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vol.6 費用対効果から導くプロモーション

 

こんにちは。殺人的な暑さが続いていましたが、少しは収まってきたようですね。

今回は「費用対効果から導くプロモーション」と題して、実体験を折りこみながら話を進めて参ります。最後までよろしくお願いいたします!

 

①P/Lを基に費用対効果をみる

②手あたり次第に販促するのは吉?

③大切なのは2つ!!

 

①P/Lを基に費用対効果をみる


さて、前回の内容ですが「P/L(損益計算書)を基にして、費用対効果を算出する」(前回の記事はこちら)といった内容のことを書かせていただきました。この「P/L」は=「どのくらいの収益があるのか・その収益を確保するためにどのくらいお金を使ったか」ということを示した図ですが、実際にはその後に費用対効果を導くことが大切ですよ、という話をしました。

しかし、実際のところ、「○○円使える」ということが分かったとしても、ではどのようにプロモーションを構築していくべきなのか、あるいはお金がかからない販促も可能なのか、なんてことが疑問になるかと思います。

ですので今回は、実際に私がイベントなどで行ったプロモーション戦略を、その反省と共に皆様にお伝えしていければと思います。

 

 

②手あたり次第に販促するのは吉?


まず、そもそも【プロモーション】とは何を指すのでしょうか?

既に先述した通りプロモーションとは【販売促進】のことです。もっというとマーケティングのフレームワークの一つである「4P」のうちの一つです。

Promotion 販売促進戦略
Product   商品戦略
Place     流通戦略
Price     価格戦略

の一つですね。

そして、だからこそプロモーションというのは、実際はマーケティングに含まれる一つの「戦略」でしかありません。しかし、このプロモーションという言葉は一人歩きしている印象があり、その本質は意外に企業や人により捉え方が違います。

故に、一方で小さなブランドやショップが陥る罠がそこには隠されています。それは『全体を捉えず、小手先だけの販促を行ってしまう』ということです。

その好例がまさしくSNSです。今やSNSは企業やブランドのプロモーションには欠かせないものとなりました。従って、多くの企業がSNSを設置していますが、そもそも「SNSをやらなければならない」理由はどこにもありません。地方の小さな商店街で、その地域に住む人だけを対象に商売を行う場合は必要ありません。

ここで重要になるのが「何を目的としたSNSなのか」ということです。それが明確になっていないと、とにかく知名度をあげるためにむやみやたらにプロモーションをかけてしまうこととなり、結果として大きな狂いが生まれてしまうのです。

 

そして私も実際にそのミスを何度も犯しています。

私は学生時代にオフラインでポップアップを展開していくショップを二回開催していますが(下図参照)、その際も「目的」が不明瞭でしたので、支出だけが増えてしまい悲惨な結果となりました。

そしてそれは後述する2つのことを考慮しなかった結果でもあり、改めてプロモーション戦略の難しさを実感する出来事でした。

 

 

③大切なのは2つ!!


そしてそれはずばり、

⑴ターゲット
⑵コンセプト

です。今考えれば当たり前のことですが、当時の私はその2つのことをおざなりにした結果、「人が来ても買わない」という状態になっていましました。

では、なぜそんなことが起こるのか?それは上記に書いたコンセプトを重視せず、ターゲットに即したプロモーション戦略を行わなかったからです。

ここからはリアルな情報を書いていきます。

まずそのポップアップでターゲットとしていたのは10代後半(高校生)~20代前半(大学生)でしたが、私が行ったプロモーションは地道なウェブ・SNS戦略ではなく、オフラインでの戦略でした。顧客が40代以上のショップさんにフライヤーを配布したり、ラジオや新聞などのマスに掲載してもらうということもやりました。

兎に角できることはなんでもやる!

というメンタリティで邁進しましたが、そもそもターゲットとしていた世代は新聞を読むはずもなく、そして昼間のラジオを聴いているはずもありません。

結果としてポップアップにはターゲットとしていた年齢よりも上の世代の方が多く訪れ、故に「買わない」現象が起きました。

 

これをお読みになる方は「当たり前だ」となるかもしれませんが、このことは想像以上にありうることだと思います。時間も労力も費やしたけれど、それが結果に繋がらないというのは⑴ターゲット⑵コンセプトとの大幅な乖離が起きていると考えて良いと思います。

重要なのはターゲットにきちんと訴求し、加えてコンセプトと乖離しないプロモーションです。とりあえずその前提さえ崩さず、地道に一つ一つをクリアして継続していれば結果はあらわれるはずです。

 

さて、次回は趣向を少し変えて「こんなアパレル業界人には注意!」的な記事を、実体験を交えながら書いていきたいと思います。(ワダアサト)

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