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今やECサイトでは当たり前のように運用されている販売員による「スタッフコーデ」。大手セレクトショップではスタッフ経由の売上がEC全体の6割にも達するとのことで、サイトコンテンツの中でも取り分け存在感が強いです。
バニッシュスタンダードが提供する「スタッフスタート」を導入しておけば、店頭の販売員さんが携帯のアプリから投稿し、そのままECサイトに反映させることが可能なので、運用面でもストレスが軽減されてきていますね。会社によってはスタッフのコーディネートを事前に本部(プレスなど)がチェックしてから投稿する、といったフローも過去ありましたので、スピード感が重要なアパレルビジネスにとってこれが店頭主導で実行されるのは良い傾向と言えるでしょう。
スタッフコーデとは別に、ブランドのコーデ紹介を記事にまとめて投稿するケースはECサイトでよく見られるコンテンツです。このようなページを作成する場合、わざわざコーデ用の画像を撮影する手間が必要なのですが、スタッフコーデページが運用され始めたおかげでコーデ撮影がルーティーン化され、ここで使う画像素材が自動で生み出されている事例も見られます。
上記はデイトナインターナショナルが運営するフリークスストアのtopicsページ。特定の切り口でタイトルメイクしていますが、画像素材は全てスタッフコーデページで使用しているものばかり。何だったらスタッフのコーデ一覧ページへの導線も引いています。つまりこれって画像1枚で、
◯スタッフ個人のソーシャル用画像
◯スタッフコーデページ用の画像
◯ブログ・特集用の画像
が同時に生み出される訳ですね。
<スタッフ一覧ページ>
<個人のInstagram>
商品詳細ページに関連画像として使う事もできるので、1枚で何通りも活用法があるのです。これが店頭のルーティーン業務になっていてスタッフが自発的に動くので、企業からすると様々なところで効率化が実現しています。
ここで少し問題になってくるのが、コーデが店頭主導という点でしょうか。店頭にある商品を販売員が自由にコーデ出来るからこそ、強化品番や展開予定のスタイルとスタッフコーデが連動しないケースが当然ながら出て来ます。
記事コンテンツに関して、ブランド全体の品揃え計画と連動する必要がある、というお話は以前もしましたね。付け焼き刃でその時余っている商品を使って無理やり特集を組んだりしても効果は薄く、記事コンテンツは事前に組まれたMD設計に沿って制作した方が効果的です。解決策としては、先にMD設計を店頭にもちゃんと共有しておき、その月に予定していた記事コンテンツに必要なコーデ、もしくは強化品番の撮影を店頭で済ましておいてもらえばいいのです。販売員も、もちろんECサイトで販売されている商品をピックアップしてコーデを組みますが、どういった切り口の記事コンテンツが予定されているかは知らないでしょう。そこを共有しておけば、フリークスストアのようなtopicsページを、当初予定していたMD設計と連動させながら運用が可能になります。
リアルだけの展開であるなら、店頭スタッフのコーディネートでMD設計を考える必要など無かったかと思います。しかし、今や販売員の役割はどんどん変化してきており、店頭販売だけでなくEC上でのメディアとしての役割が日に日に強くなってきています。そんな時代だからこそ、販売員もMDを意識する事でEC運用をより効率的にしていく事が可能になりますので、せめて展開計画は店頭への共有を徹底して欲しいと思っております。
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— 深地雅也 (@fukaji38) June 3, 2020
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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