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ステイブル商品(笑)はMDを救うのか?と題して前回の記事では、ステイブル商品という曖昧な定義なものから、1年中展開する継続商品に絞って話を展開致しました。
また、更に1年中展開する商品を多くする弊害をレディースに絞り、下記の3つの問題点があるということを上げ、①に関してのことを記載いたしました。
① 店舗が広くない店が殆ど。
② なんだかんだで女子は鮮度(トレンド)を意識する。
③ 商品管理が適当になる。
(一度継続商品認定をすれば管理が緩くなる)
今回は②③に関してのことに関して話を展開していきます。
では②に関してです。
これは、アパレル・ファッション小売業界の仕事に従事されている方ならおわかりの通り、服には賞味期限というものがあります。工業製品という観点で見れば賞味期限はないに等しい、昨年着ていた服が今年になると恥ずかしくて着られない!等ということが、レディースではまだ存在します。要はトレンドというものの存在を無視できない!ということです。
レディースに関して言うと、継続品として展開できる商品でも、昨年と今年で売れる色が全く違う!ということが往々にして起こります。ということは、デザインは同じでもカラーを”今年っぽい”カラーを展開してなければ、その継続品の売上は下がります。
また、レディースの場合。販売期間を長くとれば、店頭の見栄えを変えづらくなります。
昔のショップの女子が良く言っていたような
”1週間で店頭のレイアウトが変わっていかなければ、鮮度が保てずに売れない!”
ということは大袈裟ですが、メンズに比べれば短期間で店頭のレイアウトが変化しなければ売れなくなるのは、まぎれもない事実です。
(実を言うと、このことでも本部と現場(店)の意識の乖離が産まれています。)
それは何故か?女子の方が男よりも圧倒的にファッションに興味があり、美や見栄えに関する意識が男と全く異なるからです。それは、普通のおっさんである私の理解を超えたものです。
そして、そのことを現場(店)はよく理解しています。
結果、レディースは販売期間の設定が短くなり、在庫の回転も自ずとメンズよりも高まります。
また、トレンドの移り変わりによる色・デザインの変化は、ファッションの醍醐味でもあります。それは、ECや店頭の文言や売り方を変えただけでは表現しづらいものです。
1年中展開する継続品を増やすということは!その醍醐味を半減させ、ブランド・ショップの売上も半減させることになりかねません。
変えるべきは、ブランド・ショップコンセプトを前提とした上で、昨今の気候変動に対応した”適時”に関する戦略の練り直しが必要!ということになるのでしょう。
(しかしながら、このことも簡単にはいかない)
最後に③です。
私が過去経験した中で、”定番品””継続品”という概念を商品管理に使用している組織で、在庫過多になっていない組織はないと言っても過言ではありません。
仕入の基本は
”売れる分だけ仕入れる”
このことです。
この基本から考えると、商品を売る期間の区切りがあった方が、間違いなく売れる分だけ仕入れをするということに近づきます。
(このことはかつて書いた下記のブログをご覧ください)
しかしながら、1年中(数年にわたって)売るような継続品は、必ず期首在庫が存在します。”売れる分だけ仕入れる”という基本に立って仕入を行えば、期末在庫は期首在庫と同じ金額になります。ですが、仮に期首在庫の金額が多すぎた場合は、売れる分だけ仕入をすれば期末在庫も同じ金額になるのですから、このケースでは”売れる分だけ仕入れる”というわけにはいきません。
では、この継続品の平均在庫金額をどのくらいにしたら良いのか?というのも簡単ではない問題です。
更に言えば、このような継続品は、”ずっと売るから在庫多くても問題ないよね~”的な意識が、MD・バイヤーに蔓延します。結果的にそのことで商品のチェックが緩くなり、いつの間にか在庫が増えていくということです。
最後に、アパレル・ファッション小売業界は多種多様なショップ・ブランドで成り立っています。
ということは、その組織それぞれに”最適”なMDは相対的に変わるものです。
だからこそ、自ブランド・ショップのコンセプトを基に、自分たちにとっての”ステイブル商品””定番品””継続品”とは何なのか?ということを考える!きっかけに、このブログがなることが出来たら幸いです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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