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何故在庫増えたらマズいのか?を簡単に

★何故、在庫が増えるとマズいのか?

今日は、ごく当たり前の話をしていきます。

このブログをご覧になっている皆様方は、

”在庫が増えたらヤバイ!!”

ということは、誰しもが理解していると思います。

しかしながら、在庫が増えると粗利率が増加し、利益が出やすい!ということは、ピンと来られない方も多い筈です。
このことはMDに関する数字の基礎・仕組みさえ知っておけば理解できることです。ですが、このことが会計の知識等も相まって、中々わかりづらいのも事実です。

今回のブログでは、”何故在庫が増えたらマズい!”のか?ということを、多くの皆様にも理解できるように、ある組織の例を基に述べていきます。

 

★費用収益対応の原則?

(例)
あるアパレル小売業の組織の1年での数字が以下のようであったとします。

・売上1億円 粗利率50%

・販管費4500万円 

・年間500万円の黒字

この組織の1億円売るための必要な商品の原価。売上原価は5000万円になる!ということは、私のブログ・連載を読んでいる方なら理解できるはずです。

因みに、損益計算書でいう仕入原価は売上原価のことです。そして、損益計算書は。。。

”費用収益対応の原則”

というもので成り立っており、売れた分だけが仕入として計上される。ということになります。

この損益計算書の構造上の問題は?

仮にこの組織の1年での仕入原価が6000万円だった場合。

この組織の期末在庫は、期首在庫に比べて1千万円増加したことになります。この状態が在庫が増加した!という状態です。

違う言い方をすれば、5000万円の必要仕入金額に対して、6,000万円。1千万円余計に仕入をした!ということになります。

ですが、損益計算書では、この1千万は表現されません。

このことで、営業利益500万円分組織のお金が増えたのが、(厳密に言えば税金等の支払いがあるので、営業利益+増えたお金にはならない)必要仕入金額5,000万円にたいして、1千万円多く実際は、支払ったのですから、(このことだけで言えば)営業利益増加分の500万円がふきとび、組織のお金が期首より期末は500万減った!ということになります。このことがキャッシュフローが悪化したということです。

また、この業界でよく言うプロパー消化率に拘って、仮に粗利率が5%上がると、その分損益計算書の営業利益額は増えます。

(注:前述の例に沿って言うと、営業利益が1,000万円になる。但しセール抑制すれば、売上金額が下がる懸念もある。)

ですが、前述の例と同様に仕入金額が6,000万円だっとすると、営業利益は上がっても、在庫は1500万円増加する!ということにもなるということです。
これが、在庫が増えると利益が増える!ということになります。

 

★在庫の保管費用もばかにならない?

更に言えば、在庫が多く残れば、次のシーズンに売るにしても、保管場所の確保等の倉庫代が増加する可能性。商品の倉庫回収等の商品移動増加による物流費の増加による販管費の増加。商品そのもの劣化等はっきり言ってよいことはありません。

話を纏めると、在庫が増えれば組織の手元のお金が減り、在庫を保管する等の経費も増えて、ロクなことはない!ということです。

経営の考え方として。。。

”利益は意見。キャッシュは事実”

ということが言われます。

だからこそ、小売りの会社を運営する際には、”売れる分だけ仕入れる”ことが基本である正しいMDの数字管理を理解した上で、組織に応じた、MD体系を整えてもらいものです。

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