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”テクノロジーの進化は、世の中を変える!”
このことは、歴史を遡ってみても間違いのないことです。
最近で言えば、iPhoneの登場。そして、スマホの進化によって衰退した産業・企業はたくさんあります。テクノロジーの進化に抗っても、その進化による”便利”が産まれれば、どのような企業・組織・人にも、安住の地はないということです。
アパレル・ファッション小売業で言えば、最近こぞってAIの導入による効果ガ~!ということが、言われています。
私のMD関連の仕事も、そう遠くない未来に仕事をAIに奪われるであろう!ということは、私自身も覚悟しています。
そんな、アパレル・ファッション小売業におけるAIですが、現状MDの仕事に限っていえば、以下のような仕事に対する期待が高まっています。
・需要予測
・トレンド予測
・在庫適正化
ザックり言ってこのようなことだと思いますが、現状。マスコミで書かれているような、
”AIの効果によって、売上・利益が上昇!”
という論調には、私自身は疑問を多く感じざるえません。
需要予測に関しては、皆が期待するレベルには到底及んでなく、まだ多くの時間が必要そうです。
トレンド予測に関して言えば、今までよりも気軽かつ詳細に情報を分析することが出来ても、そのことを活用して、”適品”に活かす!という部分だけでいえば、現状多くの企業が行っていることと変わりません。
(しかしながら、気軽にトレンド予測の情報・分析が手に入ることはいいこと)
そして、在庫適正化の部分にしても、AIを導入せずとも、組織・事業部の不良在庫は、現状の技術と組織自体の商品管理ルールがしっかりとしておけば、簡単に見抜くことが出来ます。
(在庫適正化だけではなく、その後のことをAIができるようになれば、良いことは多い)
しかしながら、この業界の悪しき習慣である”バスに乗り遅れるな!”とばかり、多大な投資をしてAIを導入しても、思ったような効果は、簡単には得られないでしょうし、それでも今、AIを導入したいのならば、実証実験の場ととして割り切れる資金力と度量が必要でしょう。
過去の歴史をみてわかるように、
”テクノロジーの進化は、世の中を変える!”
ことは間違いありません。しかしながら、もう少し深堀して考えると、今すぐに焦ってAIの導入をするのは、危険だといえる組織が、アパレル小売業には多くあるでしょう。
例えば、iPhoneの登場でスマホはこの10年。劇的な進化を遂げました。そして、参加企業の多さ(最近は淘汰された)や、その後日進月歩する技術の進化で、スマホで出来ることは増加しました。
ですが、その競争の激しさから、スマホ自体の価格が低い!ものも多く登場してきましたし、成熟した現在では、最低限の機能でも多様なことができるようになりました。
アパレル・ファッション小売業におけるAIも、今後恐らく、上記のスマホのような現象が起こるのではないでしょうか?
AI導入自体も価格も下がって行くでしょうし、その技術も後々の方が進み、買いやすく・使いやすくというように進化していく筈です。
現状未知数な状態で導入するよりも、後出しじゃんけん✋で導入した方が、得することが多いのでは?ということです。
であるならば💡今、世間に踊らされて焦ってAIを導入するよりは、後に進化した上、コストの下がったAIを後出しじゃんけん✋で導入する方が、よっぽど有益のように思えます。
今後そう遠くない未来にこの業界にも間違いなくAIの時代は到来するでしょう。
だからこそ、人ができること。組織としての決め事やルール。管理・運用をしっかりすることで、来たるべき時代に備えることの方が、今は大事なのではないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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