メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
前回の記事では、(セール時)にOFFしすぎないためには、どのようになことが必要なのか?ということについて記載しました。
商品のセール価格を設定する前の前準備として。。。
① 先の売上を予測する(先の売上の見通しを算出する)
② 在庫金額ターゲットを定める
③ 粗利率のターゲットを定める
この過程を辿ることで、上記の目標に達する必要な売上原価。ある意味、売上点数の目安がわかり、また同時に、組織の値入率が把握できていれば、値入率と粗利率の差から、上記の目標数値に達するためのOFF率(値引き・割引率)が算出できます。このことができれば、前準備が整うということになります。
今回のブログでは、簡単な例を用い、セール価格決定までにすべきことを、できるだけ皆様にわかりやすくお伝えしていこうと思います。ですが、流石に文章で細かいことまでお伝えするのは、中々難しいことですし、個々の組織で、状況も違うことだと思いますので、あくまでご参考程度の手段である!と捉えて頂ければ幸いですm(__)m
今回のある架空の組織の数字を例にお伝えしていきます。ある組織の前提条件を以下、皆様にお伝えしますと。。。
① 現在は、6月10日前後。売れていないので、店頭一部セール実施済。
② 今回は春夏商品のみで表を作成。商品の仕入原価率は35%
③ 6月~8月の売上予測は過去データ等を基に算出。期首在庫原価は1,000万円。6月に仕入原価500万入荷予定。
④ 春夏商品なので、目標は8月末に在庫を0にすることが目標。
(在庫が多すぎて0目標を立てるのが無理!という組織も多くあるでしょうが、今回はご容赦ください)
このことを条件に、この組織のMDは下記の図を作成し、各月の粗利率ターゲットを算出しました。
(*各月の売上予測・粗利率ターゲット・在庫金額は、表で確認してくださいm(__)m)
この表の各月の粗利率のターゲットから、各月のOFF率を算出すると。
6月22.2% 7月41.7% 8月57.6%と、このように月ごとのOFF率の目安が出てきます。これで、各商品のセール価格を設定する!という前準備が完了します。
ここから、各商品のセール価格決定までの手順をお伝えすると。
1. 6月の売上シミュレーションを単品ごとに行い、6月時点末在庫数の予測を算出
2. 6月末の在庫数と6月売上点数を基に、在庫消化日数等を算出
3. 在庫消化日数や商品そのものの位置づけ(特に6月入荷商品)を基に商品をランク分けし、価格を決定
4. ランクに応じ、商品単品ごとに7月の売上・在庫シミレーションを行
このような順番で、セール価格の決定をしていきます。上記の項目で注意すべき点を以下述べていきます。
→まずは、商品品番数が多いが組織は、単品ごとに売上シミュレーションを行う!ということが困難である筈です。ですが、このブログでもいつもお伝えしているように、在庫の質を見極めるルールが、しっかりとなされていれば、困難さが軽減される!ということを覚えておきましょう。
このことで重要なのは?過去データの傾向・癖をしっかりと活用することです。手法は、私の別の連載の”商品の追加発注はどうしたら良いの?”という手法と基本的に考え方は、同じになりますので、下記参照してください。(今回のシミュレーションは、6月10日前後という設定ですから、ある程度精度の高い6月の売上シミュレーションが可能な筈です)
→上記のシミュレーションが終わりましたら、6月の予測売上数。時点在庫数を基に、在庫消化日数を算出します。以下、数例を上げますと。。。
・商品① 6月の予測売上数100点。6月時点在庫数300点。300÷(100÷31)≒93日
・商品② 6月の予測売上数300点。6月時点在庫数200点。200÷(300÷31)≒20.7日
・商品③ 6月の予測売上数500点。6月時点在庫数700点。700÷(500÷31)≒43.4日
このように、算出していきます。(但し、ホントのことをいうと、在庫消化日数の平均売上数の算出には注意が必要です。できれば喫緊の1日の平均売上点数を使用したい。下記の記事で確認してください)
残りの3.~5.を述べると、ブログが長くなりすぎますので、今回のブログはここで終了とし、次回に今回伝えきれなかったことをお伝えしていきます。では、皆さま次回もよろしくお願いたします。
特別記事をアップしてますので、そちらも是非ご覧くださいm(._.)m
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。