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大手セレクト業態の業務見直しは、急務なのでは?~前編~

★資金繰りに四苦八苦する大手セレクト業態

緊急事態宣言が発令される前後。世の中が更に大変な状況に陥っているとき、某セレクト業態は、支払いのキャンセルをPDF1枚で仕入先に知らせ、ネット上で騒動になるということがありました。このことで、この組織は批判されていましたが、他のセレクト業態も似たようなことを行っている!ということが言われていますし、実際、私の友人も某セレクト業態が、納品した商品の代金を支払わない。。。ということを私に愚痴っていました。

今回の新型567以前から、資金効率の悪さからくる大手セレクト業態の金払いの悪さは(当然全てではない)、仕入業者を中心に言われていましたが、今回の新型567ウィルスの件で、このことが表面化した!というのが、実際のところなのでしょう。

そんな中。先日、週刊ダイアモンドから、アパレル業界に関する衝撃的な記事が掲載されていました。

”コロナ禍のアパレル24社「余命」ランキング、ユナイテッドアローズは3カ月未満!”

タイトルも衝撃的ですが、あのユナイテッドアローズ(以下UA)が、余命ランキングで2位にランクされ(1位はレナウン)余命3か月未満であるということが、何よりも衝撃的でした。
(因みに、私の友人に支払いをしないのは、UAではありません!)

 

★手元の現金が少ないUA

無闇に危機を煽るような記事は、私は好きではありません。また、UAが今回の新型567ウィルスの件で倒産の危機であるのか?というと、毎年黒字を計上している企業ですから、必要な融資が受けられる筈で、私は記事を鵜呑みにしてません。
ですが、今回の記事でUAの手元の現金の少なさが指摘されていますが、これは事実です。

決算書を確認すると、2020年3月末時点でのUAの現金は約60億です。これは、UAの販管費約1か月分に相当する金額しかありませんし、同じセレクト業態で売上規模1/10のTOKYO BASEとほぼ同じ金額です。このことだけで、”危ない!”というのは暴論のように思いますが、UAの場合。現状、即換金可能な資産が少ないのも事実です。

実際、一年以内に換金可能と言われる流動資産が約460億円あるのですが、そのうち商品の在庫金額が約273億円あります。流動資産の約60%が在庫である!というのが、UAの問題点のように思います。また、この4・5月は、実店舗がほぼ営業できなかったので、商品をお金に換金することは殆どできなかったでしょう。更に言えば、この業界の仕事に従事する人であれば、商品の在庫の価値があまり当てにならない!ということも承知している筈です。
(因みにUAの流動比率(流動資産÷流動負債)は、約194%で優秀です)

何故、UAの手元の現金が少ないのか?ということは、私の友人の深地雅也さんに紐解いてもらうこととして(笑)

 

★大手セレクト業態でUAと似た状況は多いのでは?

今回のUAのような数字の出方は、上場していない他の大手セレクト業態にも共通することが多くある筈です。特に、大手セレクト業態の資金効率の悪さは、上述したように以前から言われていたことですから、都心型中心の店舗展開で、この3〜5月大きく売上を落とした現状では、一部を除いてはかなり厳しい状況にあるように思います。

大手セレクト業態の資金効率の悪さを考える上で、MDとして気になることは在庫の部分です。事実、今回のUAの数字を見てみて、最初に気になったのは?やはり在庫金額でした。

 

★資金効率が悪いのは何故なのか?

ここで少し話を変えて、企業の資金効率を見る指標として、キャッシュコンバージョンサイクル(以下CCC)というものがあります。

その計算式は?

CCC=(棚卸資産回転期間+売上債権回転期間)-仕入債権回転期間

この数字が小さければ小さいほど資金効率が良いとされます。

CCCの数式の言葉が、アパレル小売とは乖離した名前になってますので、以下言葉を置き換えると?

・棚卸資産回転期間→在庫回転日数
・売上債権回転期間→売掛金回転日数
・仕入債権回転日数期間→買掛金回転日数

このように置き換えます。

CCCの数式から、組織の資金効率を良くすることを考えると?

① 在庫回転を良くする
② 売掛金の回収を早める
③ 商品代金の支払いを引き延ばす

このことが考えられます。

多くの大手セレクト業態が、仕入先に金払いが良くない!と言われるのは、大手セレクト業態が③を実践しているということです。経営的に考えれば、この行為は戦術なので間違いではありません。しかしながら、支払いをキャンセルするのは論外です。
(因みにUAは、決算書の数字を計算すると、買掛金回転期間が短い。仕入先にとっては好ましいが、CCCは悪化する)

また、小売り業は売掛金のリスクが少ない業態ですから、自ずと答えは?

大手セレクト業態の資金効率の悪さの要因は、在庫回転が悪い!ということが浮き彫りになります。

次回のブログでは、MD的観点から大手セレクト業態が、少しでも在庫回転を良くするために、どのようなことを改善すべきなのか?ということを述べていきます。

では、皆さん。次回もお楽しみに。

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