メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
ここ最近、PDCAを廻すことが”時代遅れ!””効果がない!”といった発言をするデジタル界隈の方やコンサルを、ネット上で見かけることがあります。ですが私はそうは思いません。
適切にPDCAを廻すことが出来ていれば、間違いなく効果が出ますし、アパレル小売の店舗運営。そして、私の専門であるマーチャンダイジング(以下MD)の精度も向上します。しかしながら、PDCAを廻すことがうまくいっていない組織があるのも事実です。
その要因として考えられるのは、Pの計画を立てることが曖昧だったりとか、計画は立てただけで、Dの実践を行っていなかった等が考えられますが、このMDアドバイザーという仕事を始めて、一番気になったのは、Cの検証がしっかりと出来なてない組織が多いということです。
特に、気になることは、売れている場合は、そもそも検証していないということ。売れていない場合は、反省ばかりに終始し、次のシーズンに繋がるような要素を具体的に見出だそうとしていないという点です。
上記のように検証をしっかりと行っていない組織は、次のシーズンに失敗する可能性が高まります。
今回の記事では、どのような検証を行えば先の未来に繋がるのか?ということを、私の独断と偏見で話をしていきます。
私が、MDにおいての過去検証を行う上で重要視しているのは。
という、もしも=IFを使用した検証を行うことです。
例えば、MDに関する検証でどのようなことを行えば良いのか?ということを、今回は、売れていた商品を検証するということで、以下箇条書きすると。
【売れていた商品】
〇検証する際の目的は、来年もこの商品が通用するのか?ということに重きを置く
A もし、販売期間を延ばしらどうなった?具体的に販売期間に対して何点商品が足りなかったの?
B もし、色展開を変えていれば?更に売れた?サイズ感を大きくしていれば?結果はどうなった?
C もしも、この商品は来年も展開すれば、当年の何%売れる。更に色・サイズ感を変えれば?
他にもあるとは思いますが、このようなことです。
更に言えば、販売期間1か月の設定で50点発注した商品①が10日で売り切れたとします。(商品の販売期間の設定を行うことはとても大事なこと)ということは?普通に考えれば。
→10日÷31日=32.3%
→50点÷32.3%=155点
→155点-50点=105点(売り逃した商品の数量)
というように、具体的な数量が算出出来ます。このケースで先ず考えなければならないことは?
ということです。昨今、殆どアパレル小売のリードタイム(以下LTは)2カ月以上かかりますから、2カ月以上前の発注段階での記憶を遡って、発注する際の心理・議論等、商品の発注段階において起こったことを、検証する必要があります。ですので、商品の発注検討会等、商品の発注に関するMTの議事録をとっておく!ということは、検証の精度を高める一つの手段となりえます。
また、今回の検証の目的。この商品を来年も展開したらどうなる?ということも併せて行っておくと良いでしょう。
先述した商品①を例に考えてみますと。
商品①の今年の予想売上数は155点だった。来年も同じ商品を同じ期間で販売する場合、今年の何%になる?
→今年の倍売れる。発注数量210点
→今年の60%の売上に下がる。発注数量63点
というようになります。更に、このことに“もしも、色・サイズ展開を変えるとどうなる?”まで考えて発注すると、昨今、現場(店頭)からよく言われる。
等という問題が解決へと向かっていくでしょう。
今回の”もしも””IF”を使った検証は、MDだけではなく販売の現場(実店舗・EC)にも使える考え方です。”PDCAサイクルは時代遅れだぁ~”等ともっともらしいことを言う前に、PDCAサイクルの精度を上げること。IF検証をしっかりと行うことを、読者の皆様に試してもらえることを願って、今回のブログは終了です。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。