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こんにちは。前回のvol.2では『「あんな感じ」を数字にしてみましょう!』というタイトルで、「こんな感じ」と言うよりも「数字」の方が分かりやすくありませんか?という話をしました。前回の記事はこちら。
そして同じように「お客様にとにかく声をかけて!」よりも「1時間に8人のお客様に声をかけて!」の方が分かりやすいですよね?みたいなことも書きました。
この「1時間に8人」という数字はもちろん例ですが、では一体この数値はどこから導きだされるのでしょうか?
各企業にとって、大切なのは「売上」であり、当然そこには「粗利益」も含まれます。
簡単に考えると、その事業を継続していくには一体いくら必要なのか?という指標となるのが、売上であり粗利益です。例えば従業員が自分ひとりだけの小さな商店であれば、そこまでの売上は必要ありません。一方で10人あるいは100人という単位になると、それだけ売上が必要となります。
しかしこの「売上」は実際のところ「ABC円ほしいねん」みたいな、ざっくりとした数値で決まることはありません。
では、この「売上」は一体どのようにして導きだされるのでしょうか?「売上」を分解すると、以下の図のようになります。
そして「1時間に8人に声かけて」の根拠は、この構図を基にしたものです。(あくまで例)
この構図はウェブ(オンライン)でも同じです。しかしオンラインとオフラインの構図は同じでも、それぞれの指標には大きな差があります。
例えば「実店舗であれば入店客数に占める買上客数の割合は高く、オンラインショップでは実店舗よりも大きく下がる」など、それぞれの媒体によって大きな差があります。オンラインにおいては、「CV=(コンバージョン)」などという言葉が利用されることもあり、やや重視するポイントや指標などが変わります。
①②では「売上」を分解し、その下に各戦略が存在することをお伝えしました。当然全ての数値を向上させれば、売上は比例して伸びていきます。(売上があがっても粗利益があがるとは限らない。)しかし、これの面白いところが「なんでもかんでも数値をあげることが正しいとは限らない」という事です。
企業にとって重要なのは「売上」であり「粗利益」ですが、例えば「リラックスできる空間でお客様に買い物を楽しんでいただく」的なコンセプトをもっているブランドが、「入店客数」ばかりを追い求め、その結果として常に店内が混雑している状況になってしまったらどうでしょうか?
ブランド側は入店客数をあげることに注力を注ぎましたが、そのブランドのコンセプトはもはや崩壊状態になりかねません。コンセプトが崩壊してしまうと、そのブランド / ショップの魅力や付加価値がお客様に伝わらないということですから、いずれはお客様が離れていくことになります。
①に掲載した構図は、あくまでもコンセプトありきを前提に考えられてしかるべきです。私もマサさんに「コンセプトを数字で表してみて!」と言われていました。「何を言ってるんだろう」と思っていましたが、じっくり話を聞くと、まさに数値はコンセプトでもあり、コンセプトは数値でもあったのです。
そして何より重要なのは「売上の構図」と「コンセプト」を行ったり来たりで考えていくことです。これもマサさんには何度も言っていただいたことですが、売上の構図とコンセプトに矛盾がないように、各戦略を立案していくことがビジネスの面白みの一つでもあるのではないでしょうか。
次回はコンセプトについて、少し掘り下げて細かく書いていきます。お読みいただきありがとうございました。(ワダアサト)
OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
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