メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
ファッション・アパレル業界は、お客様のニーズがトレンドや気温の変化によって大きく変わるとてもややこしい業界です。それにより、一番難易度が上がるのがデザインやMD設計だと思いますが、EC側ではそんな事はそもそも対策しようがありません。
「では何もできないのか?」
という事なんですが、お客様のちょっとした要望や毎年変わらないニーズは意外とデータで確認できるものです。それがわかりやすく出ているのが「サイト内検索」ですね。運営するショップの業態によってもデータの中身は変わりますので注意が必要です。では具体的にどのように活用するのか?について簡単に見ていきたいと思います。
(以前書いた記事でも軽くは触れています。)
外資系企業の方は漏れなく「Internal Search」と言うのですが一瞬フリーズするのでやめてください。
まず事前準備としては、なるべくお客様に検索をして頂かないとデータがたまりません。検索せずにお客様の希望するページに到達できるのが一番なんですが、1 to 1でページが柔軟に最適なコンテンツを表示する仕組みでもなければ実現しないでしょう。(最近はAIがそのような表示に変更してくれる、というサービスもありますがクリックや滞在時間などで簡単に決めてそうな気がします。)
そんな訳で、検索ボックスはわかりやすい箇所に設置しましょう。スマホだとハンバーガーメニューで隠れているケースも散見されますが、できれば露出しておいた方がデータはたまるかと。

(ベイクルーズストアではスクロールしても下層ページでも「探す」から検索が可能です。)
サイト内検索を実行した際、クエリパラメータが付与されたURLが出てきますが、これをそのまま人気タグ表示のリンクとして活用しているケースがあります。この場合、クリックからお客様のニーズが測りやすいのでざっくりしたキーワードを用意するより、より具体的なキーワードを季節に応じて差し込んでおくのが良いでしょう。

(リンクをクリックするとサイト内検索データに反映される)
キーワードの予測は、季節×ブランド属性×年代などである程度絞り込む事が可能です。今は7月中旬なので、8月から9月あたりのキーワードを抽出しておき、商品に情報を付与して絞り込めるようにしておきましょう。例えば直近で簡単なイベントごとは下記のような感じでしょうか。
「アウトドア・外遊び・水遊び」「お中元・ボーナス」 「野外フェス」「海・プール開き」「夏祭り」「夏休み」「新作」「お盆」「シルバーウィーク」「秋分の日」「ギフト(敬老の日)」
ここから導き出される着用シーンや機能性などを予測して書き出し、そのキーワードを商品のタグや説明文に付け足していく、という作業ですね。特に夏場はこの着用シーンのせいか機能性の検索キーワードが増えやすいので、そのあたりも網羅しておく必要がありますし、ギフトは意外と年間通して数多くイベントがあります。秋冬に入ると七五三などのハレの日の装いも必要になりますし、年末はまたギフトや会食、リゾートの時期。年が明けるとオケージョンが始まります。簡単に書き出してみても、対策すべきキーワードは無数に出てきます。
このようなキーワードは毎月変動していきますので、それらを事前に確認しつつEC側のタスクに落とし込んでいってください。
昨年データがありますと、大体どの月にどんなニーズが出てくるのか?がわかってきます。それを活用しつつ、新商品にタグ・説明文を付け足していくのも良いですし、ブログ執筆の際のヒントにもなるでしょう。メルマガの件名にも活用できますね。
また、サイト内検索の上位だけに注目せず、ランキングの下の方にも目を向けてみましょう。これから上がってくるキーワードも直近のデータからわかります。先述しました「機能性」関連のキーワードは、4月くらいから徐々に出てきまして夏場にピークを迎えますので、ピーク時に対策しますと機会損失に繋がります。
これらのデータからなるべく露出を強化した方が良い商品・SNSやメルマガ等でプッシュを増やした方が良い商品がわかり、具体的にどこを対策したら良いか?のヒントになるのです。
予め予測していても、期中に入ると予想外のキーワードが出てくる事もあります。そんなキーワードを見つけた場合は、新たに情報を付与して対策を取ります。期間限定で一覧ページを作成して、Google検索の対策を取ってみても良いでしょう。こちらで用意していたアイテムカテゴリー名とは別の名称でお客様が認識されている事もあります。また、予約商品や別注商品を検索されている方も多くいらっしゃいますので、絞り込みやすくしておく・遷移しやすくする事で購入の確率は上がりやすくなります。
中には展開している商品に無い要素を検索される事もありますので、次シーズンの商品企画へ向けて参考にしても良いかもしれません。
トップページの導線を整備していない場合、GA4の経路探索データを確認しますとトップページでsearchのイベントが多く発生している事もあります。検索データが取得できるのは良い事ではあるのですが、探さなくても到達できるように特に検索が多いものはメインコンテンツに表示させておきましょう。
セレクトショップならブランド名の検索が多くなりがちなので、人気ブランド上位を複数表示させながら一覧ページへのCTAを用意する、という感じの対策が考えられます。先述しました「期間限定の一覧ページ作成」も同様に、トップページや一覧ページからわかりやすい導線を設置して誘導した方が効果が上がる事もあります。
サイト内検索データを日々確認するだけで、これだけの対策が考えられます。GA4になってからは自動でデータを収集してくれるようになりましたので(ユニバーサルアナリティクスは初期設定が必要なのに取得していないショップめっちゃ多かった…。)、あとは探索でレポートを作成するだけです。今のECサイトのデザインでデータ収集がしっかりできているか?にはご注意を。まだ活用されていない方はデータがたまれば上記の対策を一度試してみてはどうでしょうか。
ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)株式会社StylePicks
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。