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(反省)小規模ほど【キャッシュの効率化】が重要な局面が現在です!

あのさぁ〜
「洋服が売れないから、製造ロットを下げろ!」
「洋服が売れないから、製造単価を下げろ!」
って当たり前のように言う人達がいますが・・・・・
俺が武士だったら切捨御免を使って、そういうアパレル界の輩を排除していくのになw
「なんで君の利益を確保する為に、俺の利益を削らないといけないの?」

多分、OEM(ODM含む)に携わっている方達に刀を渡すと、バッサ!バッサ!輩を切り倒すんだろうな〜。

こういう要求する輩は、アパレル外部からの参入者やアパレルに属していて組織内の上からの評価を得たいという奴です。

あっ。
スタートから不満をぶちまけてすみません!!!
最近、アパレルから撤退して中古バイク仕入れて売りたいなぁ〜と思っているYouTuberのローリー青野でございます(笑)

 

製造ロットと製造単価の関係

あるジーンズの製造点数と製造単価の関係が
*製造が100点→単価は6,000円/点。
*製造が1,000点→単価は2,000円/点。
だとします。

OEMやってると、「製造数が2倍になったら、製造原価が1/2にならないんですか?」って言われる事ありますが・・・

なるわけねーだろっ!!!!!!!

と心の中で思いつつ、黙って切り捨てたいなぁと思うことがしばしばございます。

・製造ロットを下げる=キャッシュを抑える
・製造単価を下げる=粗利を向上させる
輩が狙ってるのはこれです!はい。

上出の「洋服が売れないから、製造ロットを下げろ!」「洋服が売れないから、製造単価を下げろ!」ってのは、極論を言うと・・・
*製造が100点→単価は2,000円/点
を要求しているんです・・・_:(´ཀ`」 ∠):
取引の継続(打ち切り)をチラつかせてね(苦笑)

とりあえず・・・・・
100回顔洗って出直して来いっ!!ダボ共がっ!!

*製造ロットを下げると、製造原価は上がる。
*製造ロットが上がると、製造原価は下がる。
(注)製造単価の下限はあります

どちらを選択しても売らないといけません。
この【売る】という事を回避する事はできません!

*製造ロットを下げると、製造原価は上がる→売値は上がる(厚利少売しやすくなる)。
*製造ロットが上がると、製造原価は下がる→売値は下がる(薄利多売しやすくなる)。
となります。

・小ロット高単価の厚利少売でジーンズを売るのか?
・大ロット低単価の薄利多売でジーンズを売るのか?

お分かりだと思いますが・・・同じジーンズを売るにもジーンズを買う消費者が異なり、合わせて市場が異なってきます。

 

大ロット低価格の場合(薄利多売の場合)

洋服が売れない世の中です。
いや、売れてるところは売れています!
自分が数年行ってきたジーンズの売り方を見つめ直してみました。

現在のBMCは、価格に厳しい大ロット低価格の市場へ向けて商品を供給しています。
*製造が1,000点→単価は2,000円/点。

製造原価率が40%だとすると
*製造が1,000点→単価は2,000円/点→設定上代は5,000円。

卸売の掛け率が50%だとすると
*製造が1,000点→単価は2,000円/点→設定上代は5,000円→卸値は2,500円。

粗利と粗利率は
*製造が1,000点→単価は2,500円/点→設定上代は5,000円→卸値は2,500円→粗利は500円(粗利率20%)。

売上額と仕入額と粗利額は
*売上:2,500,000円(卸値2,500円×製造ロット1,000)
*仕入:2,000,000円(製造単価2,000円×製造ロット1,000)
*粗利:500,000円(粗利率20%)

2,000,000円の現金を用意して、1,000本のジーンズを仕入れて、500,000円の利益を得る
これを数年続けてきてます。

 

小ロット高価格の場合(厚利少売の場合)

現在、試験的に従来のジーンズの売り方を変えています。
BMC小ロット高価格が通用するように市場開拓と消費者開拓を行っています。

本来ならジーンズブランドを立ち上げた際は、こちらで行くべきだったんでしょうが・・・
高価格を売る(買ってもらう)という場合、ブランド力・発信力などによる消費者の囲いができてないと失敗すると思い、この選択をしていませんでした。
初めから小ロット高価格を選択できるのは、インフルエンサーや有名人などしかできないのではないかな〜(小遣い稼ぎの話ではなく、事業として成立させる話ですよ)。
インフルエンサーや有名人がアパレルブランドを作って商売を始めるのは理にかなっていると思いますよ!とても合理的な選択をしているし、商売は成り立つ様に消費者を囲っている点は見習うべきポイントだと思います。

