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異業界は、エデンの園か【後編】年収とメリット

こんにちは、“働くMAME”です。

今回は異業界への転職について前編、後編にわたって書いております。

先々週の前編では、意気揚々と異業界(転職エージェント)に転職した私がコテンパンにやられた体験を書いたわけですが、1年が経過してきた頃から幾分冷静に異業界に転職した自分や、転職エージェントで得られる情報を俯瞰して見られるようにもなりました。後編では異業界の年収事情や転職するメリットについて書いていきたいと思います。

 

◯異業界への転職で年収は上がるのか

さて、異業界に転職する事によって年収が上がるかどうかですが、結論としては上がる可能性はあるが、それは一時的なものであって所属する業界と年収は紐づかないというのが私の答えです。転職後、様々な業界で働く方々の年収情報に目を通してきましたが「〇〇業界なのにこれしかもらえないの??」と驚くこと、意外に思うことの連続でした。

例えば、IT機器などを企業に提案するソリューション営業(なんのこっちゃ)だなんて、いかにも年収高そうな肩書きですが、実際には300万円台前半でアパレルの同年代と比べても年収が低いなんていうことはザラにありました。逆に年収が低そうな20代某大手牛丼チェーン店長が500万円近い年収だったなど意外な事実もあるわけです。そうした中で「〇〇業界は年収が低い/高い」みたいな業界区切りの論調は、ほとんど迷信に近いのでは?と疑うようになりました。

確かに異業界にはアパレルの基準では考えられないような高額な年収をもらっている人がいます。しかし、私が見た限りそれは所属している業界に紐づくというより、シンプルにその方が優秀、もしくは金を生み出す知識や技術を持っているということでしかありませんでした。つまり、一部の例外を除いて、努力なり才能なりで組織全体に貢献できれば年収が高くなりますし、その逆であればどんな業界にいようと年収は上がらないという単純明快な道理があるわけです。

仮にその道理に反して年収を上げられたとしても、人がやりたくないことをやらねばならない等、それなりの代償(負荷)が必要な場合が多いのが実際です。

◯じゃあ異業界に転職するメリットは?

じゃあ、異業界に行く意味はないのでは?と思われそうですが、そんなことはありません。わかりやすいメリットではないかもしれませんが、個人的には以下の3つがあると思います。

 

・年収が上がる「キッカケ」を得る

これは異業界への転職で叶うメリットというより、人生におけるキッカケ作りの話になります。例えば、転職による環境変化や精神的な負荷が大きかったとして、それを乗り越えるべく必死に努力した結果、短期間で急激な成長を遂げるというケースがあるのです。そうすると、転職を起点としてスキルが向上するので、当然年収が上がっていく可能性が生まれます。これは全ての転職者に当てはまらるわけではないのですが、ガッツもしくは挑戦を楽しめるマインドがあれば想像以上に良い未来が待っているかもしれません。

 

・客観的な視点で仕事ができる

好きなアパレルで仕事にすると大いに主観が入ります。その点、異業界での仕事は趣味の延長でもなんでもないので、客観的に進めることができます。個人的には、この客観というのがミソだと考えていて、固執せず悪い結果を受け入れる→素直に改善できる!ということはビジネスの基本スタンスではあるものの、アパレル時代はなかなかできなかった気がします。

それこそ、自分がバイイングした商品が売れなかったら「時代が追いつかなかったか、、、」とかわけのわからない言い訳をするでしょうし(というかしていた)、何がダメだったかを客観的に捉えようともしなかったと思います。

 

・今までよりも広い視野が手に入る

転職エージェントという仕事柄もありますが、アパレルにいる時には知り得なかった様々な考え方、生き様を知ることができました。以前のブログで書いた「異業界の人たちって意外と勉強している」というのもその1つです。異業界の人たちが仕事後に眠い目こすって勉強しているスタンスはとても刺激になりましたし、もしも異業界に転職していなかったら今より努力していない自分だったかもしれません。また、多様性を受け入れられるようになったのも大きなメリットの1つです。

◯今思うと、、

異業界に移って5年弱、結局転職して良かったかどうかでいうと、私の場合は51対49で僅かに良かったと今では思っています。(かなり)辛いこともありましたし、現在進行形で仕事の難しさを感じている日々ではあるのですが、上記にあるように多様な価値観を持った人たちと出会えたこと、挑戦の機会を得たことは自身の人生にとってメリットだったと感じています。それに今はアパレル専門の転職エージェントにいるので、アパレルへの渇きもいくらか満たされている状態でもあります。

最後に、異業界への転職を考えている人へ1つアドバイスをするとするなら、現状で改善したいことは何なのか自分にとって叶えたいことは何なのかそれらが異業界で叶う根拠は一体何なのか?の3つはしっかり考えた方が良いということです。その上で、やっぱり自分は異業界に行く必要がある!というのなら是非大胆に挑戦してみてください。辛いことがあったとしてもきっと乗り越えられると思います。

少なくとも、私のようになんとなくで異業界に転職しないようにしてください。

けっこう痛い目見ますので 汗 

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