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現場職から本部職への挑戦

 

こんにちは、働くMAMEです。

まもなく2月も終わり、人事異動の季節ですね。このブログを読んでくださっている方々の中にも、すでに異動や新しいポジションを打診されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、今回はアパレルのキャリアカウンセリングで度々話題に上がる「現場職から本部職にチャレンジするにはどうすればいいのか?」ということについて書いていきたいと思います。転職ではなく現職で本部を目指している方、キャリアの幅を広げたい方の参考になれば幸いです。

 

◯まず、なぜ本部に行くのが難しいのか?

皆さんがご存知の通り、現場から本部に行くことはそう簡単な事ではありません。では、なぜそれが難しいのか?についてまず考えていきたいと思います。理由を探せば無数にあるのですが、本部職や人事にヒアリングすると以下の2つが大きな要因となっています。

・売り上げが下がることへの懸念

・本部で活躍できるイメージがある人材がいない

 

本部側としては有能な販売スタッフを現場から剥がすことを懸念します。なぜなら、シンプルに店舗の売上が下がる可能性があるからです。新卒や中途採用で販売力を補填するという手もありますが、顧客型のブランドである場合や、厳しい市況感だとあまり現実的ではないというのが実情です。

また、(大体がそうなのですが)本部がタイトな人員で運営されている場合は育成に期待ができないので、本部異動に際してはそれなりの即戦力性が求められます。しかし、現場にそうした都合の良い人材がいるかでいうと、そうもいかないので手っ取り早く中途で即戦力を採用するというのが一般的です。

 

◯では、どうすれば本部に行けるのか

このように本部職にチャレンジするには厳しい障壁があるのですが、以下の3つに取り組むことで本部の懸念を払拭し、突破口を見出すことが可能です。自身の経験や、本部に異動した方々のデータを集約して得た解ですので、組織の実際にも当てはまると思います。

1、実績を作る

言わずもがな実績が必要です。現場でのパフォーマンスが高ければ高いほど、現場から剥がすことを懸念されそうですが、やはり実績があることは前提条件になります。ある意味、組織の中で目立つ存在であることも重要ですし、何よりも「目標/ミッションに対して達成力がある」ということは証明した方が良いでしょう。

2、あらかじめ知識だけは持っている

現実的に現場にいながら実務経験を積むことは難しいので、せめて知識だけでも習得しておきましょう。それだけでは心許ないかもしれませんが、周りを見てみてください。何を学ぶべきかを調べ、眠い目を擦って学習を進めている人がおりますでしょうか。おそらくいないと思います。なので、自分自身がそうした人材になるだけでも社内競争においてリードできるはずです。また、社内公募で学習した内容をアピールすることで、少なくとも主体性と(ある程度の)即戦力性は認めてもらえるでしょう。

3、後継者を育てる

1番重要なのがココです。身を立てる事に注視し、ココが手薄になっている方が多いです。自分がいなくなっても大丈夫な状況をいかに作り出せるかが、キャリアチェンジの鍵になるわけです。そのためには実績を作るだけでなく、そのノウハウをきちんと伝承していかなければなりません。また、ある程度の実績が出たならば、それ以降は後輩に手柄を譲ってやるくらいの気構えでいた方がいいでしょう。自分の手柄を主張するのではなく、後輩を輝かせ、さらに成長を促進していくことが重要です。これらを完全に実践するには勇気と苦労が必要かもしれませんが、それが叶えば本部も安心して異動の打診ができるはずです。

 

◯もう1つの要素

上記の3つには含めなかったのですが、キャリアアドバイザーとしてもう1つ重要な要素があると考えております。概念的ですが、それは利他的であることです。

自分の身を立てること、キャリアを形成することばかりが目的になっていると後輩育成やキャリア形成が叶わないばかりか、せっかく希望のポジションを得ても(マサ佐藤氏の言う本部病にかかるなど)非常に短命で終わってしまいます。あくまで傾向かもしれませんが、長期的なキャリア形成に成功されている方々は、やはり利他の精神を持って仕事に当たっています。目的が自分に向けたものだと案外うまくいかないものなんです。

最後に、このブログを読んで下さった皆さんの中には、自身のキャリアに疑問を持ったり、焦りを感じている方が少なからずいらっしゃるかと思います。しかし、どうか本質的な目的を忘れることなく仕事へ取り組んでいただきたいと思います。お客様に喜んでもらうこと、後輩の成長を叶えること、組織に貢献することなど、利他的な行動の積み重ねの先にはきっとチャンスが待っているはずです。

タイミングもあるので時間はかかるかもしれませんが、皆さんの前向きな取り組みが「キャリア形成」という形で実を結ぶことを心から応援しております。

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