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先日、弊社のブログで(株)stylepicks 代表である深地雅也さんが、以下の記事をアップして頂きました。
この記事を要約すると。。。
→EC専業ブランドは、売上が伸びると業務を外部に委託するようになる。それと同時に、在庫に対する意識が薄まる。まじてや、ECの場合は、SKUを増やせば増やすほどアルゴリズムによって、検索の優位性が高まるので、ますます在庫が意識が薄まる!
ということに警鐘を鳴らす記事でした。
このようなことは、デスクワークの多い現役MDにもよく起こりうる現象です。ですので、デスクワークによる在庫意識低下の危険性を、私は様々な場面で現役MDたちに口を酸っぱくして訴え続けています。
今回のこのブログでは、そうした在庫意識を少しでも高めてもらえるよう、数字から現場をイメージしていきます。
では、例として以下の表をご覧ください。
(スマホで見づらい方はPCでご覧くださいm(__)m)
この表は、私がよく仕事でする使用するOTB表です。
今回は、細かいシチュエーションを説明するのは省きますが、因みのこの表は4月までが実績。5月以降が見込み・予測となっています。
この表の6月の在庫原価高を見ると。。。
・6月の在庫予算 1億3,728万円
・6月の在庫予測 1億5,358万円
・6月の在庫予算比 111.9%
となっています。
この業界に多く存在する。%という記号によく騙される人であれば、たかが10%くらい在庫予算をオーバーをしたとしても、さして大変な状況ようには思わないでしょう。
しかしながら、以下のように考えたらどうでしょうか?
仮に、この組織の仕入原価率40%。元売価平均が1万円。だとすると?
・6月時点での在庫オーバー金額 1,634万円。
・前述したオーバー分在庫を元売価に置き換えると?
→約4,085万円
・オーバー分を商品点数に置き換えると?
→約4,085万円÷1万円=4,085点
また、このOTB表にはシャツと記載されていますから。。。
仮に1M20Cのシングルラックに、ハンガー掛けのシャツをパンパンにつめて35点と掛かるとしたら?
→4,085点÷35=約117本
約117本ものシングルラックが余計に必要になります。
また、こんな計算をすると、より容量が想像できるでしょう。
117本×1M20C=約140M
これって、結構邪魔ではありませんか?
因みに、元売価平均がこのケースの半分ならば、更に倍のシングルラックが必要となります。そうなれば、おそらく店頭のバックヤードも物流倉庫も、結構大変なことになっている可能性が大です。(更に言えば、仕入原価率が想定より低ければ、在庫点数はもっと増える)
MDはこの能力を磨くことで、店頭で販売員が苦労している、本部指示による”ムリ・ムダ・ムラ”を排除しなければならないですし、ECにおける、ささげ業務の効率化にも寄与しなければなりません。
マーチャンダイザーとして磨くべき部分は、数字の計算能力を磨くことばかりが大事なのではなく、数字から現場をイメージできる能力を磨き、その先の状況を少しでも良くすることなのです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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