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このブログでも常々述べているように、組織にとっての過去データは宝になります。
更に言えば、人が決めるべき商品管理におけるルールがしっかりと定義づけされていれば、そう遠くない未来に、AIがかなりの精度で売上予測等をはじき出す可能性が高いでしょう。
テクノロジーの進化によって、今後商品分析や在庫コントロール等の利便性が増す中で、今後、商品分析等において人ができる部分というと何になるのか?を今回のブログで考察していきます。
過去データにおける数字の部分というものは、変えようのない事実です。
ですが、その事実に隠された数字の裏の部分まで考え仮説をたて、商品分析をするということは、現状テクノロジーの進化を持ってしても中々難しい部分でしょう。
以下例を挙げると。。。
・販売期間3か月の商品。その組織のリードタイムは3か月(よって追加はできない)
・その商品の発注数は1,000枚
・A色60% B色30% C色10%の初回発注
・その商品は3か月でセールすることなく完売した。
(ちなみにここのPOSシステムは古いとする。そのような組織はまだ多いから・・・)
このような結果の商品があるとします。
このような結果がでれば、大概の人は
”この商品よく売れたね!プロパー消化率100%だし(笑)”
というような感想が多く出ることでしょうし、そのシーズンの反省の材料にもならないことでしょう。
ですが、この商品を注力していたあるバイヤーが、B色が40日で完売していることに気づいた。しかし、A色の在庫は豊富だったので、そのことをあまり気にしなかった。こんなケースは、MDの現場では無限に存在します。
その場合。仮に、そのことを加味して初回発注数量を算出し直すと?以下のようになります。
B色初回発注数300枚÷((40日÷90日(販売期間))=675枚
すると、発注すべきであった数量は?
A色600枚 B色675枚 C色100枚
で計1,375枚という数量が算出されます。
MD的にみれば、この商品に関する初回発注数量は、多少ではあるがミスがあったとなります。
また、以外にも仮説をたてることが重要です。例えば。
・この商品がA・B色2色展開だったらどうなっていたのか?
・この商品はC色が現場(店頭)の雰囲気と全くあっていなかったので、違う色だったらどうだったのか?
・B色に近い系統の色を1色増やしていたらどうなったのか?
というようなことを仮説を立て、検証すれば、全く違う結果が導き出せる可能性が高まります。
そのことが、次シーズンの発注へ向けての参考材料となります。更に、色展開も売れる色ばかりではなく、店頭・ブランドコンセプトを意識した色展開を意識した商品計画を実践するようになるかもしれません。
子供のころに良く見た、ドリフターズの”もしもコントシリーズ”のように、実際に行われていないことを、”もしも”を使い仮説を立て検証してみる。そのようなことを繰り返すだけで、その組織の先の未来は良い方向へと変わっていくのかもしれません。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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