価格が通る高価格市場へ向けて、小ロット高価格を供給すると・・・
*製造が100点→単価は6,000円/点。

製造原価率が30%だとすると
*製造が100点→単価は6,000円/点→設定上代は20,000円。

卸売の掛け率が50%だとすると
*製造が100点→単価は6,000円/点→設定上代は20,000円→卸値は10,000円。

粗利と粗利率は
*製造が100点→単価は6,000円/点→設定上代は20,000円→卸値は10,000円→粗利は4,000円(粗利率40%)。

売上額と仕入額と粗利額は
*売上:1,000,000円(卸値10,000円×製造ロット100)
*仕入:600,000円(製造単価6,000円×製造ロット100)
*粗利:400,000円(粗利率40%)

600,000円の現金を用意して、100本のジーンズを仕入れて、400,000円の利益を得る

 

キャッシュアウトを抑えて額を取りに行く選択

おいおい。ローリー青野さんよ!
*大ロット低価格:2,000,000円の現金を用意して、1,000本のジーンズを仕入れて、500,000円の利益を得る
*小ロット高価格:600,000円の現金を用意して、100本のジーンズを仕入れて、400,000円の利益を得る
大ロット低価格を続けた方が粗利額が大きいから従来のジーンズの売り方を継続した方がいいんじゃない?と普通は思いますよね〜。一発で得れる粗利の差が100,000円ですからね!大きいです!

 

洋服が売れ続ける状況ならいいですが・・・現在のアパレルはいつも以上の苦境です(涙)
このような状況になると、うちみたいな小規模ジーンズメーカーは想像以上に苦しくなります。まとまったキャッシュ(現金)が財布から出ていくことを避ける術を模索しなければなりません。

よって、一発500,000円を得る事のできる大ロット低価格より、小ロット高価格を迷いなく選択します٩( ᐛ )و

どういう事かというと・・・
「小ロット高価格で得られる粗利額」を「大ロット低価格で得れる500,000円」と等しくするとした場合、

*大ロット低価格粗利:500,000円
*小ロット高価格ロット数:1.25ロット(大ロット粗利500,000円÷小ロット粗利400,000円)
*小ロット仕入想定:750,000円(製造単価6,000円×製造ロット100本×1.25ロット

粗利500,000円を小ロット高価格で得ようとした場合・・・
750,000円の現金を用意して、125本のジーンズを仕入れて、全て売る事が出来たら500,000円の利益を得る
ことができます!

もうお分かりですね?

*2,000,000円の仕入で500,000円の利益を得るのか?
*750,000円の仕入で500,000円の利益を得るのか?

あたなならどちらを選択しますか?

例えば、小ロット高価格において、
・仕入枠:1,200,000円
・仕入点数:200点(仕入予算1,200,000円÷製造単価6,000円)
・粗利:800,000円(小ロット高価格粗利4,000円×200点)

どうですか?

キャッシュアウトを減らして、粗利額をグンと増やす事ができます!
超絶経営資源の効率が良いですね!

流通市場を柔軟に変更できる小規模ブランドなら、この状況下では確実に小ロット高単価でジーンズを作って売る方が正解だと思います。
ただし・・・20,000円のジーンズを100本以上(シュミレーションでは125本)売り捌く力がないといけませんがね。

 

小規模ブランドはキャッシュの効率化を追求する

自戒を込めて言うと、起業して小規模ブランドを立ち上げた場合、限られた経営資源(現金、人員、ブランドなど)の効率化を求めないといけません。

卸売で売上を追求すると量(薄利多売)で勝負する事になります。
市場が良い場合は問題なくキャッシュがまわりますが・・・現在のような状況になると求める量が捌けなくなるとアッという間にキャッシュが枯渇します(涙)
限られたキャッシュ(現金)の範囲で効率良くキャッシュ(現金)を生み出す事が最重要になってきます。起業後のPLにおける成長性の指標である売上額や営業利益額は捨てて、キャッシュの効率化を推し進めるべきだと考えます。

要は、身の丈(保有キャッシュ量)に見合ったブランド運営と事業運営にシフトしていかなければなりません!!!!

この記事は誰が読んで下さってるか分かりませんが・・・
こういう状況だから、現在行っている事業の見直しや転換、再構築をキャッシュ視点で行って下さい!!
そして、これからアパレルで起業しようとされる方は、製造ロットと製造単価の関係性を理解して、キャッシュの効率化を意識してブランド運営を行って下さい!!

おじさんライダーからは以上で〜す٩( ‘ω’ )و

 

 

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