、追加可能なアイテムがあるようでしたらそのあたりのデータも参考にしてみましょう。

■再マークダウン以外の切り口も複数考えて

プレセール・本セール・MOREセール・FINALセール、というよくある切り口でのプッシュしか無い場合、機会損失してしまいますのでプッシュ回数はなるべく増やしましょう。下記記事にて詳細に書いています。

アパレルECで「SALE」の訴求方法はたくさんある?

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アパレルEC・セール訴求方法最新版

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■広告効果上がりやすい時期だから商品別の効果ちゃんと見て

GA4等のアクセス解析では、商品別の閲覧数・カート追加・購入数のレポートがデフォルトで用意されていますし、粒度を「アイテムカテゴリー」に変更してざっくり見る事も可能です。初速を見ながら「どの商品がセールに入って当たりが良いか?」を確認しつつ、広告クリエイティブに採用したり、キャンペーンごとに予算を調整したりと細かい対策が必要になります。また、並列して在庫数を確認する方法もありますね。

露出が少ない割りに売れているアイテムの在庫数を知る方法

露出が少ない割りに売れているアイテムの在庫数を知る方法

これを見ながら対策する方法としては、

・閲覧数が少ない割りに売れている、且つ在庫が手厚いもの→露出強化(広告・メルマガ・SNSなど)

・在庫が多いのに売れてない商品→商品の情報量を増やして対策する(スタッフコメント・コーディネートの画像枚数・ブログ執筆など)

みたいな感じでしょうか。在庫数がわからなかったとしても対策は取れますが、わかっている方がより精度の高い対策が可能になります。

■新規獲得促進したらAWでF2転換狙って

セールはエントリーを促進する効果がありますので、広告で新規流入促進→セールでエントリー、という流れの後にしっかり次シーズンにF2、F3とリピーターに育成するための施策が必要です。普段からリピーター対策やっています、というショップは特に問題ないかと思いますが、「まだ手付かず」という方々は次シーズンに簡単なところからスタートしましょう。意外と安価で対策できるものはたくさんあります。(シーズンルックのPDF/シーズン別携帯用壁紙の進呈・エントリーラインのプッシュ・限定アイテム/ノベルティなどなど)アパレルは年間をざっくり分けるとSSとAWなので、1シーズンに1回はお買い上げ頂く、という事を目指すのであれば、なるべく次の半年のうちに1度は店頭に来店して頂いたり、ECを使って購入頂いたり、というのが簡単な目標になるでしょう。

 

セール用のブログ・特集等の執筆がなくともやれる事は意外とあります。セール開始から数日しますと、どうせ中弛みしてきますので、そこですぐ再マークダウンに逃げるのではなく、まずは簡単なところからプッシュ回数を増やしてみてはどうでしょうか。

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