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アパレル未経験職種への挑戦

こんにちは、働くMAMEです。

皆さんはアパレル業界で「未経験職種にジョブチェンジ」したいって思ったことありますか?

 

転職相談において「未経験だがアパレルECに挑戦したい」「未経験だけど生産管理になりたい」といった相談は以前からよく受けておりました。個人の意見としては、やってみたい仕事に挑戦する事を応援したい気持ちはあるのですが、現実的にはなかなか難しい、、、というのが実状です。

今回はアパレル業界で未経験職種に挑戦(転職)するリアルについて書いていきたいと思います。

 

◯異業界と比べたアパレル業界の特徴


まず、未経験職種へ挑戦するにあたって、異業界とアパレル業界の転職マーケットについて説明したいと思います。

異業界における転職マーケットの特徴でいうと、いわゆる「ダイバーシティ」ってやつが進んでおります。ダイバーシティとは直訳すると「多様性」という意味で、多様な人材を登用し、組織の活性化を進めるというニュアンスで使われます。なので、玩具メーカー営業が介護サービスの提案営業になったり、回転寿司チェーン副店長が建築業界で施工管理者になったりという一見何の脈絡のない転職が可能になります。もちろん高度に専門性が求められる職種になるとその限りではないのですが、広く「異業界」とみれば、傾向としては当てはまります。

一方で、アパレル業界はスキルマッチの転職マーケットです。同業界出身であることはもちろんのこと、職種、顧客、プライス、ブランド規模などの親和性がダイレクトに転職成功率に影響します。つまり、ダイバーシティ化があまり進んでいないマーケットということです。ただし、異業界に比べてそれ以外の要件には極めて寛容なのが特徴です。例えば、学歴、年齢、転職回数です。異業界ですと30歳以降は求められるスキルが急に高くなったり、そもそも書類を見てもらえないなんてこともザラにあります。

その点、アパレル業界は年齢が高くなっても転職の可能性が多分に残されています。ちなみに、私は過去50代の転職をサポートしたことが何度もあります。あえて説明のために書くのですが、その方のレベルが特段高かったというわけではありません。

 

◯想定しておいた方がいいリスク


「状況はわかった、とにかく私は未経験職種で働きたい!」っていう人のために想定しておいた方がいいリスクも書いておきます。登る山の高さを知っておくことが成功の鍵です。大きくは以下2点です。

・年収が下がる

・規模やブランド感が落ちる

残念ながら年収については下がる可能性があります。何故ならば、未経験なので育成コストと即戦力性が新卒と一緒だからです。とはいえ、これまで培った経験の中で役立つものもあるので、新卒同様に月収20万×12ヶ月=年収240万!だなんて無慈悲なことはないですが、即戦力性を発揮できる直接的なスキルが少ない場合、年収維持は難しいと思います。

また、規模やブランド感については「なんで中途なのに未経験で募集しているの?」って考えるとわかりやすいと思います。要は経験者を採用したかったけど、応募が集まらなかったとうことです。中には上記の「ダイバーシティ」の観点からあえて未経験を募集している企業もありますが、実際に採用するかでいうとごくごく少数派です。なので、未経験OKの求人の傾向としてあまり名前が知られていなかったり、小規模な企業である場合が多いです。規模感やネームバリューに安心感を持つ人はこの点がきついと思います。

 

◯行きたい未来に行くために、スキル軸で考えてみよう


ただし、逆を言えば、そのリスクを負うことで未経験職種に挑戦できる可能性はグッと上がります。企業側に変に忖度する必要はありませんが、自分主体ではなく「自分が採用する側だったら」という視点で考えてみると、おのずとリスクする分量が見えてきます。転職って、思いやりも大事です。

また、ブランド軸・年収軸ではなく、スキル軸で中長期的なキャリアを考えれば享受できるメリットは大きいと思います。中長期的に見れば、年収もスキルや職域を拡大することによって転職前より大きく上げることが可能です。近年は複数のスキル/キャリアを持っている価値が認められる傾向が強くなっているので、可能性をより高めることができるのではないでしょうか。

 

最後に、おせっかいながらも一言申し上げるとするなら、キャリアは階段なので一足飛びにジャンプすることは極めて難しいです。しかし、一段一段着実に登っていくことによって最終的には行きたい未来に到達することが可能です。今、新しいキャリアを考えている方、それを転職という手段で叶えようとしている方は時間がかかったとしてもこの「一段一段」を大事にしていただくことをオススメします。急がば回れってやつです。そして、その積み重ねの中で顧客からも組織からも、より必要とされる人材になれることを応援しております。

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