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あけましておめでとうございます。働くMAMEです。本年もこのブログをどうぞよろしくお願いいたします。
先日、噂のニトリバスマットを交換しに街へ出たのですが、コロナ感染者の急増によってセールの集客はかなり厳しそうでした。販売経験がある身からすると、現場のスタッフにとっては非常に不安な状況ではないかと推測されます。
さて今回ですが、店舗と販売員の価値について、あらためて書かせていただきました。先日、ちょっと興味深い出来事があったので、まず私の嫁さんの事例を紹介していきたいと思います。
先日、嫁さんのアウターを買いに某セレクトショップに行った時のことです。嫁さんが接客を受けている横、クーポンを調べているとEC購入で10%OFFになることがわかりました。買うかどうかの瀬戸際で嫁さんに「ECで買うと得みたいだよ」と伝えましたが、嫁さんは「いや、ここで買う」といつになくキッパリ。結局店頭で購入することになりました。
お店を出た後「なんでそう判断した?」と聞くと「あの店員さんが良くしてくれたから、あの場で買いたかった」とのことでした。聞けば、担当してくださった店員さんのファン(いつもオシャレだと思っていた)だったらしく、接客も良かったので店頭で買いたかったというのが理由でした。このEC全盛の時代でそんな!と思いましたが、嫁さんは特段ファッションフリークでもない(加えて30代前半という一般的な購買層)ので、意外とこういう感覚がマスなんじゃないかなと自分にとっては発見でした。
また、年末年始はちょうどコロナが急増していた時期だったので「ECでセール品を買おう!」と提案しましたが、色々見たものの結局嫁さんはほとんど服を買いませんでした。嫁さん曰く、何を買っていいかわからなかったそうで、そこには店頭でなければ購入になかなか踏み切れない3つの背景(メリット)がありました。
テイストやコンセプトに沿って商品が編集されているというは消費者にとって大きなメリットです。商品を「選ぶ」にあたってはある程度制限があり、編集されていたほうが良い(易しい)ということです。
今は各社自社ECを持っているので、外部モールの膨大な商品群から選ぶということはしなくてもいいのですが、それでも一般的な消費者からすると物量は多く感じるのではないでしょうか。ファッション感度や知識がある人、明確に「何が欲しいか」がわかっている人にはECはとても便利なツールですが、「なんか冬物買いたいなぁ」なんてふんわりした欲求を満たすには、テイストやSKUが制限されている店頭の方がよっぽど商品は選びやすいと言えます。
わざわざ書く必要もないかもしれませんが、五感で商品を確認できる事は大きな安心感に繋がると思います。ましてや洋服はどんなに安いものでもアートピースとしての側面があります。家電のように「機能」を買う商材ではありません。ECですと視覚でしか確かめられなかった商品も店頭であれば肌触り、温かさ、着用感、そして匂いも確かめられます。これは購入における動機づけ、特に懸念払拭に非常に有効なのではないでしょうか。
購買履歴からリコメンドが出るという機械的なやりとりでは到達できない、新たな発見や提案が店頭にはあると思います。レディースであれば肌色や顔立ち、顧客の雰囲気を読み取った商品提案などがそれです。個人で完結できるファッションには限界があるので、オシャレな販売員の方からのリコメンドを受けることは「なりたい自分」「新しい自分」に出会う楽しい体験に繋がります。また、そこに売るとか買うとかを超えた、人間らしい気持ちの関わりが生まれるのも店舗ならではの良さだと思います。
ここまで書いて1つだけ補足したいのですが、私は決してECを否定したいわけではありません。むしろ、ECで買い物することが好きなクチです。ただ、各社がECを偏重し、ややもすれば現場を軽んじる風潮があることは否定したいです。また、現場の中でもそういった意識を持つ人が増えてきていることを非常に残念に思っております。ECの利便性では補いきれない現場のメリット、顧客にとっての価値を忘れないで欲しいと思います。
私が新卒で社会に出た年はリーマンショック、さらにその3年後は東日本大震災が発生。自分の事ながら、かなり厳しい販売員時代を過ごしたと思います。お客様が来ない店で何度も商品をたたみ直しながら「本当に販売員としての価値が自分にあるのか、今後販売という仕事そのものの価値が消失してしまうのではないか?」ということをいつも考えておりました。今この瞬間に店頭で働いている皆さんもきっとそんな気持ちなのではないでしょうか。
しかし、どうか惑わされないでほしいと思います。景気に山と谷があることは当然ですし、どんなに新しい買い方、売り方が出てきたとしても「直接商品に触れ、お店で安心感や満足感を得る」という購買活動の根本は変えられないと思います。
まだまだ厳しい時代は続くかもしれませんが、現場で働く方は自身の価値を信じて頑張って欲しいと思います。私も(嫁さんも)たくさん洋服が買えるよう頑張って働いていきたいと思います。
アパレル専門転職エージェントにてキャリアコンサルタント/ドラムンベースDJ。セレクト業態にて店長、バイヤーを経て、現職に。世を忍ぶ仮の趣味としてキャンプ始めました。
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