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顧客を実感できない組織の商品はいらない

★本部病に感染する患者は後を絶たない?

私がこの業界に身を投じたのは、物流倉庫のアルバイトからでした。そこから販売員を長年経験したあと、紆余曲折を経て現在のような仕事をしています。

現在のような講師・アドバイザー的な仕事になっても、販売の仕事で得た経験は、私にとって財産であり、小売業に従事する限り原点であり続けることは変わりません。

しかしながら、販売の経験が大事!顧客視点が大事!と言い続けても、以前のブログで書いたように、 本部病に感染する患者はあとを絶ちません。

”本部病”患者が増えれば顧客は減る

★足しげく通う古着屋さんの話

ここで話は全く変わり、私が三軒茶屋界隈で足しげく通う古着屋さんについての話をさせて頂きます。その店は? “the light”という古着屋さんです。

(最近着る私服の1/3は、この店のが占めている(笑))

 

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old wool shirt #the_light #三軒茶屋 #古着

the lightさん(@the_light_tokyo)がシェアした投稿 –

店長の徳永さんは、古着屋では有名な某店で長年、店長・バイヤーとして仕事に従事されていました。 そして、2~3年前に一念発起し、自分自身の貯金をはたいて、”the light”を三軒茶屋の栄通りにオープンしました。

徳永さんはソフトな口調で話をされる方なので、店舗をオープンしてからの苦労は大変なものだったでしょうが、そのことを微塵も感じさせません。そうして、今では三軒茶屋の古着屋の中でも、”知る人ぞ知る”有名店になっています。(芸能人やアパレル業界で有名な人もくる(笑))

 

★買付にいく資金は商品をお金に変えなければ産まれない!!

そんな徳永さんは年に6回程、ヨーロッパやアメリカ等に買付に行きます。徳永さんが買付に行っている間は、徳永さんの古巣時代の後輩が時間が空いたときだけ、店舗が開きます。(後輩は別の仕事を持っている。)

 

ここで、基本的な小売りの話をすると、

小売業のお金の流れは? 資金→買付(仕入活動)→商品を売る→商品がお金に変わりに利益が出る→そのお金で買付に行く→商品を売る。。。

の繰り返しになります。

 

徳永さんの話に戻すと、年6回?ほどの買付の資金は当然商品が売れてお金に変わらないと、買付など行けなくなります。

見栄をはってプロパー消化率などに拘り、在庫がお金に変わらなければ、あっという間に閉店への道を辿ります。

 

更に、徳永さんの場合は、バイトも雇わず(笑)常にショップに立ち続け接客しています。 自分の好きなスタイルのショップではあるけれども、、顧客の要求・欲求を実感し、常に顧客の声に耳を傾けています。 だからこそ買い付けた商品が売れ、お金に変わり、次の買付へと行けるのです。 (今のペースならば、そのうちスタッフも増えることでしょう(笑))

 

★顧客を実感できていない組織の商品など欲しくない!

ここで話を戻すと、この業界には顧客の声を実感していない。しようとしない”本部病”の人が多くいます。また、昨今IT用語を連発し、難しい横文字で”手段論”ばかり語る、EC比率ガ~病の人も増えています。

 

本部にいて偉そうに、データ分析・手段論・テクノロジー論を語るのは大いに結構でありますが、店頭や現場に足を向けず、商売の原点であるところから、顧客を実感できない・しない人たちが、中心となってディレクション・品揃えした商品など、一体誰が買いたいと思うのでしょうか??

 

結果的にそのような状態で品揃えされた商品は売れず、在庫になり、結果的にセール施策等の自分たちの付加価値を下げる施策を実行しない限りは、商品はお金に変わりません。

また、ありもしない自分たちの付加価値に拘り、セール施策を躊躇などしていると、次回の商品仕入の資金が得られず、その組織は窮地に陥ります。

 

最後に、少なくとも私はそのような”本部病”の患者が作った・品揃えした商品よりも、いつも顧客を実感している徳永さんが選んだ商品を買うことの方が、(古着等の)商品のジャンルはさて置き、買いたくなる商品であるのは間違いありません。

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