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マーチャンダイザーにとって、商品の価格を決定する!という権限は、商品の発注数量を決めることと、同等の権限といえるくらいに、重い権限です。
しかしながら、この業界では、売れなくなってくると、次シーズンから元売価(プロパー上代)の設定を低くする!という光景がよく見られます。
(GAPのように、元売価設定が全く意味をなしてないショップもありますが。。。だから日本では信用を得られずに売れない_| ̄|○)
当然ですが、元売価を低く設定し直せば、売上点数が増え、売上金額が上がる可能性も高まります。
ですが、万が一、金田一。元売価設定を低く設定し直しても、思惑通りに売れなかった場合は、目も当てられない状況に陥ります。実は、このことの方が、この業界では、多いのではと?さえ感じています。
ショップやブランド事業にとって、元売価設定・元売価戦略を決定するということは、ブランドコンセプトを決めること!と同義でもあります。
ということは💡元売価設定を安易に変える!という行為が意味するところは、
ということと、同義でもあるのです。
元売価設定を変更すれば、当然ですが、顧客ターゲットにも変化が現れます。
それは何故か?顧客の購買行動における、一番の動機は、商品の価格であるからです。
セールをすれば、客数が増え、売上点数が増える!このことは、誰もが理解できていることです。違う側面で考えると。要は、顧客の購入動機に価格が占める割合が大きい!ということを示しています。
しかしながら、売れなかったからという理由があるにせよ、セールではなく、元売価設定・戦略そのものを変更する行為は、実は弊害も多いのだ!ということを、よく理解すべきです。
元売価設定を安易に低くする弊害を以下述べると。
・元売価設定を低く変更したが、仕入原価率は譲らないのであれば、商品クオリティは更に悪化。そのことで、また顧客・ファンが減る。ということもあり得ます。
・また、元売価設定を低く変更したことで、仕入原価率は悪化しても、商品クオリティは守る!このことは、一見よくは思えますが、当然粗利率はより下がり、収益が悪化する可能性も高まります。また、このことをしても、売上が下げ止まらなければ、悲劇を産み出すことに繋がります。
このブログでも何度も述べているように、会計学でいう、付加価値は粗利益になります。
売上が低下し、価格施策を取らざる得ない!ということは、顧客がそのブランド・ショップに付加価値をあまり感じていないということです。
そして、安易に元売価設定を変更する行為は、自分たちの付加価値を自らが放棄した行為と同様です。
であるならば✋安易に元売価設定を変更する前に、ブランドコンセプトという原点に立ち返り、そこから見える顧客ターゲットに対して、顧客がしてほしいこと。喜びそうなことは何なのかを考える!
そして、商品だけでなく、店頭・ECを含めて販売戦略。プロモーション戦略等も含めた、現状に問題点を具体的のあぶり出し、改善策・新たな、顧客に対する付加価値施策を実践する。まず。そのことが重要です。
ややもすると、この業界では、商品の価格に対する意識の低い人が多い業界です。
このブログが、元売価への意識を変えるキッカケになれば幸いです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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