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このブログで再三お伝えしておりますが、MD設計で重要な要素として各月の展開計画というものがあります。MDは月ごとの展開を考える際にその月に提案するスタイルや強化品番を設定するのですが、その際に必要なのが訴求するコーディネート。シーズンテーマに沿いながら売り場を埋めるには大体3パターン程度のスタイルが必要になるので、毎シーズン結構な数のコーディネート提案が必要になります。
EC運営もこれに沿ってコーディネート提案する記事コンテンツを作ったり、スタッフコーデで訴求したりするのですが、ここで注意すべき点がセット率。店頭ならば、お客様をフィッティングルームにご案内してからコーディネートを提案する事でセット率向上を狙いますが、ECはどうなのでしょうか?
全く効果が無いとは言いませんが、特集などの記事コンテンツでコーディネートを提案してもセット率は劇的には上がりません。弊社ではコンテンツマーケティングを重視していますが、それでも計測しているデータからそのような傾向が読み取れた事はほとんど無いのです。では何の為に記事コンテンツを運用するのか?ですが、「CVR(コンバージョンレート)」=「買い上げ率」を上げる為ですね。特集記事を経由してのCVRのアップは様々なところで効果検証されていますが、弊社のデータも例外ではありません。
また、お知り合いのファッションテック企業の検証データでも、コーディネート提案でセット率が伸びた、という事実はほとんど見られず、やはり改善されたのはCVR。コーディネート提案は、商品を比較検討しているユーザーの背中を押す役割はあっても、マネキン買いに発展するケースは少ないという事です。
ではどうしたらセット率が上がるのか。弊社で計測している限りは、顧客力の強いブランドほど高いセット率を計測しています。
◯店頭で見て気になった商品をECで複数点チェックしていて、再訪を繰り返してセットで購入。
◯気に入った商品の色違いをまとめて大人買い。
◯ブックマークしていた商品がクーポン・セール対象になったタイミングでまとめ買い。
などなど。ユーザーのコンバージョン経路を見ていますと、大体上記のような購買行動だと推測できます。
つまり、セット率を上げたければ顧客育成が重要になるのです。顧客育成はWeb上だけで完結しづらいものですから、店舗があると有利ですね。店頭接客や店頭で受けれるサービスレベルの向上など、来店頻度を高める努力をしていれば自ずとECにも効果が出てきます。一方、Web上での接触頻度は記事コンテンツからソーシャルメディア、CRMツールの活用でしょうか。店頭で刺さりやすい接客トークを記事コンテンツに落とし込んでもいいでしょうし、アフターケア情報をメールマガジンで配信するのも良いでしょう。細かく書いてしまうと膨大になってしまうので割愛しますが、これらを活用する事でコツコツ育成していく事が重要です。
上記を見てもおわかりのように、課題設定はデータを見て抽出可能です。今回の場合、
セット率が低い=顧客が弱い?
という仮説が成り立ちます。(必ずしもこの限りでは無いですが)では顧客育成を強化する為の施策は?と問われると、リアルでの現場経験が無かったり、普段からお買い物をしていないとわからない点が多々出てきます。
・データから課題抽出
・対策をリアルを絡めて考える
このあたりがちゃんと出来ないとアパレルECにおいて適切な対策を取るのが難しくなってきますので、普段からデータと現場をしっかり見ておきましょう。たまに「Googleアナリティクスのデータを見たところで…」と言われる方もいらっしゃいますが、ご自身のデータ解析スキルが低いだけなので反省してほしいですね。
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— 深地雅也 (@fukaji38) June 3, 2020
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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