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最近、色んな仕事をしてきて、つくづく感じるのは、アパレル・ファッション小売業のマーチャンダイジング(以下MD)は面倒くさい。難しいなぁ~ということです。
理由を挙げるとキリがないのですが、商品そのものの耐久年数は年々上昇していますが、”トレンド”に代表されるように、商品の”旬”自体は短くなります。
先日まで放映されていた朝ドラの”まんぷく”では、チキンラーメンやカップヌードルの開発までの道程が描かれていましたが、ああいった”ロングラン・定番商品”を開発するのは、アパレル・ファッション小売業では、至難の業になります。
また、カップ麺・袋麺売り場のように、予め陳列棚が決まっておけば、仮に新商品が売れなくても、違うメーカーから新たなカップ麵を仕入れることができますし、基本。売れる分だけ商品フォローすればよい!ということが容易にできます。
ですが、アパレル・ファッション小売業では、中々カップ麵売り場のような、固定された品揃えは、難しいのが現状です。
それでも、昨今スタイルの多様化。トレンドの継続等で、10数年前よりは、商品の寿命も伸び、定番商品と言われるものや、昨年踏襲型と言われる商品も、この業界では、以前よりも多くなりました。
昨年踏襲型の商品が増えること自体は、私はとくにダメだとは思いませんし、その商品が顧客が求めるものであるならば、否定すべき要素は何もありません。
だけれども、この業界では、以下のような光景をよく見かけます。
という光景です。
この業界で、MDに携わる仕事をしている方なら、上記のようなシチュエーションに遭遇することは、多々あるでしょう。
ですが✋私には、このことがあまりにも安易にしか思えてなりません。
そもそも、昨年売れた商品が、今年売れる保証がどこにあるのでしょう。昨年の商品数量が足りなかったのは、昨年の発注数量が少ない!という、昨年の発注のミスでしかありませんし、今年の発注数量に及ぼす影響は、寧ろ少ない!ということを、思考のスタート地点にすべきです。
また、昨年のデータ分析から、”昨年踏襲型”の商品の、今年の発注数量を多くする!というのも一つの根拠たりえます。
ですが、数字やデータ分析は、あくまでMDにおける商品を発注するという行為の、補完的な要素でしかない!というのも事実です。
MDにおける最重要な権限は、商品の発注数量を決めることができる!という権限です。
商品を発注してしまえば、その事業の売上の半分。もしくは、それ以上が決まってしまいます。
現場(店頭・EC)やPRがどんなに頑張っても、発注数量が決まった時点で半分以上は、その組織の命運が決まってしまう!ということです。
MDにおいて、商品を発注する!という行為は、そのくらい重い行為なのです。
であるならば💡上っ面だけのデータ分析だけでなく、顧客ターゲットに近い場所や、自店舗に足を運び、顧客を観察し考える。そして、そのこととデータ分析を演繹的思考で結びつけ、商品を発注する。
仮に、昨年踏襲型商品で同じ見た目でも、着心地・素材等を、より進化させる。
そして商品発注という行為を、安易に考えたり、常に安パイの発想で行わない!
このことが、今・現在のMDに求められることなのでは、ないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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