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先日の記事では、ECにおける新商品の初速売上アップのため、マーチャンダイザーが事前に新商品の入荷情報をEC担当者に伝えることが重要だとお伝えしました。
さらに言えば、特に意識すべきは、「どの時期に、どの商品を、どれだけの数量をお客様に提供したいのか」を明確に伝えることです。その際にMDが意識すべきことは、以下の3点であるとお伝えしました。
A シーズン全体のMD戦略と販促・MDトピックの連動
B 月・カテゴリー別売上予算・目標の把握
→カテゴリー別売上構成比の把握と主力商品の確認
C 主力商品の販売目標(数・金額)を具体的に設定
先日の記事では、Aに関することをお伝えしたので、本記事では「C 主力商品の販売目標(数・金額)を具体的に設定する」についてをお伝えします。
「C 主力商品の販売目標(数・金額)を具体的に設定する」において重要なことは、以下の2点です。
1 販売計画上位ベスト10で売上予算・目標の何%獲得できるのか?を把握する
2 主力商品は1週(日)あたり何点売れれば、目標・予算が達成できるのか?を把握する
そして、この目的は、主力商品の販売目標(数量・金額)を具体的に設定し、それを各タスクの目標設定と進捗管理に活用することです。また、この目標は達成に向けた心理的なハードルを下げるためにも役立ちます。(例:「この程度の販売数で予算の何%を獲得できる」といった目安を明確に示せるため。)それでは、項目1、2の順に内容をお伝えします。
ECの仕事に携わっている方々は、日頃から商品の売上ランキングを週ごと、月ごと、あるいは日ごとといった単位でチェックされている方が多いと思います。しかし、そのチェックをする際、「売上上位ベスト10で全体の何%の売上を占めているのか」まで確認されている方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?さらに言えば、ご自身のショップの売上が好調な時期に、「売上上位10商品で総売上の何%を稼げているのか」というところまで把握されている方はいるでしょうか?MD 的な視点で見ると、売れ筋商品が多くし、売上上位商品で高い売上構成比をとれていた場合、ブランドやショップ全体の売上は当然ながら上がりやすい傾向にあります。これはつまり、発注数量の多い商品がMDの計画通りに売れれば、ショップの売上は高確率で増加する、ということです。したがって、MDは事前にEC担当者へ向けて、商品の発注金額や数量の大小とその意図を具体的に伝える必要があります。こうすることで、売れ筋商品が生まれる可能性を確実に高めることができます。

加えて、発注金額や数量が大きい商品をピンポイントでアピールする方が、多くの商品を満遍なく扱うよりもEC担当者の作業負担を軽減できるというメリットもあります。こうした理由から、MDは、EC担当者が発注意図を一目で理解できるような帳票の作成と、それに基づいた明確な説明を行うことが、極めて重要だと言えるでしょう。
ECの仕事に携わっている方の中で、担当ショップにおいて、日ごと、週ごと、あるいは月ごとに何点(どのくらいの金額)の商品が売れれば、それを「売れ筋」と定義できるのか、という明確な基準を把握されている方はどれくらいいるでしょうか?例えば、MDによって主力商品として選定された商品の発注数量が200点で、その販売期間が2カ月(61日間)だった場合で計算してみましょう。
→200点÷61日≒3.3点/日
この場合、1日あたり約3点の販売が計画上の最低ラインとなります。したがって、毎日3点以上売れれば、計画通りの「売れ筋商品」として認定される可能性が高い、と言えます。(当然のことですが、カテゴリーによって価格帯が違いますから、丁寧に現場側に説明する必要がある)

主力商品の目標設定をわかりやすく可視化することは、EC担当者が目標とする数量・金額を達成するためのコンテンツプランを立案しやすくするために重要です。また、その際には、設定した主力商品が全体の売上構成比のどの程度を占めるのかを同時に示すことが欠かせません。なぜなら、この情報によって、「この目標さえ達成できれば、ショップの予算達成は難なくクリアできる!」と、担当者に強い確信を持たせやすくなるからです。
今回の記事はこれで終了しますが、来年開催予定の「Fashion Education EC×MD講義」にて、ECとMDの連動についてさらに詳しくお伝えする予定です。講義のスケジュールが決まりましたら、このサイトだけでなく、様々な媒体で情報を発信いたします。
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【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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