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こんにちは、働くMAMEです。
さて、今回のテーマですが、「資格」についてです。資格があれば未経験職種にも挑戦できるのか?という相談が数多くもらうので、その実態を書いていきたいと思います。
セミナーの受験認定や様々な資格は、果たしてキャリアチェンジに有効なのでしょうか?
結論としては「できないケースの方が圧倒的に多い」です。なぜならば、採用上、資格を持っている(≒業務知識がある)ことよりも実務経験が優先されるからです。アパレルとはあまり関係ないかも知れませんが、8士業と呼ばれるような難関資格を取得していたとしても、「実務経験がない」という理由でお見送りになる事例が非常に多いです。また、資格が作用して転職できたとしても以下のようなリスクが想定されます。
1ですが、言わずもがな実務経験がないので、その業務において活躍できるのかという点で企業は確証を持てない状況です。また、業務のフローを教えていくにも育成コストがかかるので、特に初年度は年収が低下する可能性が高いです。
2についてですが、本来中途採用は経験者を採用することを目的としております。にもかかわらず、受験資格を未経験にまで下げているというのはなぜなのでしょうか?未経験でも育てる気構えがある慈悲深い企業もあるかも知れませんが、離職率や就業環境面に問題がある可能性は覚悟しておいた方がいいでしょう。
一方で、ある条件下で資格が適切に作用し、有利に転職できる場合もあります。
その条件ですが、やはり1番は若さです。一定の社会人経験があり、かつ今後のポテンシャルを期待できる年齢層(理想的には20代)であれば、資格があることは有効に作用します。
また、経験職種と連動性や親和性がある場合も、資格や知識は有効に作用します。例えば、MD経験者がECやWEBマーケティングの知識を習得しているケースです。マサ佐藤氏や深地氏のブログにもあるように、EC担当者にもMD的な視点が必要とされております。少しずつではありますが、MD経験者がEC系求人で転職する、もしくは選考過程でECに関するポジションを打診されるケースも出てきております。
ちなみに、、、女性に人気の事務職ですが、8割「見た目」が採用基準です。個人的にはそんな採用基準は「ク◯くらえ」と思っているんですが、MOS資格と併せてちょっと華やかなメイクを意識すると、未経験でも多少有利に選考を進めることができると思います。
以上のように、転職という一刹那で魔法のごとく資格を作用させる、職種をも変化させるというのはかなり難易度が高いです。しかし、もう少し長期的にキャリア全体で考えれば資格取得や勉強は非常に有効に作用します。例えば、以下のようなケースです。
1は現職の中で異動を叶えるケースです。よく「上が詰まっている」とか「ポジションに空きがない」という人がいますが、実際には様々な職種を企業は中途で募集しております。企業がそれをせざるをえないのは、既存の社員に求めるスキルや知識がある人材がいない(もしくはそう認識している)からです。であるならば、すぐに叶わずとも「やりたい事」に向けた勉強をしておくことには意味があります。社内公募で勉強した内容や資格を記載できることは非常に有効に作用するはずです(企業も採用コストを抑えられる!)。
その際、自分がいなくなってもチームが回るよう、後発の育成にも力を入れておいた方がいいでしょう。
2はやりたい職種が強い企業に、一旦同じ職種で転職するケースです。例えばMD経験者がECに強い企業に同職種で転職し、希望するEC業務に徐々に業務範囲を広げていくといったケースです。これも即効性はないですが、まず年収を下げなくて済みます(1も同様)。また、現職よりも可能性の高い環境に行くことで、スピード感を持ってキャリア形成やノウハウの習得ができるメリットがあります。
以上のように、資格が転職の特急券になりうるかでいうと、その答えは往々にして「NO」です。しかし、中長期的に見れば、資格の勉強や知識習得はキャリアにおいて有効に作用します。焦る気持ちもあるかも知れませんが急いで変化を求めてしまうと、それなりの代償を支払わなければならないので、耐え忍んで機を待つことも重要です。
最後にお節介ながら一言申し上げますと、資格を取る事が「目的」にならないようにご注意ください!
アパレル専門転職エージェントにてキャリアコンサルタント/ドラムンベースDJ。セレクト業態にて店長、バイヤーを経て、現職に。世を忍ぶ仮の趣味としてキャンプ始めました。
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