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モンスター。

冬ですね。厚手のニットなど気分ですよね。

 

体感の暖かさというのは、概ね、外気と肌の間にできる空気の層が体温によって温められることで感じるものです。

だから厚手のニットやダウンジャケットなどは、空気の層を厚く作ることができるので暖かいです。

 

最近、大手安価インフラ衣料系の厚手ローゲージニット商品レヴューで「毛玉ができる粗悪品」など、僕らのような繊維製品を扱う側からすると「そらそうやろ(´・_・`)」的なクレームを散見するようになりました。

 

厚手のニットということは、使ってる糸も必然的に太くなります。

太い糸を作るということは、繊維をたくさん束ねていくことになります。そしてふわっとした柔らかさを表現するために、糸の撚りを甘くして繊維本来の優しい毛羽が表面に出るようにしています。

繊維が表面に出るということは、摩擦で繊維が絡み合って毛玉になる可能性は高まる、というよりは、必ず出来ます。物理的に避けられません。

 

つまり、厚手のローゲージニット(に限らず、単繊維使用製品は多かれ少なかれ)は、使用状況によりほぼ確実に毛玉が発生します。
そのためケア用品として衣料用ブラシや毛玉とり機などがあるわけで、商品に欠陥があるわけではありません。

 

使用者便益を過剰に優先する最近の流れから、この手のクレームでも川上まで問題共有されることが多くなってきましたが、現状ある(または未来においてもおそらく)技術では、同様の風合いを得るためにとる製造アプローチは変えられない、と言うよりはおそらく偉大な先人達もその辺に対する改善を試みたが、同様の風合いが得られないという結果のため、今も昔ながらの製法がとられていると思ってもらえると少しは優しい消費ができるようになるでしょうか。

 

こういった現象は衣料品のみならず、他の便利を追求した先に起こる不便さを消費者から上げられて困っている開発側もいるのではないかと考えます。

例えばパソコンのフラッシュメモリーがほぼ満タン状態でマルチタスクをこなそうとして動作が鈍くなり本体の無能さを嘆くなど、日常生活でもよくある話です。
これを改善するには容量を上げるか、いらないデータを処分していくかなど、いずれにしても使用者による何かしらの動きが必要です。

 

このような事例で使用者側に更なる『不便』が生じると、消費者側は商品提供者に対して不満を持ち、継続購入をしないようになってしまうケースが多いようで、提供側もそれを避けるたい気持ちはわかります。

 

ところが繊維業界内で起こることと言えば、消費者クレームが製造側に落ち度がないものでも、製造にそのリスクヘッジをするのが通例となっています。該当の店頭回収品を上代買取させたり、販売機会損失分まで上乗せしてサプライヤーに転嫁したり、下請法で守られるべき事例でさえ未だに慣例として行われている現状は、聞こえてくる限りではなくなっていないようです。

 

本当のモンスターは消費者なのでしょうか。

 

糸提案、生地提案の際、サプライヤー側の説明不足もあるでしょう。これは製造側も真摯に受け止め、商品の成り立ちを理解した上で適宜メリットデメリットをしっかりとご説明差し上げる必要性はあります。
企画側もその説明をしっかりと理解して、買ってくださるお客様にとって末長く商品を愛してくれるように取り扱いケアも含めた事前のご提案ができるようになるといいですね。

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