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今回は、MDは来期に向けて何を検証すべきなのか?~後編~と題しまして、
前回のブログの続きを述べていきます。
前回の記事では、今シーズンの検証会・反省会の掲げる項目として。。。
・売れている商品
・全く売れなかった商品
この2つを検証することとして掲げました。そして、売れている商品のどのようなことを検証すべきなのか?ということについて述べていきました。
今回は、全く売れなかった商品のどのような部分を検証していくべきなのか?について述べていきます。
全く売れなかった商品は、組織内の誰しもが当たり前のように反省している筈です。
しかしながら、何故か翌年になると、その反省が活かされているような商品の品揃えになっておらず、販売の現場から多くの不満が上がる!ということが、この業界でよく見られる光景です。
通常。このような商品の検証が行われている場合。以下のような反省が多く上がります。
・トレンドとのズレ。
・商品の賞味期限切れ。
・価格設定の問題。
・色・サイズ展開の問題。
・デザイン・着心地の問題。
他にも多くあると思います。
しかしながら、このようなことを検証し反省しても、何故次に活かされないのか?ということをもっと深く考えるべきです。
前回お話したMDスケジュールを仮に具体的に作成できていれば、その発注タイミングの早さに気づく組織が多くある筈です。
私は、常々このブログでも他の連載でも述べているように、マーチャンダイザーの重い権限に、”(商品の)発注権限”があるということを言っています。
MDという職業は、その発注権を行使した段階で、その仕事の多くが決まってしまう!ということです。
ということは、発注に至る段階までのことを検証しなければなりませんし、全く売れなかった商品の多くは、実はトレンド・デザインによるところではなく、その多くがヒューマンエラーなのです。例えば。。。
・安易に”この商品は鉄板だから!”という雰囲気が組織全体に蔓延している。
・検証会をそもそも行っていなく、その場の気分のみに終始する発注MT。・トレンドセミナーに出席しても、そのトレンド分析を自社のコンセプト・製品に落とし込むMT・作業をしない。安易にそのままパクろうとする。
・デザイナー・生産管理に気を遣いすぎ、顧客ファーストではなく、物づくりファーストの現場になっている。
・納期遅れの原因が自分の決断力のなさ!ということに気づいていないMD。
・海外展示会等で気分が高揚し、前シーズンの失敗を忘れるMD・バイヤー。
等。理由を枚挙に暇がありません。
全く売れなかった商品の反省をする場合は、商品そのもの反省はほどほどに、上記のような発注に至るまでの前段階での、自分たちの心理・言動・行動の根っ子をなしている部分そのものを検証しない限りは、その検証は全く意味を成さなくなります。
MDという職種は、色んな職種・部署の方と、コミュニケーションをとることができなければ、うまくいかない商売です。
しかしながら、組織内部の調和を目指して、仕事のやりやすさを優先することが、仕事の目的・目標ではありませせん。
顧客に喜ばれる商品をどれだけ多く品揃えすることが、その仕事の目的であるのですから、そのことを踏まえ、今シーズンの検証・反省を行い次シーズンは、顧客に喜ばれる商品を品揃えの精度を上げる!このブログがそのきっかけになれれば幸いです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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