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古代中国の兵法書である”孫子の兵法”の有名な一節に。。。
“彼をしり己をしれば百戦あやうべからず”
という言葉があります。
端折って意味を説明すると。
→戦う相手のことを良く調べ、自分たち自身の戦力・実力を良く調べ、正しい理解をしておけば、百回戦っても、負けることはない!
というような解釈ができるでしょうか。。。
ここで話を変えて、台東デザイナーズビレッジの村長である鈴木淳さんが以下のようなツイートをされていました。
コレクションの会期問題「バイイングの予算がある時期に」っていうけど、それってバイヤーから「買いたいけど予算が無くなった」と言われたのを信じてるからだよね?
それ、いらない時のお断り常套句だから。ほんとに売れると思ったら仕入れるでしょ。— 鈴木淳デザビレ村長@10/1~11/5入居申請受付 (@szkjn) October 18, 2019
これは、おそらく開催時期がよく問題になる、東京コレクションのことを指しているのでしょうが、このことに関しては、私も全く同感であります。
また、MD・バイヤーからの視点で言わせてもらうと、セレクト業態のアパレル小売りが、このような、コレクション時期にまともな予算など設計していない組織が殆どです(笑)
仮に予算があったとしても、根拠の乏しいものでありますし、昔。海外バイイングで気分が高揚し、仕入しすぎて、後にその商品が大量にファミリーセールで販売される!という現場を、私は幾度もみてきました。
海外コレクション至上主義が、この業界に未だに蔓延しているということもあるでしょうが、鈴木さんがツイートされたように、予算の問題で受注しない!というのは嘘で、単純に売り物として必要ないから、多くのデザイナーブランドの商品は受注がつかない!ということです。
しかし、MD・バイヤーの別の視点で商品受注に関することを申しますと、以前、私は以下のようなツイートをしました。
セレクトショップで販売員の仕事をしていると
「このブランド。全然売れないし、スタッフ受けも悪いのに、何でいつも入荷してくるんだろう?」
というブランドがある。このことを簡潔にいえば。
・ミニマムロットがない上に、値入がいい
・すぐに別注してくれる
・接待攻勢でメロメロ笑のどれか笑
— 佐藤正臣(マサ佐藤) (@msshouhinkeikak) October 16, 2019
上記のことに書いてある、接待の件は今回深堀するのは止めて(笑)
販売の現場では、大して売れていないのにも関わらず、毎シーズン入荷するブランド。メーカーというものがあります。販売側からの視点で見れば、このことは害悪でしかありませんが、見方を変えれば、このようなMD・バイヤーのバイイングに関する特徴。心理というものを、よく理解できれば、それだけで受注を勝ち取ることは可能なのです。
ですが、BtoBであるMD・バイヤーから一定の評価を勝ち取ることはできても、販売の現場で顧客から支持をえない商品は、意味がありませんし、そのブランド・メーカーが、組織として長続きすることはないでしょう。
大事なのは、ブランドコンセプトを考える時点で
・誰に売りたいのか?(明確な顧客ターゲット)
・顧客ターゲットに即した売り場・ショップはどこなのか?
・売りたい人(MD・バイヤー)の行動・心理パターンはどうなのか?品揃えの傾向は?
・自分たちができることで、顧客に喜ばれることは何なのか?
等を事前によく調べ考えておくこと。
また、ブランドのアイデンティティを守る為に、場合によっては、上記のことを取捨選択すること。
そして、常に売りたい顧客の動向を探るために、外に出て調べることです。
自分が作る商品に共感を得られるはずだ!!という、根拠の伴わない自信は、ビジネスを遂行する上において、邪魔なものにしかなりません。
ですから、冒頭申しました、孫子の兵法の一節。
“彼をしり己をしれば百戦あやうべからず”
という言葉を噛みしめて、デザイナーブランドビジネスというものを実践してほしいものです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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