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三陽商会は何故在庫が急増したのか?~後編~

★三陽商会在庫増加の理由は、まだある??

前回の記事では、三陽商会の在庫が1年で24億円増加しているのは何故??
ということで、一つの理由としては、MDの予算設計(とくに仕入の考え方)が、うまくいかなかったのでは?ということを考察しました。

三陽商会は何故在庫が急増したのか?~前編~

しかしながら、在庫増加の原因は、どうも他にもあるように思えてなりません。
MD設計や期中の仕入・粗利コントロール以外で、在庫が増える要因を以下、簡単に記載しますと。

 

① 商品そのもの問題
② 生地・生産等ミニマムの壁
③ 展開SKUの多さ

 

他の要因もあるとは思いますが、このようなことが考えられます。

 

 

★まず、①の問題を考察する

三陽商会ものづくりに対する姿勢は、業界ではよく知られたところです。
実際、系列会社で日本に工場も持っています。

 

”サンヨーソーイング青森”

http://www.sanyocoat.jp/sewing/

 

サイトを見てもモノづくりに対する真摯な姿勢が伺えます。

 

もしかすると、MDの商品面。ディレクションに問題があったのかも?しれません。しかしながら、決算説明会資料を読んでも、その影響は少ないと考えられます。

 

”三陽商会 2018年度決算説明資料 ”

https://www.sanyo-shokai.co.jp/company/ir/pdf/30_76_renketu_s.pdf

 

 

★②の問題を見てみる

三陽商会は、600億弱の売上規模ですが、レディースで13事業。メンズで10事業。メンズレディース共用が6事業あります。

(WEBサイトで確認。しかし、実際は重複しているブランドがかなりあるので、捉え方が難しい。)

 

全部で29事業です。ということは?

売上約591億円÷29事業=約20億円

上記の金額は1事業当たりの平均金額になり、思っている以上に、生地・生産ミニマムの壁をクリアするのは、大変そうです。

 

しかしながら、前述したように三陽商会は系列工場を抱えています。
また、1点単価が高いブランド。国内生産が多く、海外生産の多い大手他社に比べれば、その壁は、私の経験上から低いのでは?と推測されます。

(但し、海外生産の多い事業部は、この可能性も大いにあるが。。。)

 

★③の問題をみてみる。

最後にSKU展開の多さの問題です。

三陽商会のWEBサイトには、各ブランドの展開サイズチャートが記載されていますので、こちらを確認してみると。

 

”三陽商会ブランド別サイズチャート”

https://faq.sanyo-shokai.co.jp/faq/show/33?site_domain=sanyo-shokai

 

これを見てみると、高価格帯であるレディースのEPOCAが、7サイズ(全てではないだろうが)展開されていることがわかります。少し価格帯の低いAMACAも7サイズです。

 

またメンズもシューズの三陽山長は仕方がない部分がありますが、価格が低くない、MACKINTOSH LONDON MENのトラウザーズパンツはなんと9サイズも展開されています。

 

ある意味。低価格・定番商品(販売期間が長い商品が多い)中心のユニクロ並みのサイズ展開です。

 

三陽商会の多くのブランド。とくにレディースは、定番商品ばかりの展開ではなく、商品そのものの付加価値や、トレンド等を意識した品揃えの筈です。

また、価格帯も高いブランドが多いですから、顧客ターゲットもマスに売るようなブランドなど、あるように見えません。

事実。決算説明会資料にも

 

 

ジャパン・プレミアム・ファッションカンパニー

•⽇本のクラフトマンシップに基づく、圧倒的なモノづくりの実現 -製造⼯程の⼀部/全部を⽇本に置き、⽇本固有のクラフトマンシップに則った ⾼品質なモノづくりを⾏う

 

•⾼品質・⾼付加価値商品を買いやすい価格で提供 -ラグジュアリーとアフォーダブルの中間に位置し、既存ブランドや企業にはない 新たな価値を適正な価格で消費者に提供

 

 

と記載されています。

にも拘らず、なぜこんなにも、多くのサイズ展開の必要性があるのか?まったくをもって意味不明です。

 

そもそもの事業規模が小さいブランドが、豊富なサイズ展開を行えば、当然多くの商品アイテム数は投入できません。

しかし、商品投入アイテム数を削減しなければ、必然的にサイズ欠品が増え、逆に売上減少を招きます。そして、サイズ欠品を防ごうとすれば、在庫量増加のリスクが高まります。

 

以上のことから考えると。

 

建前としての、仕入予算はあるけれども、サイズ展開の多さから、自然発生的に仕入予算を大幅に超過した商品金額を仕入した?

もしくは、サイズ展開を増やせば、売上が上がる!という安易な見通しから、達成不可能な高すぎる売上予算を設定し、大幅に仕入予算を引き上げたのが実体では?

 

というのが、私の考察です。

 

ファッション・アパレル小売とは言っても、組織それぞれに,商品そのもの・ターゲット・価格帯・販売期間等違うわけですから、”最適”はそれぞれ違うのが当たり前田のクラッカー🎉です。

 

サイズ展開を増やせば、ユニクロのように売れるなど幻想でしかありません。

実際。界隈では以下のようなことが言われているようです。

ユニクロを憎みながらも後追いし続けるツンデレ体質のアパレル業界

三陽商会も、AIや肩書のみが立派な人には頼らず、現場で頑張っている社員を中心に、一丸となって知恵を出し合い、素早い改革を実行してほしいものです。

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