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店舗を持つ強み、活かせてますか?

「OMO店舗」「売らない店」などの報道が多くなってきた昨今、仕事柄、話題のショップには視察に行くようにしております。

どのショップもそれぞれの特色があり、ECサイトや店舗での導線などを工夫しているように見えるのですが、手を動かすだけで出来ることがもっとあると思っております。これは店舗を持つショップ全てに言えることではあるのですが、EC運営をしていると「この局面では店舗の有効活用が求められる」なんてケースはたくさん出てきます。ですが、多くの店舗でその強みを活かしきれておりません。商業施設別で見ても、

SC(ショッピングセンター)>>>>>>>>>>>>ファッションビル>>>>>>>>>>>>百貨店

という印象で、意外とSCはECとの連動は積極的です。館のルールもあるかと思いますが、これだけOMOのようなワードが叫ばれるのでしたら、SCのような柔軟な対応が求められるのではないかなぁと日々感じております。(大丸が固定賃料にシフトしているのは、これも要因なのかもしれませんが)

そんな訳で本日は、店舗を有効活用する際のタスクリストを忘備録として記載しておきたいと思います。

◯店舗の需要を調べる

■「ブランド名(ショップ名) 店舗」の検索クエリの数値

■「ショップページ」のPV

ブランド指名検索の中でも、

「ブランド名(ショップ名) 店舗」

という検索クエリはよくあるものです。まずはこれがどの程度発生しているか?をsearch consoleから確認しましょう。

タイトル・ディスクリプションを整備しているショップであれば、大体はショップページが検索で表示されますが、そうで無い場合はトップページが表示されることも少なくありません。トップページからショップページへ簡単に遷移できるならそこまで問題ありませんが、たまにショップページが存在しないECサイトもあるのでご注意ください。店舗が無いブランドの場合は、ポップアップショップの予定があるなら、記事コンテンツ等でまとめておいて回遊させるのが良いでしょう。

ショップページのPVを確認することでも、店舗の需要がどれだけあるか?を計ることは可能です。

◯検索→ショップページ

m.m.lafleur

次に確認すべきはショップページにて、

■営業時間

■サービス内容を網羅(カスタムオーダー・リペアなど)

■外観・内観写真の掲載(常に更新)

■直近の店頭イベントのお知らせ

上記をご確認ください。コロナの影響で商業施設の営業時間はよく変更されます。最近は安定してきた感がありますが、それでもやや早めに閉店するショップもありますので注意が必要です。また、ショップでは受けられるサービス内容はしっかり網羅しておきましょう。せっっかく良いサービスを提供しているのに記載が無いと機会損失に繋がります。

お客様が来店される際、最新の外観写真は目印になりやすいので、外観が変わっている場合は更新作業が必要です。内観写真は来店動機につながる可能性があるのでギャラリー的に見せるのはありだと思います。更新が面倒な場合はinstagramのショップアカウントへ飛ばすか、店舗数が少ないならフィード連携しておくと更新が楽ですね。

店舗では商品入荷のタイミングでよくイベントを開催するケースがありますが、意外とそのあたりの情報は網羅されておりません。これはショップページでなくとも「NEWS」などの項目でお知らせする場合もありますが、情報の更新はこまめにやっておきましょう。

◯ローカル検索対策→GBP(Googleビジネスプロフィール)

■営業時間

■サービス内容を網羅

■外観・内観写真の掲載

■最寄駅からの行き方(動画)

■直近の店頭イベントのお知らせ

店舗検索と合わせて「ブランド名」のみの検索でも、位置情報から店舗が検索結果に表示されます。店舗へ行きたい、というユーザーはこの場合、ゼロクリックで店舗まで行ってしまうので注意が必要です。search consoleでブランド指名検索や店舗検索のクリック率が下がっている場合はこれが原因かもしれません。合わせてGBP(旧Googleマイビジネス)のデータを確認しておきましょう。

また、オーナー確認をした後、先述しましたショップページと同様の内容をしっかり登録しておきましょう。写真の登録の際、ショートムービーも登録が可能なので、最寄駅から動画で行き方を教えるような内容のものを登録しておくのも良いでしょう。店頭にてお客様がご購入された場合は、GBP上でのレビューのお願いをしておきましょう。

◯SNSで認知→店舗へ誘導

■営業時間

■サービス内容

■外観・内観写真の掲載

■最寄駅からの行き方

■直近の店頭イベントのお知らせ

SNSでもお知らせする内容は同様ですね。instagramの場合、ストーリーズやハイライトを上手く活用しましょう。

昨今はSNS広告等にて、最初の接点がSNSの場合も増えてきました。そこからいきなりECで商品を購入…、ということも確かにあるのですが、中価格帯以上になってきますとそう簡単に決済して頂けません。店舗がある場合、まずは商品を手に取って見てもらう方が優先されますので、店舗へ誘導するコンテンツも用意しておきましょう。

最寄駅からの行き方は先ほどのGBPと同様でショートムービーで投稿しておきましょう。ストーリーズ→ハイライトに追加という流れですね。商業施設に出店している場合は、フロアガイドを用いてどこにショップがあるかをお知らせしておく必要もあります。新規ユーザーはまずプロフィール欄を確認しますので、サービス内容や店頭イベントもハイライトにまとめておくのが得策です。注意点は、古い投稿がいつまでも残らないようにすることですね。前のシーズンの内容等はあっても意味がありませんし、タップする回数が増えてしまうのでお客様にとって手間でしかありません。

◯店舗からECへ

■SNS/LINE/メルマガの登録促進

■サイトコンテンツの有効活用

最後は店舗に来られたお客様対策ですね。せっかく来店されたのですから、そこからECでもお買い物して頂きたい、というのがブランド側の本音でしょう。もちろん、お客様の意向次第ではあるのですが、ECをしっかり認識して頂くためにも上記項目は積極的に実行しましょう。SNSやLINE・メルマガ登録はご購入の際にショップカードのお渡しや、カスタマーカードの記入をお願いすることで簡易に対策は可能です。

問題はサイトコンテンツの有効活用ですね。これはSCに出店しているショップが一番のお手本でしょう。その時実施しているキャンペーンや、最新の特集記事、スナップコンテンツ等をポップにしてQRを設置しているケースをよく見かけます。もちろん、関連する商品もその場に陳列されておりますので、その場で購入されなくとも、後で見返して頂ける可能性が上がります。着用シーンをきれいなヴィジュアルで見せることも可能なので、お客様に着用のイメージを持って頂きやすくもなります。このような取り組みをする場合、商品のデリバリーと同時にサイトコンテンツの投稿が完了→ポップ制作が済んでおりませんと実現しません。MD設計を事前に確認した上で、タスクリストを整理しておきましょう。大掛かりなケースだと、自社で運営しているWEB上のオウンドメディアを発刊したり、はたまた紙媒体を定期的に発刊しているブランドもありますね。

店舗活用をする場合、手を動かすだけでこれだけの対策が可能です。(サイトコンテンツの活用は大変ですが)OMOだなんだと言う前に、やれる事はなるべくやっておきましょう。ECSNS側のツールの使い方と、リアルでお客様が何を求めているか?が理解できていれば対策は可能ですから、EC担当の方々はしっかり実店舗も普段からチェックしておくことをおすすめ致します。

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