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以前、以下のような記事を書きました。
上記の記事を要約しますと、このようなコロナ禍の状況で、在庫過多を恐れ、むやみやたらに仕入枠を削ってしまうと、必要な仕入までも削ってしまうことになり、先の売上や粗利が更に下がる。必要な仕入は、しっかりと計画を立てて行おう!このようなことを記載しています。
しかしながら、これは特にセレクトショップのMD・バイヤーに見られる傾向ですが、仕入金額は削っても、当初予定していたアイテム数・SKU数は削減せずに、そのまま発注してしまう傾向にあります。
これには、幾つかの理由があります。以下箇条書きしてみますと。。。
・MDスケジュールと予算設計の不備による、タイミングの早い発注のオーバー仕入
・現場のミクロな声を重視しすぎる
・店内を商品で埋め尽くすことが、仕事の目的と化している
・ヒューマンエラー(デザイナー・バイヤーとの力関係)
あくまで独断と偏見ですが、上記のようなことが、アイテム・SKU数を減らせない要因として考えられます。
また、昨今。上記の理由以外にもアイテム・SKU数を減らせない理由が増えました。それは、ECの売上構成比が年々高まり、更なるECの売上アップを目指すが為に、アイテム・SKU数を増やす傾向となっている!ということです。
このことは、私のサイトでもブログを寄稿して頂いている深地雅也さんの記事にも書かれています。
”ECモールにブランドが出品する際、SKUによって検索や絞り込み機能を使った際の上位表示に差が出てきます。当然、SKUが多ければ多いほど上位表示されるという事ですね。ECでは検索をかけた際の1ページ目以降の表示って大きくCVR(コンバージョンレート)が下がります。”
このECの件も相まって、必要以上のアイテム・SKU数の投入が更に増加しています。
しかしながら、このような施策は資金力のある大手ならばいざ知らず、100億円の規模の売上を誇るブランド・ショップだとしても、在庫過多に陥るのはほぼ間違いがありません。
以前の記事で、今回のようなコロナ禍の状況でも必要な仕入枠はしっかりと確保し、必要な商品は仕入せよ!ということを記載しましたが、それは当初予定していた商品まですべて仕入せよ!という意味ではありません。
寧ろ。以下のことを実行しなければなりません。
・売れ筋・関連商品の追加投入
・死に筋商品中止(先々の商品も)
・セールの実施(以下中期的に)
・品切れ率を減らす/アイテム数量を減らす
(1アイテムあたりの商品数量の増加)
このことを実行するには、ECの絡みやヒューマンエラーが最大の壁として立ちはだかるでしょう。
しかしながら、このコロナ禍の状況で、ただ予定調和の行動をしていても、最初の予測以上に売上が低下し在庫が増えるだけです。
ですので、ここは思い切って敢えてアイテム・SKU数を再考し、本当に顧客にとって今必要な商品だけに仕入枠を活用するべきではないでしょうか?
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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