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最近?なのか?、私は、服飾専門学校等で生徒の卒業製作の講評を言わされる機会がよくあります。私のようなものが、講評を述べることのできるような誇らしいことは、一切していないので、正直言うと、そのような仕事は断りたいのですが、生活もありますので引き受けるようにしています(笑)
以前、某専門学校の某学科の卒業製作の講評をする機会があったのですが、そこの学科は、自分たちが作りたい?ブランドの商品サンプル。そして、PPTでそのブランドの簡単なマーチャンダイジング。ビジネスプランなどを発表するというものでした。
中には?なアイデアのものもありましたが、基本的には、商品サンプルもしっかり作られていますし、そのサンプルがあることで、ブランドの方向性は見えやすくなっております。
但し、マーチャンダイジングの資料に関しては、学生にしてはよく頑張っているものではありましたが、気になる点が2点ありました。その2点とは?
①ポジションマップの空白ゾーンを狙いたがる。
②品種(カテゴリー)の名称が、全て同じ。
この2点です。
まずは、①に関してです。生徒のプレゼンでは、必ず自分たちのブランドが世間的にみて、どの立ち位置に存在するか?というポジションマップが記載されていました。
そこで、気になった点はというと。すべてのブランドが、ポジションマップにおける”空白ゾーン”を狙っていたということです。
おそらく、競合店が存在しないであろう?その空白を狙えば、市場のニッチがあり、ビジネスになるのでは?という考え方からでしょう。
しかしながら、逆の発想で考えると、こんな見方もできます。
要は、今まで様々な組織・ブランドがその空白ゾーンにチャレンジしたが、まったく需要がなかった!!という見方です。
おそらく、その見方の方が正しいのではないでしょうか?
現に、中間価格帯を狙ったブランド・ショップが色んな業種で立ち上がりますが、その中途半端さから失敗する組織が多いのが現状です。
”ニッチであるから需要がある!!”
そのような考え方は、大変危険な考え方でありますし、ニッチ+何か(例えば、便利)がないと、そこに市場はありません。
また、既存の市場を奪った方が手っ取り早いという考え方もある筈です。
次に②に関してです。
生徒たちの、卒業製作のブランドは、いい意味でも悪い意味でも個性的なものでありました。
しかしながら、びっくりΣ( ̄□ ̄|||)したのは、どのブランドも、同じ品種・カテゴリー名(ニット・カットソー等)を使用していた。ということです。
おそらく決まったフォームに打ち込んだだけ?もしくは、教わった通りにそのカテゴリー名を使用したのでしょうが。。。
「そのことが、おかしいとは?思わない?」と私の方で講評を言わせてもらったら、生徒たちは納得しているように見えました。
ブランドコンセプトから見える顧客ターゲットは、どのブランドも全く違ったものになります。
で✋あるならば、顧客ターゲットとする顧客の心理が見えるような、カテゴリー名にすることが、顧客に対する適品を提供する一番の近道であるのです。
例えば、現在ある組織では、物づくり思考で、部門を布帛・ニット・カットソー等に分別しているところもありますが、工場等のスケジュール確保を目的とすれば、理に適っているかもしれませんが?そのことで変わりゆく顧客の心理を知ることはできないでしょう。
最後に、今回のことで何が言いたいのか?と言いますと。。。
老兵である私とは違い、既存の概念に捉われない姿勢や柔軟な脳をした学生には可能性があります。
だからこそ、ただ型をはめ込むような教育をするのではなく、まずは目的を伝え、そのことから手段等は、学生に考えさせる。いや、教える側自身が共に考え、学ぶ。
そういった姿勢が、未来を担う若い人を指導する立場の人には求められているのではないでしょうか?
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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