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一口にアパレル・ファッション業界と言っても、川上から川下まで様々な職種が存在するのは、皆残ご存知の通りです。
・デザイン ・パターン ・生地・ 縫製
・輸入関連 ・ディストリビューション ・デジタル等システム関連
・販売 ・MD ・EC ・営業等
その他にも様々な職種の方々が、この業界の仕事に関わっています。
そして、当然のことながら、それぞれの職種には、その専門の仕事をしています。私で言えば、マーチャンダイジングという仕事になるのでしょう。
ここで話は変わり、以前私は以下のようなツイートをしました。
アパレル業界は、小売側もものづくり側。特に商社も、お互いのことをディスりあうんじゃなくて、もっと相互理解の場を設けて、スクラム組んで同じ目的に向かうべきやと思うけど。まあ、これがなかなか難しいのですわ。事実、自分も商社に上から目線で理解不能な横文字使われるとイラッとするからね
— 佐藤正臣(マサ佐藤) (@msshouhinkeikak) July 17, 2019
あまり、ツイートの言葉がよろしくないですが。。。(笑)
昨今。厳しいと言われるアパレル・ファッション業界ですが、このような様々な職種の方々が、同じ目標・目的に向かって互いに協力をしあえば、少しは状況が好転しそうに思えるのは、私だけではないでしょう。
ですが、何故そうならないのか?
それは、それぞれの職種の携わる人々が、それぞれの立場でしか物を考えない。そして、自分たちのところさえ良ければ!それでいい!というところが、往々にしてあるからではないでしょうか?(自己利益だけを考えることが、すべて悪ではないが。。。)
例えば、私が専門とするMDの仕事では、商品をメーカーさんや商社等に、商品を発注することも仕事の一つです。
要は、MDやバイヤーは商品の供給側から見れば、顧客という立場になります。その立場を利用し、商品の供給側に無理難題を言ったり、場合によってその責任を押し付ける!ようなことも、この業界では起こりがちです。
また、逆の視点で見れば、MD・バイヤーのこういった態度とその物づくり関する不勉強から、商品の供給側は、アパレル・ファッション業界のMD・バイヤーをアホだと思っている。そして、その取引金額だけで良し悪しを判断し、時に横柄な態度をとる等いうこともあります。実際、私も経験したことです。
このようなことばかり繰り返されているようでは、この業界の発展は難しいことでしょう。
相互理解・協力を推し進めるには、職種が違う、相手が具体的に何をしているのか?を知ってもらう!ことが必要となります。
その努力を、この業界に携わる人それぞれが行わなければなりません。
それには、自分たちの職種の当たり前の言葉を、当たり前の言葉として相手に使わないことです。
例えば、小難しい自社のMDの指標を、商品の供給側に当たり前のように話していても、そのことは伝わらないでしょうし、相手を冷めさせるだけです。
MDが、商品の供給側に仕事の内容を理解してもらうには、わかりやすい言葉で説明すること。そして、MD・バイヤー側がどのようなことを、商品の供給側に協力すれば、目標を達成できるのか?ということを謙虚に聞く姿勢が必要です。
その姿勢があって初めて、商品の供給側との相互理解が得られます。
また。商品の供給側も、自分たちの当たり前の用語を多用することが、当然として売り手に説明するのではなく、言葉を嚙み砕く。ときには、説明を交えながら相手に話をすべきです。
例えば、CADという言葉が当たり前の職種の人が、当たり前でない職種の人にその言葉を使って、話を進めても意味がわかりません。生産管理では”バルク”という言葉が当たり前で使われていますが、そのことは売り手の人の殆どには、使われないでしょう。
そういった小さいこと。言葉の一つから、歩み寄ることが、互いの職種を知ってもらうことに繋がるのではないでしょうか?
多くの人に、”ファッションを楽しんでもらう!服の良さを実感してもらう!”ということが、この業界の仕事に携わる人の目的であるならば、互いが協力すること。そして、自分たちの職種を知ってもらうために、理解できる言葉を使い、お互いを理解しあい協力を深める!
このことが必要なのではないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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